- Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062167567
感想・レビュー・書評
-
映画「あしたのジョー」の舞台裏日記といったところ。
「素晴らしいあした」は今日という日を綺麗ごとだけ…お体裁だけ整えて過ごしていては永久にやってこない。
血にまみれ 汗や泥にまみれ傷だらけになって…しかも他人には変人扱いをされる今日という日があってこそ、あしたは、ある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白い!香川照之の事を一層尊敬できるようになる本。
-
好きこそものの上手なれ、という諺があてはまる一冊。香川氏の書いた本は読む者を飽きさせず、嫌味にならないように自分の持っている知識を惜しげもなくオープンにしているところが面白い。飲み会で有名先輩俳優に絡まれるところは、その情景がまるで目に浮かぶようである。
-
そっかぁ、だから映画「あしたのジョー」の丹下段平はあんなに嬉しそうだったのか、(*^_^*) と激しく納得した“拳闘ラブ”本でした。香川さんの文章が上手なのはもちろん知っていたのですが、長年のボクシングへの思いと「あしたのジョー」メイキング時の熱い気持ち、俳優としてだけではなく、ボクシングアドバイザーとしてずっと撮影につきあったあれこれが合体して、とての内容の濃い一冊になっています。山Pのジョーには内面が全く感じられず、でも、まぁ、山Pだから仕方ないか、なんて思いつつも、伊勢谷くん演ずる力石との死闘シーン、それに先だっての二人の身体の作り方には、実は、かなり感動してしまっていたので、その過酷な過程と彼らのプロ意識がよくわかったのも嬉しかったし。ただ・・・当初、監督さんは、丹下段平を「作り込み」すぎない方針だったそう。それを香川さんが強く主張して、漫画そのままの段平を形作ったわけですが、(香川さんはホント、嬉しそうだった。あのリングサイドでの「立て、立つんだ、ジョー〜〜〜!」は、渾身の咆哮だったし。)それが果たして映画としてはよかったのか、どうか。原作から離れた外見の段平をもし作っていたとしたら、もっと、冷静に物語を追う映画になっていたんじゃないかな、と。確かに原作ファンとしては、泪橋とか、あの子どもたちとか、ジョーの服装、力石の髪型、など、漫画そのままの映像を楽しむことができたけど、なんかフィギュアが歩いてる、みたいな滑稽感も感じちゃったから。でも、力石のガウンに背中に大きく「力石徹」と書いてあったのは、カッコよかったなぁ。人の名前でしかないのに、それだけでじわっと感動してしまった私には、やっぱり、原作そのままの世界を三次元化してくれてありがとう、と言うべきなのかもしれませんね。