庭の桜、隣の犬

著者 :
  • 講談社
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感想 : 79
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062125895

感想・レビュー・書評

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  • 家があるのに別々に暮らす夫婦

    夫婦ってなんだろう?愛でもなく嫉妬でもない、何かもっと厄介なものを抱えて、私たちはどこへ向かうのだろう?

    日常なのに 非日常のような内容

    最後で少しほっとします

  • 2005年2月11日読了。

  •  続けて読んだせいか、連作短編集的な体裁が似ているせいか、
    「空中庭園」と印象がかぶる部分も。
     こちらのほうが小品かなとも思うが、結構好き。
     こういう、ピントのずれたエキセントリックな人物を何人も、
     どうしてこんなに生き生きと描けるのだろう。引出しの多い人だ。

  • ダメ夫婦のダメな話。
    たまプラーザに家があるのに、高円寺に部屋借りちゃう夫もだけど。結局不倫してるし。
    長津田(だっけ)の実家に帰ってばっかりの妻もどうか?!
    核となるもののない夫婦だからこそある話、なのかな。
    未婚なのでその辺がわからないわぁ。

  • 先月から始まったNHKの「私の1冊 日本の100冊」という番組で、タレントの光浦靖子が角田光代の「八日目の蝉」という本の紹介をしていましたが、そこで語られる小説の内容を聞いているうちに、この本に強く興味をひかれました。
    角田光代という作家は以前から気になる存在で、いつか作品を読んでみたいと思っていた作家でしたので、この機会に読んでみようと、さっそく図書館へ行って、この本を探したのですが、残念ながら貸し出し中でした。
    そこで代わりに借りたのが「庭の桜、隣の犬」という小説でした。
    まず妻が先に読み始めたのですが、彼女はこれがいたく気に入ったようで、読み終わったあと、別の本をもっと読んでみたいということで、再度図書館へ行き小説3冊を借りてきました。
    また妻が娘に電話で、この本のことを話したところ、娘も以前からの角田光代のファンだということでした。
    そして角田光代の本4冊をすぐに届けてくれたのです。
    そんなわけで妻はすっかり角田光代の小説に、はまってしまったのです。
    そして私にもぜひ読むようにという強いお勧めがあったので、さっそく読んでみることに。

    これは30代の夫婦の物語です。
    どこにでもいそうなごく平凡な夫婦に訪れたちょっとしたほころびが、しだいに大きくなり、ついには夫婦の危機を迎えるまでになってしまうという物語です。
    ごくありふれた日常を夫婦それぞれの異なった視点から描くことで、日常に潜むさまざまな問題を重層的に浮かび上がらせていきます。
    日々の生活の中で何気なく浮かぶ妄想のようなもの、一見とりとめのない意識の流れを捉えていくことで、生きていることの手ごたえのなさ、ふと感じてしまう空虚感や寂しさといったもの、また幸せと不幸せがない交ぜになった日常の繰り返しのなかで、ふと顔を覗かせる生きることへの不安や煩わしさといったもの、そういった理屈を超えた言うに言われぬ感覚、矛盾した気持ち、そういったものが、実にうまく描かれています。
    ほとんど事件らしいことが起こらないストーリーでありながら、その展開には緊迫感を感じてしまいます。
    そしてそういったいびつな日常をただ嘆き悲しむだけではなく、それを受け止め、受け入れながら、いびつなままに生きていこうとする逞しさも同時に感じさせられるのです。
    妻の言を借りれば、それは「抵抗しない強さ」ということになります。
    中途半端な自分に苛立ちながらも、一方でそんな自分を醒めた目でみつめている自分の姿、平凡で幸せそうに見える家族のなかに内包する危なかしさ、微妙なバランス、そういったなかから現代を生きる人間のリアルな姿が浮かび上がってくるのです。

    角田光代の小説が、若い女性のみならず、幅広い層のファンをもつ理由が、この一冊の本を読むことで理解できたように思いました。
    「八日目の蝉」もぜひ読んでみたいと思いました。

  • 似ている二人だから一緒にいる。一緒にいるための十分な理由の一つだと思う。

  • 図:内容(「BOOK」データベースより)
    夫婦ってなんだろう?愛でもなく嫉妬でもない、何かもっと厄介なものを抱えて、私たちはどこへ向かうのだろう?傑作長篇小説。

    こんな夫婦。結構いると思う。

  • 角田さんの本を始めて読んだ。
    なんでもない日常を、切り取って、拡大して、裏とか、斜めとかから見たら、
    居心地の悪い世界が広がってたという感じ…。
    ビジョンとか、テーゼとか、仮定とか、
    お互いに分かち合うものを持たない二人は夫婦であってもゼロだと、
    う〜ん、なんかヤだなぁ。共感したくない。
    こういうジャンルの本は、読後が暗くなっちゃいますね。


  • うーん‥あたしにとって、角田光代さんによくあるパターン。平凡でつまらない誰もが送っているはずの現実をとことん描く、みたいな。でもそこから何も読み取れなくて、あたしはいつも戸惑ってしまう。読んでいると心の中がざらざらしてくる。

  • 借りるものないなー。。どうしよう。。
    と思ったときには必ず見る角田光代の棚に、まだ読んでない本を発見したので借りてみました。

    さして、本読みたい!って気分でもなく、
    むしろ気分はずーんて感じなのに、「読まなくちゃ」みたいな感じで読んでたからか、
    もともと私は「角田さんの本読むと落ちる」性質だからか、
    読んでる間重苦しくて、何度も途中で投げ出しそうになったけど読んじゃいました。

    夫婦もので、不倫。

    みたいな内容の本は、どろどろしてて、なんだか、室内が食べた後のアラレの匂いがしている不快感(?)みたいな感じがあって、あまり好きじゃないかも。。。


    角田さんのタイトル付けセンスにはいつもやられる。

    ナシング坂、第2太陽荘、レミ共和国、さざ波は大きな波のうねりへと

    らへんとか、あー。いいなー。って思う。


    ☆気になったぶぶん。

    「あんたもさあ、かあちゃんもさあ、なんか人のこと悪く言い過ぎ。人んちを駄目扱いしたくて何をそんなにむずむずしてるわけ?」

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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