砂の王国(上)

著者 :
  • 講談社
3.73
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本棚登録 : 912
感想 : 148
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  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062166447

作品紹介・あらすじ

全財産は、三円。転落はほんの少しのきっかけで起きた。大手証券会社勤務からホームレスになり、寒さと飢えと人々の侮蔑の目の中で閃く-「宗教を興す」。社会を見つめ人間の業を描きだす著者の新たなる代表作、誕生。

感想・レビュー・書評

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  •  荻原氏のを全部読んだわけではないですが、これは一番よかったかも。

     上巻はホームレス生活からある事業を立ち上げて成功していくというところまで。よくある話じゃん。そんなうまくいくかよと思いながらも読み進むのは、過程がとてもとてもリアルで、占いを信じない人がころっと騙されるところなども納得!なのですね。

     話云々より、得るものがたくさんありそうな話なので、久々に☆5個です。

  • いっそここまで似非宗教だと、気持ち良い。
    ただこの順風満帆っぷりが下巻でどうなるのか、気になるところ。大きいしっぺ返しが待ってるであろう予感。
    仲村もかわいい奴だとは思うけど、裏がありそうな気がするんだよね。どうかな。

  • いつもそうなんだけど、荻原さんの作品はスロースタートなのである。
    いったい何が始まるのか、どうなっていくのかがなかなかはっきりしなくて、でもディテールはきっちり描きこまれているのでじりじりしながら読み進めることになる。
    そしてだんだん加速していくと、もうページを捲る手を止めることができない。
    上巻の最後の方で、ネットの世界が出てきた。ものすごく危ない感じがしてドキドキである。早く下巻が読みたい。

  •  かつてのエリート証券マンがホームレスに成り下がり、ひょんなことから一発逆転を賭けて宗教団体を立ち上げる話。

     読んでいて違和感を感じたのは、主人公が簡単にホームレスに成り下がっていること。これまでのプライドを捨てざるを得ない葛藤や、人間としてのランクがひとつずつ落ちていく絶望感というものがあまり感じられない。著者もちょっとは取材をしたのかもしれないが、丹念に書かれているのは寒さと空腹のつらさだけで結局「ホームレス役を演じている人」から抜け出ていない気がする。
     それと、主人公が何に逆襲したいのか、上巻ではいまいちわからなかった。

     『神様からひと言』『噂』の著者と思えば、そこまで目くじらを立てず、お気楽にストーリーに乗ればいいのかもしれないが、いったん破滅したはずの主人公の計画が都合良すぎて、乗り切れなかった。

  • ホームレスからの逆襲という、現実にもありえるかも!という展開を細かい心理描写で描くストーリーでした。丁寧で細かい描写は分かり易く、のめり込みやすいですが、ストーリーの展開の遅さが少しだけ残念でした。
    けど、これらすべての細かい設定が下巻で爆発するのかも!!という事で下巻に期待です。

  • 想像していた内容に比べると、悲壮感も無く、軽く読めた。一気に下巻に突入!

  • 若干導入部が長いように感じらられた。

    ホームレスになってしまった主人公が、社会への復讐、生きる糧として見出したのは・・・

    リアリティがあり、読み応えもあるのだが・・・

  • 大手証券会社勤務からホームレスになり、気付くと全財産は三円。
    寒さに震える公園で出会った若い美形のホームレスと怪しい辻占い師。世間の片隅で這いつくばって生きていた三人が手を組み、宗教を起こし、社会に対し、世間に対し、逆襲が始まる。

  • 面白い、サクサク読めます。
    いざっ!下巻へ。

  • リストラされた元証券マンとインチキ辻占い師とイケメンの大男
    三人のホームレスが、宗教の教団を立ち上げるまでのお話。

    分厚い本だけど、スイスイ読めてあっという間に読了。
    下巻でどんな展開になるのか楽しみ。

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著者プロフィール

1956年、埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞。14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞。16年『海の見える理髪店』で直木賞。著作は多数。近著に『楽園の真下』『それでも空は青い』『海馬の尻尾』『ストロベリーライフ』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『金魚姫』など。18年『人生がそんなにも美しいのなら』で漫画家デビュー。

「2022年 『ワンダーランド急行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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