ひとが否定されないルール: 妹ソマにのこしたい世界

著者 :
  • 講談社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062113120

作品紹介・あらすじ

12歳でこんなことが本当にある!?歩くことも話すこともできない重度の障害者の驚くべき感性と知性。想像を越える「人間の無限の可能性」と、常識にとらわれない「生きることの哲学」。NHKスペシャル「奇跡の詩人」で放映、脳障害・天才少年の魂の記。

感想・レビュー・書評

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  • たんたんと、おしつけも嫌味もなく、言葉をつむぎたいんだなあという筆者の思いを感じた。
    周りの人たちにこのような考えを持っている人が多いといいなあ、と思う。

  • 12歳の子が書いたとはとてもおもえない、
    コミュニケーションの本質を見事に描き切った本だと思う。
    「12歳」の「人」が、これだけの世界を見れるということ、感じ取っているのだということを知るだけでも、
    子どもとの接し方は変わったくるんじゃないかな。



    人によって受け取り方は様々です。それは私の立場から、「こう思うのが正しい」と押し付けることではありません。

    人の心は、こちらからどう伝えても変わらない時がある。それはその人の生い立ちに負うことが多いので、その人自身が変わろうとか気づこうとしない限り、変えることはできない。だから私は手放すのです。私の言葉を文章に載せて、ただ流すのです。そしてそれを受け止めてくれる人がいれば、その人たちと共鳴し合うだけでいい

    怒られるからしなかったのです。それがやってはいけないことだと理解しないのではない

    大人たちは命令することになれています。子どものときに命令されて育っているから、大人になっても、ものがわからない者には命令するものだと思い込んでいる。

    こどもゆえの未熟さを補おうとはしませんでした。私がどのような状態であるかを見極める導き手に徹していたのです。

    どんな立場でも、どんな身分でも、自分の意見がはっきりと言え、自分の思いを持っている人は、相手がどんな身分になっても、私は友達で入れる

    私が接した大人の中には、上下関係の緊張感を漂わせる人がいました。いろんな意味で立場が下の者は、上の者に間違いを指摘されないことばかりに目を向け、自分の思いを伝えることができなくなっています。

    私がこどもだから指導してあげないといけないと思って接してくる人や、脳障害でかわいそうだから手伝ってあげようと思ってくる人とは、なかなかうまくうきあえません

    どこではだれもかれも命令したりしません。ただ互いに尊重し合い、時として、より良く生きるためのアドバイスうをしあうだけ

    他人の意見を尊重しても言いなりになることはない

    仲がいいからといって同じことをすればいいわけではない

    強制力がはたらくのは、だれでも厭なはずなのです

    理にかなったことに対しては私は素直に聞き入れますが、相手に力関係で強制することには納得することは決してないでしょう

    私たちの要求をすぐに聞き入れてくれたからいいというのではなく、互いの思いを率直に述べあい、より良いイベントにすることが大事

    「これが正しいこと」として押し付けられたり、相手を動かすために不利な情報を与えないでごまかしたり

    妥協して自分の言いなりになってほしいのではなく、それ以上に父の気持ちを知りたかったのです

    私はいつでも互いに断ることをしても、何のわだかまりもな起きない関係をひとと築いていきたいと思っています。

  • 日木流奈(ひきるな)さんが、当時12歳のころに書いた本。
    流奈さんは脳障害児で立つこと歩くこと、声をだすこともできないのですが、文章を書かせると「この人は禅の僧侶か!?本当に12歳なのか」と思うほど大人顔負けの立派な考えを持っている。

    ひとつの「障害者の書いた本」としてではなく、ひとりの作家の書いた思索として読めます。

    地球の〈わ〉の話なんてひとつの思想・哲理です。

    「本当はお母さんが流奈さんの手を持って文字盤を使って勝手に話しているだけ」という意見もあるようだけれども、仮にそうだとしても実に重要なことを語っていると思います。

    流名さんの家では、訓練の課題がうまくできようができまいが、「そのままの自分を愛する」という育て方をしていらっしゃるようで。

    他人との比較じゃなくて、いつも自分と比べて進んできた。


    エジソンや龍馬なんかも、学校での出来が悪くて追い出されたけれども、お母さんの「ありのままを受け入れる」教育で立派な大事業を成し遂げる地盤を作っていった。

    まずは、自分の存在を「そのままでいいんだよ」と無条件に受け入れることが、出発点になけりゃいけないと思ったりするのです。

    何かを持っているから、といってそれで幸せになれるわけじゃない。
    その人がその人として無条件で肯定されることのなかに幸せがある。

    あとは、「自分のところに引き込もう」としている新興宗教のボランティアさんと、純粋にボラとしてやっているクリスチャンのボランティアさんの違いの話なんかが心に残っています。

  • ルナ君の本はどれも良い。
    純粋な子供が書いているから、清々しいです。
    この本もとても良いです。
    しっかり自分の中に留めたい内容です。

    もう6冊目ですが、最初の頃と比べて感動があまりなかったのですが、成長したということなのかしら、と思っています☆
    ルナ君の本は、他の著書とかぶっている部分が少ないですね。

  • 付箋つけまくった本。H14,5,27と日付をつけている。

  • 先入観は悪。想像以上の知らない能力があるかも。

  • あらすじ
    著者である日木流奈の感じたこと・考え方を妹.ソマの誕生を期に大人へのメッセージとして記した。
     著者は極小未熟児、先天性腹壁破裂の状態で産まれた。直後の三度にわたる手術のストレスにより脳にたまった水が脳を圧迫し、脳障害となった。1992年、ドーマン法のプログラムを開始、95年には他者との意思疎通が可能になる。人に伝えるという手段を得た彼は、5年間の沈黙を破り、彼なりの“存在が否定されないというルール”について見解を述べている。

  • 勇気が出てくる本。

  • ルナくんはすてきな宇宙人だなぁ。と思います。

  •  障害持ってる子がこんな本書けるわけないと否定的な人も
    いるけど、分かってないな。
    障害を持つ子達にはとんでもなく高いレベルの魂が宿ってることが多いってことを・・・
    この本の一文一文の奥行きの
    深さそして洞察力のすごさに
    気づかない?気づかない人は
    心が曇っているよ。大人でも
    こんな文章かけないって!!

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