朱龍哭く 弁天観音よろず始末記

著者 :
  • 講談社
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062174664

作品紹介・あらすじ

お侠な小町娘のお蝶と、物腰穏やかな色白美人の沙十。人呼んで"弁天観音"美人姉妹と、次々と現れるクセ者の男たち。一本気な枡職人、ワケあり破戒坊主、無愛想な若侍、好色な若旦那。かしましくも賑やかな日々の裏、お蝶を狙う影が迫っていた…。

感想・レビュー・書評

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  • お蝶と沙十、美人義姉妹は、幕府転覆という大きな陰謀を阻むことができるか。

    超エンタメ時代小説である。

    武家の娘でありながら、市井に住み、長唄の師匠であるお蝶。
    そんな妹がなにより大事の、町奉行与力を務める兄、安之、
    そしてその妻である沙十(さと)。

    お蝶と沙十の二人が、大きな陰謀に挑む、
    エンタテインメント感満載の時代モノだ。

    おきゃんなお蝶、どうどうと、その手綱を抑える沙十。
    このやり取りが魅力的だ。

    お蝶が、時々、きる啖呵も。

    二人の他に、お蝶の幼馴染の千吉、
    千吉と組んでお蝶を助ける破戒僧の雉坊、
    安之がお蝶の用心棒に用意した若侍の陣内、
    お蝶に近づく、異装の男、など、ひとクセもふたクセもある
    人物が次々に登場し、物語が華やかになる。

    お蝶が襲われた。
    亡くなった父親から預かった物を渡せという。

    だが、お蝶には全く心当たりはなかった。

    お蝶は父親の死に不審を抱き始めるのだが…。

  • 仕事人の様な内容かなと思っていたら、もう少しスケールは大きかった。

  • 武家の庶子という身分でありながら、踊りの師匠として身を立てているお蝶。兄の嫁である「お姉さま」と事件が起これば解決に向かう!
    ええー、これ読んでみんな「誰とくっつくか」なんて予想してよる~?ぶっちぎりで「お姉さま」だよね!(笑)男なんて(兄も含めて)みんな頼りなさすぎ~。「お姉さま」でしょ~沙十さまでしょ~。女二人が活躍するミステリってあんまりないので面白かったです。なんでこんなに男がみんな疑わしくてやってられないわ~。しいていうなら、四十次郎だけど……お姉さまにはまけるわな。続編お待ちしております。

  • 世直しを企む王龍党。そこには町民から幕府の中枢にあるものまで、名を連ねていた。
    その血判状を偶然手にすることになったお蝶の父は南町の与力だった。榊安右衛門。お蝶は、妻が流行病で亡くなったのちに後添えになった深川芸者の娘。先妻の異母兄は榊安之、当番方与力、妻沙十とともに、のんびりした穏やかな夫婦。お蝶は19で、気っ風の良い亡き辰巳芸者の母の後、三味線を教えて生業にしている。兄夫婦は心配でならない。というのも、妹には伏せていたが、父安右衛門は、家中を荒らされて腕の立つ殺し屋に惨殺されていたからだ。
    登場人物の性格も、設定もよく練られていて、面白い内容になっています。話は全体を通して一話となりますが、中身は短編小説の集合のように、ところどころ読んでも楽しめる内容に。

  • ちょっと漫画チック。“弁天観音よろづ始末記”のサブタイがあるから、いずれシリーズとして続編出るんだろうな。お武家の奥方、沙十(さと)の女だてらの変形薙刀バトルシーンいいよね。ダブル主役といってもいいお蝶のほうは、気風と度胸で気持ちがいいし、モテるしね~。何人もとりあっちゃってるね。誰とくっつくのかしら。。なんて気を揉ませる展開になっていくんだろう、今後。個人的には四十次郎を勧めるぞ。似合ってる。
    勧善懲悪というわけでもないし、なんか、事件があって、だれが黒幕かとか謎が謎を呼ぶみたいなとこは、すこし無理を感じる筋だったけれども(とくに雉坊)キャラが立っていて、絵的に脳に描きやすい場面が多くて、すんなりフィクションを楽しめた。続編が出るならぜひ読みたい。人情、涙みたいな要素は薄いけど、そのぶんずいずいっと読み進められるお江戸美女系サスペンスアクションでした。絵描きさんならキャラの絵を描きたくなるような、そんな印象。でした。

  • 江戸に二輪の美花が咲く。お侠な小町娘のお蝶と、その義姉、物腰穏やかな色白美人の沙十。人呼んで「弁天・観音」美人姉妹の周りには、一本気な枡職人、ワケあり破戒坊主、無愛想な若侍、好色な若旦那などがひしめき、かしましいことこの上なし。だが、その賑やかな日常の裏で、亡くなったお蝶の父親が遺した“あるモノ”をめぐり、幕府転覆を狙う巨悪の影が二人に迫っていた……。

  • 2016/2/11

  • 連作短編。
    終盤まで誰が敵か味方かわからないので、飽きずに読めました。
    沙十さんが正しい方向に歩けないのにも意味があるのかと思っていたら、こちらは本当にただの方向音痴でした(苦笑)。

  • 謎解きしないで、単純な短編連作にしてもよかった。

  • 兄夫婦の愛情に包まれて、のびのびしたお蝶さんが羨ましいわ。

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著者プロフィール

1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞。著書に『九十九藤』『ごんたくれ』『猫の傀儡』『銀杏手ならい』『無暁の鈴』『曲亭の家』『秋葉原先留交番ゆうれい付き』『隠居すごろく』など多数。

「2023年 『隠居おてだま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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