- Amazon.co.jp ・本 (25ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062124850
感想・レビュー・書評
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誕生日も本当の名前も、本当の両親も知らないユダヤ人のエリカという女の人が語る。
第二次世界大戦中、強制収容所に送られる汽車の窓から、一人の赤ん坊が投げ出された。
汽車がカーブに差し掛かってスピードが緩んでいたのもあり女の子の赤ん坊は助かった。
ユダヤの赤ん坊をかくまうことは罪になると知っていたはずだが、赤ん坊を拾った女の人はきっとエリカという名前だったに違いないとして、育てたのだった。
エリカの本当の母親は自分が死に向かっていると知った中で、少しでも生の可能性のある方へ娘を向かわせたのだった。
通常なら窓から投げすてるなんて殺人に問われるものだが、その状況では窓から投げすてらてることが生への道だったのだ。
ユダヤは600万の星になったとエリカは語る。
もしかしたら、打ち所が悪くて死んだかもしれない。
投げ捨てられてそのまま誰にも拾われずに死んだかもしれない。
きっと他にもそういう例はあったのだと思うけれど、生き残れるかは運、としか言いようがない。
「死」が支配す強制収容所の話の中の「生」の話。
関係ないけれど、柳田国男と柳田邦男の違いがやっと分かった。
紛らわしい…。
柳田邦男という人を正しく理解していなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分の子を、生に向かって、投げる。
できるだろうか。
一緒に死へ向かってしまうかも。
アンネの日記のようにたくさんの家族の別れがあり、幼い命、尊い命が奪われたのだろう。
ユダヤ人迫害、ナチス、悲しい歴史です。 -
戦争というテーマで5年生に紹介したなかで、子どもたちの反応が最も大きかった本。「死」の収容所へむかう母は、いちるの望みをかけて赤ちゃんを列車から放り投げた。その子がエリカ。
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死を直感した両親が、列車から一縷の望みを託して、強制収容所行きの列車の窓から我が子を投げ出した。多くを語らない絵本から、その思いが滲み出す...
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絵がきれい。
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戦争を勉強した後の6年生に読みました。(10分)時間短縮のため、出会いのところは省略して説明だけ少ししました。あとがきも少し抜き出して読みました。
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声に出して読むには難しい絵本ですが,内容は感動的。悲惨さだけでなく,人の強さと優しさを感じました。