蜜の証拠

  • 講談社
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本棚登録 : 36
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062148115

作品紹介・あらすじ

アラブ古典性愛書に出会った女性図書館司書の、美しくも知的な告白小説。

感想・レビュー・書評

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  • 何の気なしに読んだシリア女性作家の中編であったが、思わぬ平手打ちを食らったような気にさせられる好篇。

    異国で暮らすアラブ出身の女性の、因習を拒む如き開け広げな性愛を、先回りするように迎えて待つアラビア古典のエロティシズム。時代と場所を変えても、脈々と流れ続けて変えようがない男女の、根源的なサガを描いて軽妙な小説。

    本書はアラビア語からの直訳ではなく、フランス語訳からの翻訳とのこと。アラビア現代の文学の紹介は、悲しくなるくらい少ない。だが、この地域の豊穣な語り文学の層から考えて、本書のような隠し玉が飛び出す余地はもっとあるに違いない。

  •  2007年に発表された小説で、「 アラブ女性による官能小説」として、アラブ諸国に衝撃を走らせた作品。
     内容は正直なはなし、特にどぎつくないし官能小説というほど色気があるわけでもないが、女性がエロ妄想するなんてとんでもない!というアラブ圏の女性がこれを書いたという視点で眺めてほしい。

  • 物語 物語 物語
    <思想家>はどこ?

  • アラブ諸国では性に対してタブーとなっていて閉ざされている、というイメージだけど、そういう内面的にクローズな物事をオープンにするきっかけになっているのかなと考えさせられる本。一般的に思われているようなアダルトな本ではなく、思想的だし、国の違いはなく万国共通な、人間という種族を考えるきっかけになるので、そういう意味で興味深く面白いです。

  • 表紙が何かに似てると思ったら、そういえばあれだ、ジュンパ・ラヒリの『停電の夜に』だ。話はちょっと違います。かなり違います。

  • フランス在住のアラブ人お図書館司書が、愛するという時に身体については避けることを、あえて踏み込み、美しく物語っている。アラブの性愛についての古典書が出てくる。

  • シリア旅行から帰ってきた翌日の新聞に紹介されてて興味を持ち購入。
    シリア女性作者が書いたアラブ人女性の性愛について書かれている。
    シリアを旅行してみて、黒いベールで身を全身覆っている女性がほとんどだったし、イスラム戒律を守る保守的な人のほうが多いとおもっていたが、一方、この本のなかの女性のように、大胆で開放的な女性もいるし、この本が禁書になっても、隠し読みされているということなので、保守的に見えてもこういう内容に興味がある人が意外と多いのかもしれないとおもった。
    初めてアラブ人作家の本を読んだが、少し読みずらさを感じた。内容がとびすぎてる気がした。

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