- Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062162319
作品紹介・あらすじ
祝!10周年トリック大感謝祭
ミステリー作家 はやみねかおるのオリジナル書きおろし!
山田奈緒子と上田次郎は青春時代に出会っていた!?
「奈緒子は、帰天城が消えたことは知ってるの?」
「うん。先生から聞いた。」
「お父さんはね、新しいマジックの参考にしようとして、帰天城のことを調べたの。」
「あと、お姫様の妖術も調べてたわね。『あれは、妖術じゃない。すべて、手品で再現できる』――お父さんは、そういってたわ。」
超常現象は、全てトリックで説明できる――それが、父の口癖だった。――<本文より>
感想・レビュー・書評
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青春時代の話だった。
恋愛とかそういう甘酸っぱさはほぼ無く、アクが強いいつものTRICKの世界観だった。
山田奈緒子と上田次郎は仲間由紀恵と阿部寛しかできないので、頭の中で仲間由紀恵と阿部寛を若返らせて読んだ。
ところどころのボケや編集者のツッコミはあまり好きではなかったが、少女の可憐さと不気味な真夏の村との相性が良くてあっと言う間に読み終えた。
伝説とか人の噂に惑わされず山田奈緒子みたいにおちゃめに生きていきたいと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「TRICK」コラボ作品。笑いがあふれる作品の雰囲気はまさにTRICK! あの二人がまさかこんなところで会っていたとは……そして実はあの人にも会っていたのですね(そうか、彼がああなったのは彼女の呪いのせいだったのか~)。
TRICKらしい大掛かりなトリックもやっぱりあって。やや無茶な部分があるのもご愛嬌。メイントリック、案外と分かりそうなのに分からなかったなあ。玲姫の真実が明かされるあたりも美しいぞ。 -
「TRICK 青春版」の位置づけで書き下ろされたはやみね最新刊。
山田奈緒子は中学生のころ上田次郎に出会っていた!
TRICKの登場人物が「踊螺那村(おどらなそん)」にある「帰天城(かえりそらじょう)」と「玲姫の呪い」の謎を解く。
「イッコウシュウって、なに?」
わたしは、横にいる菜々子に小声で聞いた。
「昔は、シュークリームが一個だけ残ってる状況を、こういったのよ。」
「なるほど。」p.56
精妙にはりめぐらされた伏線に巧妙なトリック、そして絶妙なタイミングであらわれる軽妙な駄じゃれギャグ...はやみねワールド全開、至妙のエンタテインメント。
「そんなこと、できるんですか?」
「無理だ。だが、村人はできると思った。生け贄を捧げることで――。」
「池に絵……?」
わたしは、イメージする。不帰池に、絵を捧げる。p.197
名探偵夢水清志郎や怪盗クイーンのシリーズとはひと味ちがうキャラクターが新鮮で、TRICKファンもはやみねファンもたっぷりたのしめる。 -
はやみねかおると『トリック』のコラボ作。両方好きな自分はかなり期待していたのですが、読んでびっくり。さらに"ひと夏の冒険もの"という個人的にツボな物語設定で、まさに三拍子揃った作品でした。
語り部である中学生山田の外道具合が半端ないですが、終わってみると爽やかに仕上がってるところは流石はやみねです。思ったとおりだ! -
棚1の2
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トリック愛に溢れた作品。
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抜群に読みやすいし、世界観も崩れてないと思う。
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「編集部注:」が若干しつこかったが、内容はまったくTRICKだった。
画が鶴田謙二さんだったので漫画だと思い込んで探してたよ。小説じゃないか…。
にしても上田。相変わらずのヘタレ((笑) この頃から高いとことお化けダメなのか。もう通信カラテは修了してたんだな。見た目もう少し若めに書いてあげてくださいよ…。
山田は言わずもがな!お母さんも刑事も健在で!
またドラマ見たくなったな。 -
TRICKも、はやみねかおる作品も好きな私は満足できた。
中学生の山田奈緒子と、武者修行の旅をし、世界一の物理学者を目指す上田次郎が巻き込まれる、帰天城の謎。
TRICKの世界観が巧みに表現されており、映像を思い浮かべながら読むことができた。
山田が上田を「ジロ」と読んだり、上田が山田を「4号」と読んだり、毛がふさふさの警官が出てきたりと、現代版に無理なく繋がっていく表現があったのも良かった。