- Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062128674
作品紹介・あらすじ
孔子は言う、知識のみを追い求める人間、小人(知識人)になるな!知性と徳性を併せ持つ人間、君子(教養人)を目指せ!
総ルビつき書き下し文 著者オリジナル現代語訳つき
朝に道を聞かば、夕べに死すとも可なり
『論語』の中には、多くの句があるが、この名句は、私の好きなものの1つである。この句には<覚悟>がある。人は偶然に生れ、偶然の中で生き、偶然に死を迎える。まさに<たまゆらの>人生である。<浅き夢みし>生涯である。それだけに、人は、なにか確としたものを心に抱いて生きてゆきたいと思う、そして死に臨みたいと思う。多くの人間は迷いの人生を歩まざるをえないだけに、一層、確としたもの――道を求める。それが何であるかは、人それぞれが考えるほかはない。――<本文より>
感想・レビュー・書評
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著者曰く、無人島みたいな場所へ一冊だけ本を持って行けるなら、迷わず論語だという。家族や友人への敬愛を説いた論語を孤独な空間へ持参する事の是非は置いておいたとしても、そうこられると、やはり読むべき一冊だろうか、という気持ちにさせられるものだ。
1時間程で読めてしまう内容であり、漢文、訳文、補足説明という順に進む。ああ、これは論語からだったかと気付かされる言葉も多い。しかし、あれ、論語ってこんな浅い当たり前の内容だったろうか、と正直思ってしまう。知識人と教養人とを分け、利己的なのをただの知識人とする。その振る舞いの中で中国式の仏教観を用い、地獄の話をする。
だが、被支配階級を統制するために使われた論語が、正しく判断基準になり得るだろうか。利己的という言葉は、表層だけ捉えても駄目である。利他的もまた、利己的と言える。つまり、行為の目的別に二分するのではなく、行為そのものを受け止めなければならない。相手の腹を探るから、利己とか利他とか言うのだ。論語は、まだその次元なのだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
老先生(孔子)ったら結構、毒舌。
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「己の幸福を求める」のは人間の本能
人は清く、正しく、美しいなどといううすっぺらで観念的なみかた。
儒教の死生観・・・魂(精神)魄(肉体)、死を迎えると魂魄は分離、雲と白骨のイメージ