富子すきすき

著者 :
  • 講談社
3.11
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本棚登録 : 108
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062153676

感想・レビュー・書評

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  • 江戸情緒溢れる短編集。
    ささやかな幸せを重みをもって描かれていた。

  • 宇江佐真理氏が、亡くなってから、読んでなかった本が沢山出てきた。
    この本は、6話からなるのだが、ハッピーエンドに終わらないものが沢山ある。
    題名の「富子すきすき」も、吉良上野之介の妻として、硬派な夫が、このような言葉をかけていたのだと、、、少し和らぐ話である。
    一般的に赤穂浪士の正義と、殿への忠義を褒め称える物が多いが、反対に、吉良家の格式を守って来ているお家柄から言うと、不調法な行動をたしなめる立場であったことも事実であろう。
    時の流れに、一方的に、事実を伝えているけれど、これも然り、正しい見方なのか?と、問いかけている。

    「堀留の家」「面影ほろり」「びんしけん」など、人生においても、その時の判断によって、後悔することも多々あること、、、
    宇江佐氏の本であるのに、ちょっと辛辣な人生観が、描かれていた。

  • 江戸時代を背景に色んな物語が納められた短編集。

    タイトルの「富子すきすき」は赤穂浪士の討ち入りで有名な吉良上野介の奥さん富子が主人公です。

    確かに富子にしてみればどちらが正義なのかは分からなくなるよなぁ。自分の夫を無残にも打ち取られ、息子にも先立たれ、後を追うように死んでしまったのも気力が尽きたからなのか。

    でも、若い頃とはいえ、旦那さんに閨で「富子すきすき」と言ってもらえた富子は幸せ者ですね。

  • 思い通りにいかないのが、この世の常ですよね。

  • 「堀留の家」、いい。泣きっぱなしだぜり

  • 俵藤太の百足退治の帯の話が3作続き、(最初は病弱な娘が手に入れて、亡くなり、その友人3人が形見分けとして代わりばんこに帯を持つようになる)話としてはそれの二作目が一番好きだったかな。
    富子すきすき、は赤穂浪士の事件後の話で、上野介側。
    富子60過ぎてる、と笑ったりしつつ内容としてはちょっと夢にとりつかれている感じがしました。
    まあ不幸のなかで、死に様は仕合わせ、だったんではないでしょうかね…。

  • 宇江佐にしては寂しい話の短編集。

    何かボタンの掛け違いをして悲しい結末になってしまった人達の話。富子の夫吉良上野介の何がいけなかったのか。何故敵討ちされなければならないのか。何故孫の吉良家の当主が罪人として預けの身にならなければいけないのか。何故世間は四十八士を褒め称えるのか。苦しく悩む内に上杉家に養子に出した息子まで病に犯される。ただ思い出すのは上野之介の「富子すきすき」という言葉だけ。悲しくどうしようもない話。

  • 久しぶりに宇江佐真理せんせいの作品
    ただ、いつもと作風が違う?
    主人公への愛が感じられないなぁ

    帯にまつわる女達のエピソード
    捨て子たちを世話した「家」への
    こだわり愛憎あわせた感情から逃げたい

    とっちらかった印象

  • 2/28/10図書館

  • 大好きな宇江佐さんの短編集。ただ、最近の作品はどこか暗いというかほろ苦いというか・・・。
    面影ほろりという作品が良い。ぼっちゃん可愛い。

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著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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