- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062035163
作品紹介・あらすじ
彼らの求めたものの多くは既に失われてしまっていた。もうそこから進むこともできず、戻ることもできない、暗い森の奥に、永遠に…。限りのない喪失と再生を描く今いちばん激しい100パーセントの恋愛小説。
感想・レビュー・書評
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最後の3章は止まらなかった。
本には終わりがある。人生も。
これから彼はどうなるだろう。とても何とも言えない感情で、何とも言えないことが理由なのかよくわからない感情で泣いた。
表紙の緑は緑のことで、題名はレイコさんのことだと思う。赤はケガかな。
読み終えた深夜2時。
すごく言葉にし難い想い。
大切な感情を次の日には忘れてる感覚。
事実として起こったことは思い出せるし、感情も言葉では思い出すが、全く同じ感情にはなれないカンジ。
読書中、結構そんな感覚だった。
これいる?って思う一文も、何で書いたんだ?って立ち止まる。
読み飛ばせない水溜まりがたくさんあったなぁ。 -
素晴らしい小説です。出てくる表現一つ一つが繊細で弱く同時に強く残るという不思議な感覚です。
村上春樹さんの書く文章がとても好きです。 -
変化が起こるようで起こらない下巻。
しかし終盤で急に事態が激変。かなり驚いた。
ちょっと「そりゃないよ」的な感じ。
あんな事があったら、主人公は生きている事に
望みを見出せないのでは?と思った。
それでも最後はきれいに終わる。希望も見出せる。
(上下巻を通じて)
テーマは「生と死の境界」みたいなところであろう。
それだけ聞くと重くて暗い感じを受けるが、
この小説では様々な出来事(明るかったり暗かったり)
を通してそのテーマを表現している為、
重さや暗さは感じない。
むしろ会話のやり取りが明るくて楽しい。
それがこの小説の人気たる所以なのかも。
…しかし、エロシーンが満載であった。
最後の最後まで。もう少し抑え目でも良いのでは?
村上春樹の小説だとこれが普通なのかも知れないけど。
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上巻を読んだ時点では、なんて妄想的なんだろうか、こんな男にとって都合のいい女の子(緑)がいるものかという憤り?とちょっとした不快感を感じた。思い返すと、「村上春樹氏は決してノーベル文学賞は取れないだろう、今の時代の価値観からはあまりにもかけ離れすぎている」なんて評論家の意見を前情報として取り込んでいたことも少なからず影響していたのだろう。しかし、下巻で、緑が私が眠るまで抱いてして欲しいとつぶやき、ハツミがどうして私だけじゃ足りないのと叫んでいる姿を見た時、私の心は既に物語の中にあった。
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処分する前に読む母の村上本 その⑧
いやはや疲れた
しばらく村上本は読みたくないが
図書館が開館するまでに全部読み切ってしまいたい
若かりし頃に読んだ時には
それまでの村上春樹の作品とは違うんだぞという
売り出し方(100%恋愛小説という帯)だったかと
それでもさして違いを感じなかったが
好きな部類にはならなかった
著者自身がわざわざ「ふだんは書かないあとがき」と
前置きして4つの理由を挙げている
何度読んでもその必要性があまり理解できない私
ちょっと言い訳めいて聞こえるのからかなw