大黒島

著者 :
  • 講談社
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062179553

作品紹介・あらすじ

銀行を辞め、小さな寺の僧侶となった「私」のもとへ、かつての同僚・山根が訪ねてきた。昇進のため、神仏の力に頼りたいと。「私」は求めに応じ、護摩を焚き、30万円を受け取る。みずうみに浮かぶ島の小さな寺で繰り広げられる金とホトケをめぐる奇妙でユーモラスな物語。

感想・レビュー・書評

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  • 紹介されないと読めない本では。このタイトル、装丁ではまず手に取らない。この本も譲り受けて読み始めたがこれがおおあたり、感謝です。
    大黒島にあるお寺の住職の住職になるまでの身の上話から、祈りの成就屁の考察、また日本の宗教の発展の中での修験者たちと仏教の関係などを書いた第一話から、日本の初期国家形成時代の政争とその政敵を宗教を司るポジションに付けたという歴史考察らら現在の宗教への流れを研究する大学教授が大黒島で婚礼を上げ、関係を深め宗教の考察を深める第二話、サイパンに昭和天皇が訪れ万歳クリフで黙祷を捧げた様子をルポした雑誌記者が考察する、現人神だった天皇と玉砕を強いられたとはいえ自ら命を絶っていったサイパン在住の日本家族に触れている第三話と考えさせられるお話が詰まった短編集でした。広くおすすめではないですが、今後注目の作家です。

  • 読売書評2012/11/11

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著者プロフィール

1962年、名古屋市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。出版社勤務のかたわら、評論、小説などを書き始める。90年、「『豊饒の海』あるいは夢の折り返し点」で第33回群像新人文学賞「評論部門」受賞。2006年、「ポル・ポトの掌」で第1回日経小説大賞佳作受賞(後に『あなたの正しさと、ぼくのセツナさ』に改題)他の著書に『後生ゴショー』『マリアの選挙』『死という鏡 この30年の日本文芸を読む』『大黒島』など。

「2015年 『憂国者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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