幸田家のきもの

著者 :
  • 講談社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062168076

感想・レビュー・書評

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  • 洋服にもTPOはあるが、着物はさらに奥深い。着ていく場所、季節、文様、生地、様々。祖母、母、作者の3代の中で受け継がれてきた感性は、着物そのものと同じくらい価値があると思える。
    作者が着ることを楽しんでいる様子が伝わってくる1冊。

  • 1963年生まれ青木奈緒 著「幸田家のきもの」2011.2発行です。図書館の開架で目にとまりました。雑誌「ミセス」に連載された「祖母、幸田文の姿見の中に」をもとに、加筆、修正、再構成したものだそうです。9ページに祖母幸田文、母青木玉、著者奈緒(2歳)三人の白黒写真(昭40)が掲載されています。唯一残る三人一緒の写真とか、宝物ですね!書くことと着ることはまったく別でありながら、祖母を通じて深いつながりを持っていると感じてるそうです。著者は和服も洋服もどちらもよく似合う美人さんだと思いますw。

  • 折々の情景のなかでよみがえる心に残るきものと女三代の人生
    静謐な文章で綴る幸田家のきものと暮らし

    ●初めてのきもの:幼い孫のため、祖母・文が用意してくれた初めてのきものの思い出。
    ●十三参り:着つけてもらった帯はすこしきつかった。そこで祖母がとった行動は?
    ●本のきもの:「幸田文全集」を飾った「幸田格子」の布。この布の誕生の秘密。
    ●つながる縁:かつて祖母のきものを仕立ててくれた人との時を隔てた出会い。
    ●蕨の帯:娘が嫁ぐ相手を迎える日、母がみせたきものへのこだわりと気遣い。
    ●島田と振り袖:初めて地髪で島田を結った十代の終わり。そして結婚の時に再び……。
    幸田家の女たち三代の、大切な想いあふれるエッセイ13章。

  • 選ばれた、恵まれた人にだけ流れる、豊かな時間と感性。

  • 20141208読了
    2011年出版。きものエッセイ。母は青木玉、祖母は幸田文、曾祖父は幸田露伴。四代続けて物書きとは、血筋ってあるんだなと思う。●四つ身、本裁ち…知らなかった和裁用語や柄の話がいろいろあり、自分の知識がいかに表層的か痛感する。子どものうちからきものを普段着で着る機会があった筆者は幸せだなと思った。●「成人式の振袖を20回着ようと思えばそれなりの努力が必要」身に沁みます。両手で数えるくらいは着れたはずで、袖を落とした後、問題はこれから…。●P68 フランスのナント音楽祭できものを着た時の出来事。●梅:着る時期が長い。早ければ12月から梅の盛り2月まで。まずは赤地に白梅が寒い時期に活躍し、立春をすぎて春めいてくれば白地に紅梅。どちらも縮緬の小紋。3月は桜なので着ない。●牡丹:春の花。気が早ければ年明けから。秋から年末は季節外れ。●御所解き:古くからある柄で、季節の心配がいらないので重宝。

  • 資料番号:011199718
    請求記号:F/アオキ

  • もっと若い頃に祖母から着物について勉強しておけばよかったのに。
    うすっぺらい知識の本。

  • 思わず合掌。
    着物についてのエッセイです。内容はかなりお母様(青木玉さん)の『着物あとさき』に近いなぁと。
    で、幸田文-青木玉母子は何作か読んだけど、一番下(?)の青木奈緒さんは初めてで、ドキドキしながら読み始めましたが、うわぁ。。。すごい。
    何がってDNAすごい。もうしっかり幸田-青木で、文体そっくりな絶滅危惧種のような「美しい日本語」。(これを語る私の日本語が既に滅びてますね(涙))
    例えば「捨て目」。意味はだいたい分かるのだけど、新解さんにも広辞苑にも無い言葉でした。『大渡海』が実在するなら是非入れて欲しい言葉です。
    今後しっかり、読ませていただきます。

  • きものにまつわるエッセイ集。祖母・幸田文の優しい人となりと愛情が、しっかりと伝わってくる。きものを着てみたくなる本。

  • 第二次大戦後、社会の急激な変化があって、着物をとりまく環境もまったく変わってしまったのだろう。

    祖母・母・娘三代が一枚の着物を手に取りながらいろいろ話をしている風景は、激減したと思う。

    一生を着物だけで過ごす人はいまや皆無といっていいくらいではないだろうか。

    この本を読んでいると、ああ、こうしていろいろな事が世代を越えて受け継がれていったんだなぁ、としみじみ思う。

    それは着物に限らず、家庭の味であったり、地域のお祭りであったり様々なんだけれど。

    現代は忙しい。みんな時間に追われ、色々なことを同時進行で進めていく。目いっぱいやろうとして、でも多くのことがこぼれ落ちていく。

    着物をとおして、祖母、母の思いや知恵を、聞いたり感じたりする時間のなんと貴重であったことか。

    肉親というだけでなく、前の世代から次の世代へ受け渡していけるものってあるんじゃないかな。

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著者プロフィール

東京都生まれ。学習院大学文学部ドイツ文学科卒業、同大学院修士課程修了。翻訳・通訳などの仕事をしながら十二年間ドイツに滞在。帰国後、『ハリネズミの道』でエッセイストとしてデビュー。著書に『うさぎの聞き耳』『動くとき、動くもの』『幸田家のきもの』『幸田家のことば』『きものめぐり 誰が袖わが袖』、小説『風はこぶ』や絵本の翻訳『リトル・ポーラ・ベア』シリーズなど。編著に『幸田文 老いの身じたく』「幸田文 生きかた指南」ほか。NHK放送用語委員。曾祖父の幸田露伴、祖母の幸田文、母の青木玉とつづく幸田家四代の文筆家。

「2022年 『オーライ ウトーリ ひなた猫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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