追跡!「佐世保小六女児同級生殺害事件」

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062130417

感想・レビュー・書評

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  • 小学校6年生の女の子が同級生を学校で殺害。
    信じられないような事件が実際にあった。
    家庭環境や発達障害、さまざまな要因が重なった結果だと思うけれど、読みながら色々考えさせられた。
    著者の本は読みやすいけれど、断定するような部分が多いのが気にかかる。

  • 小学生が起こした事件に対して家族環境等の影響を調査することは必要だと思うが、かといってその責をその親に負わせるのは連座制ではないのかという疑問が湧いた。

  •  現代の少年非行に関するレポート作成のために読んだ本。
     この事件が起こったのは自分が小学校5年生の頃で、「自分と同じくらいの子が人を殺すなんて…」とだいぶショックを受けたのを覚えている。
     本の内容は、加害者家族やクラスメイト、その保護者達、学校関係者へのインタビューから、事件の真相を明らかにしようとしたものであった。しかし、加害者本人へのインタビューがなかったため、本当の意味での事件の真相は分からなかった。

  • 佐世保小6女児同級生殺害事件
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E4%B8%96%E4%BF%9D%E5%B0%8F6%E5%A5%B3%E5%85%90%E5%90%8C%E7%B4%9A%E7%94%9F%E6%AE%BA%E5%AE%B3%E4%BA%8B%E4%BB%B6

    2004年6月1日、佐世保市の女子児童が同級生を校内で殺害したセンセーショナルな事件。

    ------------------------------

    いまでもネットのまとめ記事で見かける「ネバダ」の文字。
    小学校で撮影された集合写真、そこに写る加害児童が着ていたパーカーに「NEVADA」と書かれていたことから、彼女はネットの世界で今でもネバダと呼ばれ続けている。凶悪少年犯罪が起こるたび、酒鬼薔薇聖斗とネバダの名前がディスプレイに踊り、比較され続ける。

    事件の引き金となったインターネットでの(荒らし行為を含む)やりとり。加害児童が他者の気持ちをくみ取ることが困難であったことから、被害児童の言葉をまとめに受け止め中傷されていると感じ、カッターナイフで殺害した。
    映画『バトルロワイヤル』やサスペンスドラマの暴力シーンに影響を受けた加害児童の凶行ということらしい。

    なぜ、加害児童はこんな事件を起こしたのか。
    ”加害児童はアスペルガー症候群だった!普通の子じゃない!だからこんなことをした!障害に早く気づけば防げたかもしれない!”
    この本にはそんなふうに書かれているように感じた。
    吐き気を覚えるほどに、著者の明らかな偏見と差別的な態度。

    著者の取材態度にもおかしなものを感じた。
    加害者宅や当時の担任教師の家を回り、彼らのインタビューを取る様子、読者が彼らのことを不快に感じるように書いているとしか思えなかった。
    著者の意見が正解なんです!と証明するためにインタビューをしているような書き方。これでは書かれた人たちは皆怒っているだろうなと思う。

    ジャーナリストであれば、事実と推測と意見を分けて書くべきではないか。ワイドショーのコメンテーター気分で書いたのだろうか。
    ”アスペルガー症候群の人すべてが事件を起こすわけではない”とは本のなかに書かれているが、この書き方ではアスペルガー症候群のせいにしているようにしか読み取れなかった。
    著者がでしゃばり過ぎて書かれていることが信じられない。とても残念。

  • 佐世保で女子高生が同級生をマンションで殺害する事件があったので、気になっていたところ、図書館で見つけ、読みました。

    私は自説ですが、事件の背景には三つ異常の要因が必ずあると思っています。
    殺人事件が起こるには、複数の要因が重なったために起こるのだと。

    もちろん、犯人を庇うつもりもないですが。
    今回の事件についても、様々なきっかけがありました。

    この佐世保小六女児同級生殺害事件は、当時は学校側の責任逃れの対応が大きく報道され、バッシングされていました。本書では、学校側が責任逃れの為に、一人の男子生徒をスケープゴートにして、障害者呼ばわりして、彼の人生を狂わせた事実も載っています。


    また、加害者の小6女児の情報が出ない中で、著者の想像ではあるが、女児の精神状態や、周りの人からの情報で暴力がある家庭環境だったことも明記されています。


    小学生が、友人を学校内で殺すという残忍な事件の背景には、家庭での暴力、両親の教育、学校内での対応、たくさんの要因があったのでしょう。

    読み終わると、一つの事件だったとはいえ、背景には事件を起こすまでの要因が多かったことに驚かされます。

    誰か、一人でも、加害者少女のサインを見つけていれば……。

    そんな想いにも、なってしまう。

    著者には、一般人には、全て情報がシャットアウトされた中で、よくぞここまで書いてくれたと、感謝の気持ちです。

    そして、被害者の為、加害者の人権保護のため、と全部の情報を非公開にするのは、やはり間違っているのではないかとも。

    正しい情報を、選別し、書いてくれたこの本には考えさせられます。また、次も草薙さんの本が読みたいですね。日本で起こってる事件の背景に何があったか、何なら自分にできるか、突き止めていきたいと思っています。

  • 当時の錯綜する状況が書かれてます。
    今までにない状況の犯罪、加害者。
    全国に与えたショックとか、加害者の周りの状況とか。
    克明に書かれている。
    ただ、途中で終わっているカンジが拭えないのであえて☆は二つ。
    既に忘れ去られているような気がするので、その後を伝えて欲しい。

    というか。
    被害者には加害者が今、どういう所でどんな生活をしているのか位は行政が教えて欲しい。
    彼女は世に出ているんだろうけど、やっぱり被害者遺族はやり切れないだろうし、割り切れないと思う。

    佐世保の学校の対応の悪さは酷いなーと思いつつ。
    自分の保身が一番か・・・と嘆く私。
    当時は2004年。
    今、加害者の彼女はどうしているのだろうか?

  • ”普通の子”として報道された犯人はアスペルガー症候群の可能性があったということの証明に奔走する筆者。ただ、それを証明したところでなにも生まれないと思いながら読んでいた。
    あとがきで筆者が述べるようにこの事件の本質は”A子に対する周囲の圧倒的な無理解と無関心だった”のかもしれない。

  • 酒鬼薔薇くんの時も思ったけど、ホントどこにでもある「不機嫌」なんだよなぁって。
    作者は、「普通の子」と言う表現に引っかかっている様だけど、こんな子沢山いると思う。
    「障害」って病名で括れば安心出来るのか?と、時々突っ込みたくなりつつ、今その「障害」と紙一重のトコロでどうにかこうにか踏ん張ってるってゆうのが「普通の子」なんじゃないかと思ったりして。

    自分がギリギリ何も起こさなかっただけ。
    実際に事件を起こす子と、起こさなかった子の間にどれ程の差があるんだろう。
    …そう思うと、よくまぁ自分は事件を起こさなかったと、「運の良さ」に感謝すると同時に、
    何時自分の子が事件の当事者(加害・被害どちらにしても)になるかもしれないという恐怖にいたたまれない気持ちになる。

  • この事件は本当にショッキングで、どうしてどうしてどうしてと思ったまま、全く報道されなくなった為に、忘れていました。未成年でもあるけれど、まだ小学生だと言う事実に驚くばかりで、小学生の子供を持つ親としては、身近にこういうことが有り得る世の中なんだなーと思い、不安になりました。


    本を読んでも、推測でしか事件の原因が分からないのですが、大人でも些細なことで揉める事はありますし、スッキリ出来ない人間関係もたくさんあります。それぞれの性格によって、受け止め方も様々で、それ故にいろいろな摩擦も起こるわけで、生きていく上で人間関係のことで悩まない人はいないんじゃないかと思います。


    それがまだ心身ともに未熟な子供同士となれば、視野も狭いし、関わってきた人間関係だって少ないわけだから、様々な場面を上手にやり過ごすことの出来ないことも多いのかもしれませんね。





    本を読み終わると、加害者の女児はある精神的な病気故の犯行だったのかなと思ってしまうのですが、親の立場として、この子の両親もいけなかったんだろうなと強く感じます。やはり自立して社会に出るまでは、親との生活がメインであり、親が子供のことを把握する努力をしなくてはいけないと私は思います。


    うちの息子はとてもお喋りなので、日々の中で感じたことをたくさん話してくれます。でもそれだってほんの一部で、自分に都合の悪いことは話さなくなってきていますし、ゆっくり話を聞いてあげる時ばかりではないので、息子は満足してないかもしれません。だけど何かあった時を見逃したことはまだないと思っています。


    最近はカッコ悪いと思うのか、負の感情は言わないことがあります。ただ、息子は顔に出るタイプのようで、すぐに気が付きます。全然違いますから。もしかしたら息子も、私から聞いて欲しくてそんな態度や表情をしているのかもしれませんが、何かあるとすぐに分かると思っています。





    それだって私が解決出来ることばかりではないので、話を聞くだけだったり、見当違いな叱咤激励をしていることもあると思います。でも息子はそうすることで満足しているようで、私が水戸黄門や大岡越前のように一件落着させることを望んでいるわけではないんだろうなと思っています。いや、実際それは無理な話ですからね。それに自分で行動するべきこともたくさんあるし。ただ、吐き出す場となってあげれたら、息子はそこで改めて自分と向き合えることもあるだろうし、留まることしか出来なかった気持ちが、前向きに進むこともあるんじゃないかなと思うのです。


    実際話してしばらくすると、スッキリした顔をしていますからね。


    それでも考えられないことをすることもありますから、これが正解とは思わないけれど、何かあったら話してくれる関係ではいたいと思っています。





    こんな関係が、この加害者女児の家族にはなかったんじゃないかな。


    それにしても学校などの教育機関の対応はひどすぎますね。もしも自分の身近でこんなことが起こったら、絶対に戦おうと思います。もちろん起こらないことを願っていますけどね。





    いろいろなことを考えてしまう本でした。

  • 学校の教室で同級生の女児が女児をカッターナイフで殺害すると言う、ショッキングな事件が起きた。
    この事件は何故、起きたのか。
    事件の真相に迫る、途中経過の報告。

    事件の起きた学校の事件後、事件前の様々な処理には疑問や怒りも感じるが、
    作者の意見の偏りも出過ぎていると思う。
    加害者A子の父親の被害者への対応にも疑問を大いに感じるが、
    今まだ、何が事件に大きく影響していているのか、はっきりといていない段階での、
    加害者A子の父親の生い立ちや祖父の生い立ちまで、書いているのは、何故なのか、疑問。

    「アスペルガー障害」のせいで、A子は事件を起こしたと書いてある。
    しかし、「アスペルガー障害」の人間が全て、凶悪事件を起こす訳では無いと書いていながら、
    この障害のせいでA子は事件を起こし、A子の「アスペルガー障害」を認知出来なかった、
    親や学校への責任は大きい等の批判的な書き方は、
    私みたいに「アスペルガー障害」について、全く無知な人間に誤解を招く書き方ではないか!?

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著者プロフィール

ジャーナリスト・ノンフィクション作家。日本発達障害システム学会員。地方局アナウンサーからブルームバーグL.P.でファイナンシャル・ニュース・デスクを務め、独立。著書『少年A矯正2500日全記録』(文春文庫)など。

「2018年 『となりの少年少女A 理不尽な殺意の真相』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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