空へ向かう花

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著者 : 小路幸也
  • 講談社 (2008年9月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062149631

空へ向かう花の感想・レビュー・書評

  • 自殺しようとした春之を助けるために花歩が使ったのは鏡。
    鏡だったらわたしのバッグのなかにもいつでも入っているけれど
    そんな切羽詰まったときにバッグのなかのものになんて
    頭はまわらないだろうな。

    まだ小学生のふたりはそんななかなかない理由で知り合うのだけれど、
    実は大きな共通点があった。
    それを知った花歩の春之への言葉はとても花歩らしい。

    花歩にはキッペイという大学生の友だちがいて、
    春之には井崎原という大人の知り合いがいる。
    井崎原がなぜ春之と知り合ったのか。
    それは大切なきっかけで、
    現実にそうできる(しやすい)世の中になったらいいなと思う。

    花歩たちの屋上の花壇は、
    色とりどりのかわいらしい花であふれているに違いない。
    気になって仕方のない”折村文具店”のビルも
    その花壇とともにぜひとも見学したい。

  • 【あらすじ】
    小学六年生のカホはある日、ビルの屋上から飛び降りようとする少年を見つける。彼の名前はハル。半年前にカホの親友を「殺した」相手だった―。十二歳の少年に科せられた人殺しの烙印と高額の賠償金。重い罪を背負った子供を大人たちは守ることができるのか。苦しみながらも前を向く人々を描いた感動作。

    【感想】

  • 読み始めたが重そうなので、やめて返却した。

  • 主人公が小さい子だし、文体が優しくてさらさらっと読めてしまうけどとても重い話。

    重い話をこうさらっと読ませてしまうのは小路さんの作品の特徴かも。

  • 不幸な事故で、同じ年の女の子の命を絶つ原因となってしまったハルと、親からのが虐待を受けた過去を持つ花歩。
    二人が出会い、さらに数人の大人と出会って、命を落とした少女の鎮魂のための屋上庭園を造ることになる。

    不幸な事故の内容は、最後まで明かされないまま。
    でも、想像だけでも、胸が苦しくなります。
    あってはいけないけれど、あるのも事実で。
    二人に関わった他人である大人たちが暖かい。
    ハルの両親の行いには胸が痛むけれど、桔平、イザざん、片岡さんに子供たちは助けられたと思う。

    『大人は、しなければならない。子供たちが進むべき道を、指し示してやらなければならない。』
    イザさんの言葉が浸みます。
    少しずつ先に進んでいくだろう子供たち。
    見守る大人が、両親を含め、しっかりと指し示してあげることが出来れば、きっと大丈夫と思わせれる終わり方にホッとしました。

  • 自殺しようとしていた少年・ハルと、それを間接的に止めた少女・カホ。ひとりの女の子の死によって繋がっていく、さまざまな人たちの、あたたかくやさしい関係性のお話。

    いいお話、だとは思うのだけれど、文体も相俟って軽い印象。
    それって都合がよすぎないかな、と思ってしまう私はリアリストなんでしょうか。
    総合的に、いろいろと納得できない。

  • 12歳で重い現実を背負ったハルとカホ。2人の姿は痛々しくて切ないのだが、あったかい涙で終われるのは、これからの強い足取りを期待出来るから。
    語り手が入れ替わることの効果が大きい稀有な1冊ではないだろうか?
    小路さんの技量がわかるというか・・・うん、いいな!

  • 何もかも書き表さずとも、満足感は得られるのだな、と。

    小説では、キャラクターの過去も思想も感情も、すべてを把握できる。しかし生きることの喜び苦しみ理不尽さ、を描くこんな小説では、みなの過去が暴かれない。
    出会い、話し、そうして作られた関係だけは、しっかりと描かれる。それで十分だ。

  • キサトアと同時に借り、こちらを先に読了。こっち先でよかった。自分ではどうしようもできない思い物を背負った小6が二人。某人物の描写が薄いと思ったら、そうなったか・・・。彼女も彼も、家族も、見守る人も幸せになって欲しい。

  • 数ある小路先生のほんの中でもこれは好きな一冊。
    小学生の気持ちをこんなに切なく分かりやすく形にできる小路先生に嫉妬すら覚えます。

  • するする読めた。


    悪くないよね、生きてゆくのも。

    『どうしようもないことって、
    起こるんだって、
    わたしは知ってるから』

    諦めのような言葉にも聞こえるけど
    読み終えてみれば
    これは、生きてく強さの言葉だなぁ。

  • ハルとカホは違う小学校に通う、六年生。接点などなかったふたりが、運命のいたずらによって引き寄せられる。心に傷を負った少年、少女、そして彼らを見守る大人たち。それぞれが懸命に、前を向いて歩いていく―。

  • 不幸の中で、優しい人との出会いがある。
    少年の事故とイザさんの過去が曖昧なままなので、消化不良。

  • 泣いた
    ツライけど、あったかい
    せつないけど、嬉しい
    小路さんの本はどれもよいけど
    私のなかでこれがベスト1!

  • ある事故で人を殺してしまった?男の子と、死んでしまった子の親友の女の子のはなし。まっすぐだ。

  • この人の書く小説はほとんどが善人ばかりで、優しく温かい。伊坂幸太郎が書いたような極悪な子供など間違っても出て来ない。この話も中心となる出来事は辛いものだが、人の優しさと温かさが溢れている。しかし、実際の世の中は極悪な子供だっているし、こんなにいい人ばかりではない。根っから悪の人もいる。現実とはだいぶ違うが、フィクションだからこそ、こういういい人たちの話を沢山書いて欲しいと思う。

  • ■うん、暗いんだけど、でも前に向かってるなかで人がつながって、謎が散りばめられてて、これも映像化されそうだけどなぁ!小学生はほんとに非力で多感で周りにとてもとても左右されるからこそ、自分でこうしたい!こうしたほうがいいんだよ!はすごい大人だよねぇ。6年生なのになぁ。

  • 初めて読んだ人だったけど、この人嫌いじゃないな。
    ストーリー自体はよくありそうな感じなんだけど、
    描き方がおもしろいなぁと思いました。


    まず、常にフックになっている“事件”の説明がどこにもない。
    人物の描写もそのときの語り手のタイミングだから、
    はじめは“僕”が何歳くらいなのかまったくわからなかった。
    読者への説明的な要素が少なくて、
    あくまで登場人物がいま見てるもの、思っていることを
    描いているような感じ。
    なんか、不思議だけど、ヘンに読者を気にしている書き方よりいいなって思った。

    子どもでいれなくなってしまった子どもって悲しいね。

  • 根っこの重い作品ですねぇ。
    主人公のコたちの世代に読ませるには余りにも重い…。
    私達大人が時代を振り返って読む作品なんでしょうね。

  • 違う小学校に通うハルと花歩。
    ある日出逢った二人は心に深い傷を負っていた。
    登場人物それぞれのバックボーンや事件が詳しく語られることはなく、
    二人と彼らを見守る人々皆が
    暗い闇から少しずつ前進していく様を丁寧に描いている。

    【図書館・初読・1/16読了】

  • 事件の詳細や、具体的な個人のバックグラウンドは描写されないが、各々のモノローグや第三者からの視点で描かれるハルや花歩の機微に心うたれる。小学六年生に「どうしようもないことだから」とか「しかたのない事」とか、口癖のように言わせる環境。子どもは見てる。追うものは先を歩く者の背中を見てる。

  • 子ども、大人、その境界にいる青年。
    皆それぞれに自分に起こった出来事をどう捉えてどう抱えて生きていくのか。
    内容は重たいですが温かすぎて泣けてくる話でした。

  • どうしようもないこと、って起こるんだって、
    わたしはしってる。

    この言葉について、とても考えさせられた。


    こんな偶然がおこるとは考えられない話だけど、
    人の気持ちがとても丁寧にかかれていたように思う。

    ハルが殺した女の子の事件の詳細については
    ハッキリ詳しくは書かれていないけど、想像はつく。

    イザさんの事件についてはまったくわからないけど、
    人様に中傷されるようなことをしたような人には見えない。

    虐待を受けた子供の何が悪いのかはわからないし、
    なぜその子なのかもわからない。

    どうしようもないことが起こったとき、
    自分たちは自分たちでできることをするしかない。

    自分の心と、自分が向き合うしかないのだ。

    大人がしっかりしなくちゃいかんなぁと思った。
    小さな子供を守れるために。

    大人も子供も人間だから、
    ときに間違うこともあるだろうし、
    どうしていいかもわからなくなることもある。

    そんなとき、
    他人との関わりに真摯に向き合っていれば、
    道しるべとなり、助けてくれるのかもしれない。


    話の最後の終わり方に、
    落ち着いたときに、落ち着いてはないかもしれないけど、
    冷静に何が生きていく人たちのためになるのか
    考えられたとき、人間らしい優しい気持ちで
    人の成長を見守れるのかもしれないナァ。

  • 冒頭のシーンが印象的。ストーリーはあらすじにしてしまえば単純だが、ひとつひとつの描写が丁寧でこころあたたまる。主人公たちが小学生なので、使われている言葉自体は簡単なので読みやすいが、内容は少しのファンタジーとシリアスな現実が絡み合っているので小学生向け、というわけではない。内容が内容だけに、敵と味方の双方に感情移入してしまう。読後感はとても良かった。

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