愛の島

著者 :
  • 講談社
3.12
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本棚登録 : 35
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062133258

作品紹介・あらすじ

誰でもが夢見る島がある。その島は優しくて幸せに満ちている。お金よりも、恋よりも、一番大事なものって?三人の女の子たちの七転八倒、夢の果てへの物語。

感想・レビュー・書評

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  • 私と同じ宮城県出身ということで一読。

    孤児院で育った3人の友情、愛、嫉妬、孤独が入り混じる複雑なお話だった。

    3人で無人島を買うために1億円を貯めることを目標にあらゆる手段でお金を稼ぐが、その過程で3人の気持ちが揺れ動き移り変わる中で、結局3人はその関係に依存し、別の形での愛の島にたどり着くというお話。

    3人の中の主人公には普通の幸せを手にすることが目の前まで来ていた。しかし、結局は依存の関係を断ち切れなかった。何が幸せか。当事者にしか結局はわからない。どの道を選んだら幸せなのか。正解なのか。わからない。生きて彼氏と結婚し子供の母親になっても、それが思い描いた幸せとは限らない。いい部分しか見れていないから。

    3人だからできた決断。好き勝手生きて、多少後悔はあるけど幸せな気持ちで死んで、これはこれでいい人生なんだろうなと思った。ある意味ではハッピーエンドなんだろうな。彼氏の気持ちはさておき。

  • 孤児院で育った女の子3人の夢は、無人島を買うこと。

    その島の価格は八千五百万円。

    ソープやピンサロ、どんな仕事でもいとわずがんばる彼女たち。。。。と、

    可愛い本の表紙からは、想像もできない、過激な展開になっていきますが、

    この3人から目が離せません。

    深い絆で結ばれていた理由。。。

    それは。。。愛?友情?それとも。。。。?


    そして、やっと幸せになれると思ったとたん、とんでもないことが。。。。!


    最後の1行を私なりに解釈すれば、

    ほんの少しの救いが見えているのかも?。。。。と。

    薄い本なので、あっという間に読めます。

    変わった本です。

    たまには、こんなのもいいかなぁ。。。


  • 出口がないくせに、小さい幸せだけは必ず終わるなんて耐えられそうにない

    でもそんな現実

    ぞわっとしました

  • 著者の他作を読んだ記憶があったので借りたけど…施設育ちの仲良し三人娘が南の島を買うためにお金を貯める話?

  • 表紙が可愛かったし、薄めなので選んでみた。

    でも内容はちょっとキワドイものだったかな。

    孤児院で育った3人の少女達の話なんだけど、
    仲良しがゆえに、お互いをかるく束縛しあって何者も近づけなくしようとしてるというか。

    いい方向に向かっていきそうだったのにな~
    愛ってむごいね。でもそれを受け入れ納得した3人の話かな。

  • ほっこり温かな装丁に心惹かれ手にとった。力みのない自然な語り口が新鮮な感動をもって心に響いた。孤児院あがりで投遣り刹那的な結衣。親子の情愛に触れ、少しずつ本当の愛を感じ始めていく。社会の片隅で肩を寄せ合い精一杯に生きる姿が切ない。親子の健気で一途な愛情。一生懸命であればあるほど悲しい予感が心を苛んだ。軽い語り口ながら深いところを描いている。

  • 昨年『グルメな女と優しい男』でデビューした、望月あんねの新刊。『グルメ〜』がすごくおもしろかったので、今回も期待してワクワクしながら読み始めた。

    仙台の孤児院で一緒だった、結衣、千夏、カッチ(本名は成美)の三人は、今も同居している。ある台風の日、不動産屋のチラシに載っていた<カメレオン島>という無人島に一目惚れした。<小さな島が寄り添いながら、三つ並んで>いて、まるで「私たちみたい」だと思ったのだ。価格は8500万円。この島を手に入れようと心に決めてから、三人は資金集めに奔走する。

    三人は、家族以上に愛し合っている。千夏だけがタバコに火をつけ、結衣とカッチがその火種をもらったり、80円のクリームパンを千夏が三等分して分け与えたり、とにかくなんでも分け合う。<彼女たちなしでは生きていけないし、私なしでは彼女たちは生きていけない>とそれぞれ思っている。

    主人公は結衣で、彼女にだけ貴志という恋人がいる。彼との時間に幸せを感じるほど、<男と遊ぶのは自由、だけど、決して本気にはならない>というルールを持つ、千夏とカッチとの生活に引け目を感じていく。両者との板ばさみで複雑な気持ちを抱えているが、結衣はどちらも失いたくない。このあたりが苦しくて切ない……。

    三人の関係は、とても排他的。見方によっては、後ろ向きな、不健康なゆがんだ愛に見えてしまう。しかし三人はいたって真剣。肉親のいない三人が、愛というものを信じ、家族でいるために、これが必要不可欠な形態なのだ。

    しかし、恋がその関係に少しずつ変化をもたらす。三人の関係に不安を抱き始めるカッチ。ラストに、とんでもない光景を目にすることになる。

    ただ、これはわたし個人の解釈になるが、最後の最後に救いがあるところにホッとした。しかもその救いが、三人に変化をもたらした恋であるというところに皮肉を感じるとともに、優しく包み込んでくれるような安心感がやっと三人に訪れたような気がしている。

    <カメレオン島>という小さな島のおかげで、こんなに大きな不安と葛藤が渦巻いた。これぞまさしく「愛の島」たるゆえんなのだ。

    どちらかというと、一作目の『グルメな〜』の方が好きかな。でも本書も、どうにも憎めないというか、始終哀しみといとしさで充満していて、危なっかしくて目が離せない。この辺は『グルメな〜』と共通している。今後の作品次第だけど、この作家、やっぱり好きかも。

    ちなみに、この本が、図書館で借りた落丁本でございました。もちろん、落丁していない本を借りなおして、ちゃんと読了して感想を書きました。

    読了日:2006年5月14日(日)

  • 前作よりも面白かったし、好き。女同士のもたれ合いの関係と恋愛との間を行ったり来たりしながら進行する物語が楽しく読めた。

  • HITですわ〜。
    大島 真寿美 や瀬尾まいこに似た
    感じがするのは わたしだけでしょうか?

  • ポップでリズムがあってスラスラ読んでしまいました。

    中身は割りとエグイのに書き方が軽すぎて全然イヤじゃない!

    軽いのにホロっとくるとこもあるし。



    うん、まぁ、最後は予想通りな展開なんだけど、それもまた良し。

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