三国志(6)(吉川英治歴史時代文庫 38)

著者 :
  • 講談社
3.93
  • (254)
  • (179)
  • (288)
  • (7)
  • (2)
本棚登録 : 2049
感想 : 76
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (491ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061965386

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 面白い!!!!!

    「人と人との応接は、要するに鏡のようなものである。驕慢は驕慢を映し、謙遜は謙遜を映す。人の無礼に怒るのは、自分の反映へ怒っているようなものといえよう。」

    「百計尽きたときに、苦悩の果てが一計を生む。人生、いつの場合も同じである。」

  • 魏の張遼、呉の甘寧、蜀の趙雲子龍が今回は大活躍。
    老将の黄忠も、快勝!
    そしてとうとう玄徳は、王位に即位し漢・呉・蜀の三国志の形になった。

    相変わらず孔明にしてやられる曹操が愉快だ。

    この巻では、残念ながら関羽の活躍はなかった。

  • 「吉川三国志・破」

    <マイ五ツ星>
    赤壁:★★★★★

    <あらすじ>-ウラ表紙・ややアレンジ
    天下を席巻した曹操は、劉備配下の武将・関羽に惚れ込み、何とかして迎えようとする。だがいかなる好遇も、劉備との“桃園の契り”に忠実たる関羽の心を翻すことはできない。千里を走り、劉備と再会を果たす関羽。
    一方、江南では、父孫堅・兄孫策の跡を継いだ呉の孫権が、恵まれた自然と豊富な人材のもと、国力を拡充させていた。
    そのような中、劉備玄徳は、三顧の礼をもって諸葛孔明を迎えることに成功する。孔明は説く。「北に拠った曹操は、すなわち天の時を得たものであり、南の孫権は、地の利を占めているといえよう。将軍(劉備)はよろしく人の和をもって、それに鼎足の象をとり、もって、天下三分の大気運を興すべきである」と。
    折しも、北方を攻略し、百万の軍勢をもって南下する曹操軍。孔明はその智謀の限りを尽くして孫権を説き伏せ、呉と連携して決戦の地・赤壁に赴く-。

    <お気に入り>
     趙雲は、声をあげて哭いた。
     (中略)
    「おれをさえぎるものはすべて生命を失うぞ」
     (中略)
     彼の超人的な武勇と精神力のすばらしさは、それに蹴ちらされた諸兵の眼から見ると、やはり人間業とは思えなかったのも事実であろう。紅の光!-それは忠烈の光輝だといってもいい。紫の霧!-それは武神の剣が修羅の中にひいて見せた愛の虹だと考えてもいい。

    <寸評>
    『三国志』中盤となる(四)~(六)は、諸葛亮孔明を迎える劉備玄徳の“三顧の礼”、勢いとどまらぬ曹操の大群を孔明の智謀を得た劉備と孫権の連合軍が迎え撃つ“赤壁の戦い”、そして“天下三分の計”のままに魏・蜀・呉の三国が並び立つ兆しを見せる、『三国志』のハイライトである。

    有名なシーンが目白押しであり、三国志初心者でありながら、来たる赤壁の戦いに向けて気持ちが盛り上がっていき、このあたりは寝る間も惜しんで読み耽った。

    中でも、主・劉備への忠義のために、彼の妻子を救いに敵の大軍の中へ単騎駆け込んでいった、趙雲の義心には、思わず目頭が熱くなった。

    またこの辺りからは、三国それぞれの智謀の将が、続々と表舞台に立つようになり、その知恵比べもまた面白い。

    孔明の言うように、劉備軍が曹操・孫権に対抗できるのは、人材だけであった。それも“量”でなく“質”である。それがまさに最盛期にあるのが、この赤壁前後で、この時点では紛れも無い、勝者であった。そして、わが国の頼朝と家康を比べても解る通り、有能な忠臣が枯渇せず、後継者も育つことがいかに大事であるかを、劉備の興した蜀国は思い知らされることとなる。

    次回のラスト(七)~(八)では、散り逝く者たちの挽歌と共に滅びゆく蜀国が、最期の意地を見せる。

  • 吉川三国志の第6巻。
    龐統が仕官するところから、劉備が漢中王に就くあたりまで。

    赤壁も終わり劉備が蜀の地を手に入れたことにより、いよいよ三国時代の到来。
    しかし、ここら辺から大国同士の小競り合いが続くこととなり物語は少しだれる。

    それにしても、恩を仇で返すこと数知れず、遂には一線を頑なに守っていた劉姓の同族にまで牙を剥いた劉備玄徳の仁の心とは一体・・・。

    後半に入り、曹操が優秀な家臣を次々と死に追いやったりなど魅力的な人物が少しずつ老い衰えて変化していくのは寂しい部分だ。

  • え、五将軍って黄忠も入ってたのか。

  • ■書名

    書名:三国志(6)(吉川英治歴史時代文庫 38)
    著者:吉川 英治

    ■概要

    赤壁の大敗で、曹操は没落。かわって玄徳は蜀を得て、魏・呉・蜀
    三国の争覇はますます熾烈に――。呉の周瑜、蜀の孔明、両智将の
    間には激しい謀略の闘いが演じられていた。孫権の妹弓腰姫(きゅ
    うようき)と玄徳との政略結婚をめぐる両者両様の思惑。最後に笑
    う者は、孫権か、玄徳か?周瑜か、孔明か?一方、失意の曹操も、
    頭角を現わし始めた司馬仲達の進言のもとに、失地の回復を窺う。
    (From amazon)

    ■感想

    実は、上記の概要はかなり違っています。
    まず、この巻では周瑜は出てきません。(前巻で既に死んでいます。)

    次に、この巻は完全に蜀の快進撃がメインです。

    劉備、公明、関羽、張飛、趙雲、馬超、黄忠、議延といった武将が
    勢ぞろいし、破竹の快進撃を見せます。
    確かこの巻では、蜀の武将はほとんど負けていないはずです。
    その代わり、魏(曹操)の衰退ぶりはやりすぎだろう!?というぐらい
    酷いです。
    もはや明主でも何でもなく、権力におぼれる勘違い一武将に成り下
    がってしまいました。。。
    今まで傍にいた家臣をことごとく殺してしまった時点で、曹操の
    迷走、墜落が始まったように思います。

    しかし、この三国志を読むと武将以外の被害者の数が尋常では無い
    ですね。。。。
    一戦で何万といった人間が死んでいくのですから。
    この時代に生まれ、このような雑兵になった人生は本当に大変なん
    だろうな~と感じます。
    (これは、近代戦争でも全く同様ですが・・・・)

    本巻では、蜀が無敵に見えますが、これがまた負ける事になるのだ
    から、戦いや駆け引きは面白いです。

    残りはあと2巻です。

    次では、とうとう今までメインで活躍していた人たちが、次々と
    その人生に幕を降ろすようです。
    寂しいですが、それぞれの最後をしっかり読みたいです。

  • ついに蜀を手中に収める。馬超が加わり、役者がそろってきた。
    残り、二冊だ。このあとの展開が楽しみ。

  • 面白くなって来た。

  • 吉川先生の代表作。随分前の作品ながら文体は読みやすくて改めて感心。
    この巻では、臥龍鳳雛の両軍師や五虎将軍が勢揃いするなど
    立ち後れていた蜀もようやく、って感じで体制が整った様子。
    現実的には蜀はこのあたりがピークのひとつなのかな、と。
    個人的には、龐統って、人間的にどうかと思うよ。
    あっ、歴史、ではなくて、個人的にはこのカテゴリーとしてます。

  • 図書館

全76件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

1892年、神奈川県生まれ。1921年、東京毎夕新聞に入社。その後、関東大震災を機に本格的な作家活動に入る。1960年、文化勲章受章。62年、永逝。著書に『宮本武蔵』『新書太閤記』『三国志』など多数。

「2017年 『江戸城心中 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉川英治の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×