シルエット

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062109048

感想・レビュー・書評

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  • 悲しいなんて、切ないなんて、そんな言葉では言い表せなくて。

    1つ1つの言葉が綺麗で、静かで、雪みたいな真っ白な世界に飲み込まれていく。

    自分ではどうしようもないこと。
    起こってしまった現実。
    変えたいと願いながらも、変わらないと、本当は自分自身が諦めている。

    自分がどれだけボロボロで、腐ってるかは気づいているのに。

  • 島本理生のデビュー作。
    すごく好きな文章だった。
    島本理生の書いた本はいろいろ読んだこともあるけど、こんなに心に染み込んでくるものは初めてです。
    冠くん、せっちゃん、はじめ、藤野。
    男子が多いような気もしたけれど、彼らを行き来するわたしの心情が、島本理生独特の比喩や澄んだ筆致で、愛おしく伝わってきました。

    たまらなく好きだったのに、すぐ隣にいたのに、触れることができなかった冠くん。
    失ってしまったものや時間はもう取り戻せないけれど、まだ相手を想っていれば伝えられるものはある。
    遅すぎたのかもしれないけど、冠くんはそれがわかって良かったのだと思う。

    綿矢りさ「ひらいて」にでてくる、たとえもそうだったな。
    こういう陰がある朴訥とした男子高校生たまらなく好きです。

  • 短い物語なので、読みやすく、おもしろかったです。ある女性が恋人の影響を受けて、苦しむ心情が丁寧に表現されています。

  • ずいぶん昔に一度読んだことがあるので、実質再読。
    表題作「シルエット」は、昔読んだときと印象が変わってとにかく息苦しく、そして切ない。

  • リアルな女子校生の話にスケべ心で読んだけど、果たしてリアルなのかどうかよく考えたらオイラにわかるはずがない。でも何ともない女子校生の日常でもオイラにしたら非日常だから面白くはある。そう言えば、男子校生の作家デビューって聞いたことないなぁ。物語の登場人物としては面白いんだけど、当人たちには意外と書けないのかも。

  • 3部作でした。
    二本のショートの作品とシルエットかな。
    ショートの作品は若いときに書いたようなことを書いてあったかな。
    意味のわからないところもあったかな。

    ただ、シルエットを読んだとき、自分の大学生活を思い出させられました。
    なんか、読み終わってから考えさせられちゃいました。

  • 2019/12/18

  • つまらなくないが、面白くもない

  • 雨の記述がとても綺麗。初めて読んだ人だったけれど、文章が夢見がちにふわふわして心地いい。もっと読みたい。

  • 恋愛ものの短編集 言葉が静かで鋭い いかにもの幸せの形はない 後悔して、苦しくて、辛くて・・・ とうの昔に忘れてたような恋愛の形がここにあった

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著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2001年「シルエット」で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。03年『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞を受賞。15年『Red』で第21回島清恋愛文学賞を受賞。18年『ファーストラヴ』で第159回直木賞を受賞。その他の著書に『ナラタージュ』『アンダスタンド・メイビー』『七緒のために』『よだかの片想い』『2020年の恋人たち』『星のように離れて雨のように散った』など多数。

「2022年 『夜はおしまい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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