最悪

著者 :
  • 講談社
3.56
  • (44)
  • (109)
  • (128)
  • (13)
  • (7)
本棚登録 : 657
感想 : 94
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062092982

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • いやはやタイトル通り「最悪」な物語でした。

    主な登場人物は3人。
    町工場経営の中年男性と20代の女性銀行員、そして20歳のプータロー。
    最初はみんな少しずつ小さな悪いことが積み重なり、徐々にそれが膨らみ思考停止に陥るという誰にでも起こりそうなトラブルがそれぞれに起こるのだが、中盤から終盤にかけては3人に女性銀行員の妹を加えた4人の逃避行になります。
    物語には引き込まれますが、最後まで重苦しい内容が続くので、ちょっと疲れました。
    最後がハッピーエンドとまではいかないもののなんとか光が射すような終わり方で救われました。

  • その町には幸と不幸の見えない境界線がひかれている。事業拡大を目論んだ鉄工所主・川谷を襲うウラ目ウラ目の不幸の連続。町のチンピラの和也が乗りこんだのは、終わりのない落ちるばかりのジェットコースター。「損する側のままで終わりたくない!」追いつめられた男たちが出遭い、1本の導火線に火が点いた。

  • クライマックスのむちゃくちゃさが良かった。最悪なのに、スッキリした読後感。

  • 漢字2文字シリーズ、ハズレ無しです。

  • 真ん中で既にキツイです。

  • 今は、読むだけの気力がありません。 題名だけでダウン。

  • 2003/8/22 最初の本 ★4

  • 町工場の社長新次郎、チンピラの和也、銀行員のみどり、3人の日常に降りかかる不幸の連鎖。
    これでもかと続く不幸が最悪に繋がる。

    新次郎に続く最悪な出来事は、とにかく読んでいて辛かった。
    本人は一生懸命なのにと思うとやり切れない気持ちになり、こちらまで息苦しくなってくるほど。

    3人がかもめ銀行のロビーで出会い、逃亡劇を繰り広げる。
    逃げられっこない、と思うような杜撰な逃亡劇なのに、どこかおかしくて、何とかならないものかなと同情してしまった。

    ラストは落ち着くべきところに落ち着いた感じ。
    スッキリとは行かなかったけれど、とりあえず読者の私もホッとしました。

  • おもしろかった
    タイトル通りの展開だった。
    救いようのない展開だが、次が気になり読み続けられる。

  • 前半、無関係に生きている3人の人生の憂鬱がかなり細かく書かれているので、3人が出会い、急展開を見せる後半での各人の心境が良く分かって面白い。主人公3人の人生がこれでもかというほど悪い方に悪い方に展開していくのはマンガ的であるが、前半でそれぞれの事情が詳しく描写されているため、心象風景はかなりリアルである。主人公達がどんどん不幸になっていくので、最後に何かどんでん返しがあって幸せになったりするのかと思いきや、最後まで容赦なく不幸になって行く。不幸も不運も、悪い方に突き抜けると思わず笑ってしまうことがあるが、そうした時に感じる開き直りのような感情を上手く表現している。

全94件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

奥田英朗の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×