ぼくの・稲荷山戦記

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 345
感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062059398

作品紹介・あらすじ

先祖代々、裏山の稲荷山神社の巫女をつとめるマモルの家に、ある日、奇妙な下宿人がやってきた。腰までとどく長髪に、和服の着流し、アブラゲが大好きな美青年・守山さんのふしぎな魅力に、マモルはしだいにひかれていく。そして、レジャーランド開発のために破壊されようとしている山と古墳を守ろうと立ちあがった守山さんと、マモルは行動をともにするようになる。海に山に森に、太古から宿り、人間たちを見守ってきた“存在”との運命的な出会い、そして、明らかになった守山さんのおどろくべき正体とは?いま、自然を守ることのたいせつさを熱く問いかける、秀作ファンタジー!

熊日文学賞/第32回講談社児童文学新人賞

感想・レビュー・書評

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  • レジャー施設の開発の危機が迫った稲荷山の神とその使いの狐から、その自然を守るための協力を求められて立ち上がる少年のお話。

    日本人は自己肯定感が子どもの頃から低い、といわれて久しいですが、ひょっとしたら神を信じない、日本独特の無宗教的な風土とその教育が原因なのかもしれない、と最近思っています。
    どうあっても自分を認めてくれる存在がいる、という確信が無ければ、自分に対する肯定感というのは自分自身が保障しなければならない。しかし、それは結構大変。絶対的な、でなくとも人の力を超えた何かがいて、それが自分のことを守ってくれている、という感覚が、今までの人類を内面から支えてきたのかもしれない。
    そうすると、科学的な、悪い言い方をすれば頭でっかちな価値観、思想が子どもから大人たちまでどっぷり使っていて、なおかつ特定の宗教というのを持たない日本人はその支えを全く持たないで、自然の中を生きているのではないでしょうか。
    この作品中、主人公が神に会ってその存在に畏怖を抱くシーンがありますが、こういった経験は現代はほとんどありえない。人智を超えたなにかに対する畏怖、そこから生まれる確信があるからこそ、人は勇敢に振舞うことができる、というのもこの作品のテーマではないでしょうか。
    ・・・考えすぎでしょうかね?たまたま、最近考えているテーマと合致する部分が多かったので、いろいろ思いました。

  • お気に入りでした。

  • もう一度あのハードカバーの本が読みたい!と県立から取り寄せてもらいました(笑。

    古墳を守る為にキツネ・ヒト同盟ができ、工事業者vs守る会が戦う!!
    巫女に選ばれた少年と狐のファンタジー物語です。

    ハードカバー万歳!やっぱりハードカバーが良いです!!

    2012/00/00

  • 2016_015【読了メモ】(160204 0:12)たつみや章、絵 林静一『ぼくの・稲荷山戦記』/講談社/ 1992 Jul 23th/高校以来の再読

  • あっそういえば!と読んでみた。
    やっぱりこの作者さんは面白いなぁと。
    ファンタジーなのに現実らしく、読みやすい。


    種類の保存とか、長い歴史の中ではあまり意味のないことかもしれなくて、人の存在も言わんやで、そのことについて考えるのが人間だけというのがまた面白いと常々思ったりしてる。みたいなとこをまた思い出したようなお話。
    植物は二酸化炭素でいっぱいだった地球を酸素いっぱいに変えてしまったそもそもの原因?なので、強いとは思うけれど、その強さに甘えててはダメよねーと。何しろ人間の死活問題なのだしね。

  • 図書館の本が嫌いだったのだけど、この作者の本にはのめり込んだ。

  • 負ける姿を見ろ、っていう鴻沼さん
    若い君に期待しつつ、彼は覚悟を決めた大人だ。子供からも、大人からもかっこいいと思ってもらえる大人だ。
    少しずつ変化していく自然を食い止めるには、熱意だけではだめなのだ
    初音のように身を捨ててもだめ、になるまえに、手をいれ続けることしかできない
    姫だったおかあさんのことを我慢できるマモルは尊い

  • 再読

  • 中学生の時に読んだ本。守山さんがカッコよすぎて夢中でした。後半ボロボロ泣いたような。いま読んだらどう思うのかな?

  • 小学生の頃初めて読んだときは、ひたすら守山さんがかっこよかった。今読み返すと全体で訴えかけてくるテーマがとても重く感じる。

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