鷹のように帆をあげて

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 178
感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062174473

作品紹介・あらすじ

女子中学生、鷹匠になる!九州の空を舞台に、生きる気流をつかむ青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • 葉山理央(中1)は、親友を交通事故で亡くして以来、明るさを失っていた。そんな時、ペットショップで鷹と出会う。
    親友が生きていた時にはヒナだった鷹が、成長していた。
    威風堂々とした鷹に、理央は心惹かれた。両親に相談して、鷹を飼うことを決めた。
    マンションでは可哀相なので、幼なじみの上田康太の家・龍安寺に小屋を造らせてもらい、理央は毎日鷹(モコ)の世話をしに通った。また、近隣の市に住んでいる鷹匠の女子高校生・平橋さんを訪ね、鷹の飼い方、飛ばし方のアドバイスをもらい、餌(ヒヨコ)を調達する所を紹介しでもらったりする。
    はじめは飛び方を知らなかったモコも、愛情いっぱいに育ち、訓練を重ねるうちに高く飛べるようになってゆく。
    理央は、死んだ親友・遙への思いをモコに託して、高い空をあおぐのだ・・・


    ストイックな青春物語。理央もかわいいし、幼なじみの上田康太(寺の子なので仏教の教えを学び、僧じみているけれど、養護施設から寺の養子になった経緯もあり、悩みもある)もいい味をだしている。
    九州の言葉と、自然豊かで、空が広くて高いのを一緒に体験できていい。

  • 親友を亡くした女の子が鷹を飼い、育てていく中で親友の死を受け止め乗り越えていく物語。
    結構ヘビーな内容が書かれているけど、それぞれあっさりしていて物足りなさはあり。
    でも、鷹を飼う難しさ、厳しさ、大変さがよくわかり、それと同時に鷹の魅力が存分に伝わってくる。雄大な自然が感じられ、とても清々しい読後感でした。

  • 中学生の女の子が主人公。夕方、仲の良かった友達と別れた直後にその友達は交通事故で亡くなった。別れる前に貸してもらった手袋を外せずに一年中毎日、お風呂と手を洗う時以外はつけてきた。そんな彼女が、友達との思い出のペットショップにいた鷹のヒナを毎日のように見続け、その鷹を大空にはばたかせたいと願うようになる。幼なじみのお寺の男の子は、3歳の時にお寺に養子としてやってきた子で、お互いに(恋愛などではなく)自然な思いやりの気持ちを持ちあっているところも、好感。

  • 野生を知らずに飼うと痛い目を見る。鷹匠になりたい女子中学生、理央。親友だった遥に鷹の姿を見せたい。親友の形見を外せない理央とペットショップで出会った鷹のモコ。いっぱい愛して、育てて、落ち込んで、それでも前に向かって成長していく姿が爽やかでした。

  • まはら三桃さんは児童文学を書かれているそうなので、この作品も読者想定は児童なのかもしれない。シンプルなテーマを真っ直ぐに描かれていて、すっと物語に入って行けた。
    伸びやかな読後感に、たまにはこういう話も良いと素直に思う。

  • 31:事故で親友の遥を亡くした中学生の理央。遥との思い出であるペットショップで見かけた鷹を飼いはじめる。「鷹匠」に憧れる理央はモコと名付けた鷹を訓練し始めるが、彼女の本当の目的は他にあった。
    個人的な体験に似た部分もあり、理央がモコとの絆を深め、モコを飛ばそうと努力する過程で徐々に成長してゆくさまが健気でたまりませんでした。数々の失敗を経験しつつも、幼馴染の康太やクラスメイトの舞子、そして両親や康太の養父母、鷹匠の先輩でもある平橋さんなど、周りの大人たちの支えによって遥の死を受け止め、受け入れてゆく遥と、鷹本来の勘を取り戻し、高らかに舞うモコ、両者の成長にこんなに泣けるのは年のせいでしょうか。
    爽やかな青春小説。中高生のかたにお勧めしたいです。

  • 児童文学なので読みやすい。

    親友を亡くした中学生が、鷹を育てる中で自己を昇華させる物語。
    2012年初版とあって、イマドキのアイドルグループなどの名前もちょくちょく出てくるので、賞味期限は短そう。
    物語そのものは、普遍性のあるテーマを扱っているのでもったいない。

  • まはら三桃さんの作品は毎回文章が熱くてきれい。
    これも最後まで夢中になって読めた。

  • 鷹を飼う女子高生のお話。

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著者プロフィール

福岡県生まれ。講談社児童文学新人賞佳作『カラフルな闇』でデビュー。作品に、『青(ハル)がやってきた』、『鉄のしぶきがはねる』(坪田譲治文学賞、JBBY賞)、『たまごを持つように』 、『伝説のエンドーくん』、『思いはいのり、言葉はつばさ』『日向丘中学校カウンセラー室1・2』『零から0へ』『かがやき子ども病院トレジャーハンター』など。

「2023年 『つる子さんからの奨学金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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