デカメロン(下) (講談社文芸文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061976689

作品紹介・あらすじ

14世紀のヨーロッパを襲ったペストがフィレンツェにもたらした死の影の下で、ボッカッチョは完全な精神の自由を獲得し、過去のくびきから解き放たれて、10日10話、100篇からなる多種多様な物語を書き上げた。ルネサンスの息吹きを伝え、近世小説のさきがけとなった屈指の古典『デカメロン』を見事な日本語に移しかえた名訳。(第7日、第8日は省略)

感想・レビュー・書評

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  • ひょいと読み返したくなり捜したが、岩波文庫のは品切れ、講談社文芸文庫の略本で間に合わせた。

    『デカメロン』またの名を『ガレオット公』は14世紀のイタリア文学。古典中の古典。

    所はイタリアフィレンツェのペスト蔓延の死の影から逃れて、妙齢の貴婦人7人、騎士3人が田園領地につどい、10日間に1人一短編、1日十篇を語る、百物語。

    百話もあるのだから多岐にわたっているのだが、機知に富んだ話し振りは軽妙かつ、色っぽく(エロっぽく)あたかも人生哲学を呈しているからおもしろい。

    今にして思えば、エロと言ったって直接の言葉は使わずぼかしているので、なお想像力が増したのである。岩波のは挿絵があったので、よかったけど。

    この講談社文芸文庫には略されているけれど、昔読んで強烈に覚えている話は、

    ワインの大きな樽だかなんだかの不具合を、亭主にもぐらせて見てもらっているおかみさんが、覗き込んでいるその姿のまま、恋人になにをさせる…。当然息遣いも荒く、亭主もぐりながらも「???…どうした」そしておかみさんの答えが「…」。

    もちろんこんなのばかりではなく、腐敗している聖教者を見てかえって信仰心がわくだとか、日本の「安寿と厨子王」みたいなのや、オカルトっぽいのもある。

    百話のうちには、地理的にもヨーロッパ全土をかけめぐり話を集めているので、職業、階級、地域、14世紀ヨーロッパの世界がわかるのである。

    特に話し手に貴婦人が7人もおり、女性崇拝の騎士が3人もいるので女性像が生き生きしているのがいい。ボッカチョも「あとがき」で女性よ頑張れとあかるく後押ししているみたいである。

    *****

    私が10年前にイタリア旅行した時、フィレンツェの中央駅のそばにあった「聖女マリーア・ノヴェッラ教会」の壁をもっとよく見ておけばよかったとつくづく思う。そこがそもそも『デカメロン』の出発地点、終点であったのだと今回わかった。おぼろにしか覚えていないのが残念。

  • 5日8話目。この話が読みたくて、デカメロン読んだの忘れてた。
    美術館でこの話を題材にした絵をみて、デカメロンおもしろそうと思ったんだ。でもどこの誰の絵か全く思い出せない。

  • 10日間もよく話せるなとリアルに思うなあ。いまのヒトシマツモトのすべらない話の感じか。

  • 小話集といった趣で、訳も平易で、とても読みやすい。

  • インパクトあったよ。

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