- Amazon.co.jp ・本 (498ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062180320
感想・レビュー・書評
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⚪︎設定が面白い。死んだ人が何人か生き返る、それもありがちな幽霊やゾンビのような感じではなくちゃんと実体として。死ぬ以前の肉体と記憶を持って完璧な状態で生き返る。この現象について作中言及されることはないが、それがあえて妙に現実感を帯びていて、SF設定なのに違和感なく読める。
⚪︎生きる意味、人生の幸福とは、死ぬとはどういうことか、とにかく生と死について考えさせられた。随所での、人生を生きる為のヒント、心を軽くするような名言に心を打たれた。しかもそれは説教臭さなど全く無く登場人物から自然に発せられる言葉だったのでより説得力があった。
⚪︎平野啓一郎らしくやはり「分人」がキーワードとなっている。私はこの分人に関しては全く無知で、また平野氏の分人に関する本を読んでいなかっため、ついていけるか分からなかったが登場人物がとても分かりやすく説明してくれたため問題なくついてきた。この「分人」というキーワードに惹かれたため、より理解するために平野氏の他の本を読破してみたいと思う。 -
AB型は二重人格とか言いますが、常々私は二重どころか多重だよなと思っていて、一緒にいる相手によってキャラは変わるし、でも全部本当の私。よくそんな話してました。
ちょっと違うような気もするけど、分人の話で救われた。死んだ理由がアレならどうやって生きていけばいいんだと絶望しかけたけど、乗り越える考え方を示してくれました。哲学的だけど小説としても面白かった。哲学を学んでいた友人が勧めてくれて、らしいなあと感じ入る。
空白を満たすのは本当は徹生自身なんだな。最後はちゃんと抱きしめられたと信じている。 -
分人で生きること。
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3年前に自殺で死んだはずの主人公が蘇って普通に生活...
できない話。
そもそも自殺するようなこともなかったとになぜ自殺をしたのか、
3年前に死んだはずだから前職に復帰もできず、どうやって収入を得るのか、
死亡保険ももらっちゃったのに返せるあてもない、
など問題が山積みのなか、ストーリーの次の展開にハラハラドキドキ -
2015/12/31〜2016/1/8
文庫版を読む。
分人という考え方がとても興味深かった。ある意味悲しい終わり方だったかな…。
子供に対してのメッセージを残しておくのは賛成だし、子供が産まれてすぐに実行した。あれはやっている本人が泣ける。それこそ、その子に対する分人が、気持ちを昂ぶらせているのだろう。
それにしても、作者に漢字の使い方というのは、本当に使用されるもの?あまり見ない使い方が多くて戸惑ったが、それは俺が本を読んでいないからということなのかもしれない。
佐伯のことは忘れたいけど、忘れられない…。 -
ハードボイルド系なのかなぁと勝手に思い借りたけど 全然違ってた
自殺した人の心理とか家族愛的な話
うーん タイプじゃなかったかな ちょっとくどかったかな -
平野啓一郎さんの小説は、実は以前に、「ドーン」に挑戦したことがあるんですが、こちらは内容が難しくて、途中で挫折したんですけど、それに比べると、「空白を満たしなさい」は読みやすくて、最後まで読めました(平野啓一郎さんは、毎回作風を変えているんですかね?)。
で、「空白を満たしなさい」は、家族愛を描いた、ミステリー小説といった感じでした。