図書館の魔女(下)

著者 :
  • 講談社
4.32
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本棚登録 : 915
感想 : 147
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  • Amazon.co.jp ・本 (810ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062182034

感想・レビュー・書評

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  • メフィスト賞(45回)

  • 登場人物がとても魅力的。
    文章が固く説明が多いのでやや読みにくいが、下巻から伏線が回収され物語が一気に動き非常に面白かった。

  • 文庫版が出るまでに読みたい欲が高まりすぎて、購入。800ページって!!

    でも、読んで良かった。凄すぎた。
    キリヒトの直観と、マツリカの知恵。
    それだけでなく、二人を軸に引き寄せられてゆく人々の情の交錯。

    かたや、二ザマ帝とアルデシュ相手に論理戦を展開するマツリカ+キリンにカッコイイ!と思わせておいて、かたや、ミツクビの放つ刺客たちのあまりのおぞましさに背筋が凍る。
    文脈の中で物語が動いている感じが凄くして、けれど使われる語彙はやや硬く、スルスルとも読ませてくれないもどかしさがある。

    そうして、それらを統べる「言葉」。
    それぞれのキャラクターが生まれ持ち、考える「言葉」の上にこの作品は成り立っている。
    それを読む私たちにも、同じテーマを投げかける。

    誰かが生み出した言葉を使うことは、それが私を現すと言えない側面がある。
    鷲田清一にも、このような考えがある。
    けれど言葉が生み出される前に、それは在った。
    そうしてマツリカの思う、言語とは案外共通する部分が多いとは、そうなのかもしれない。

    この作品には、身体に不都合を持つ者が多くいる。
    それを何か別の魔術や能力できれいに片そうとはせず、彼らは常にそのコンプレックスから逃れてはいないようにも見える。
    けれども、いつも「人」と「言葉」がそれを上回る。
    言葉は、相手あってのもの。
    関係とは、一つでは成り立たないものなのだ。

    目を背けたくなるようなシーンも、キリヒトとマツリカの全能ではない部分も、けれど相手あってのものだと思わせてくれる、幸せな読書だった。

  • 下巻読了。800ページ超え。上巻を超える分厚さに圧倒されそうだったが、勢いは止まらず、最後の最後まで面白く読めた完璧本。読後の満足感が半端なく、こんな素晴らしい本と出逢えたことに、感謝の気持ちが湧き上がるほど。
    マツリカもキリヒトも、ハルカゼもキリンも、そして衛兵たちも、皆、愛おしいくらい大好き。続編があるということなので、そちらに期待大!!

  • 上巻も厚かったけど、下巻はもっと厚かった(笑)。
     流石にあっという間に、という訳にはいかなかったけれど、情勢が動いている分、先を楽しみに読めました。面白かったです。
     敵の罠にかかり、言葉を失ったかに思えたマツリカを支えたのはキリヒト。彼らの絆がより深まった分、しばしと雖も別れなければならないのはツライだろうなぁ。そして、ヴァーシャのこれからに幸あれと願わずにはいられません。
     読書の醍醐味を十分味わわせてくれた本作に感謝です!

  • 面白かった~~
    ずっと読みたかった続き
    分厚さが嬉しい、805ページ(笑)

    難しいところも退屈なところもあるけど
    わくわくした
    半分すぎたあたりでこの話が終わるのがさみしくなった(久しぶりの感覚)けど
    3巻が(外伝?)があるのを思い出してにんまり

    キャラがいいね
    衛兵のみんなもすき
    マツリカかわいすぎる
    キリヒトもかわいすぎる

    イシュトバーンって名前が出てきてなつかしい

  • 超おもしろかった、、、、!!!!
    図書館愛してる
    マツリカかわいすぎるよ
    キリヒトもかわいすぎるよ
    愛すべき人たち
    知を愛して後世に残す
    世の中を愛すことだ
    司書として感じる嬉しさ、矜持が込められていた

  • 言葉に無限の力と可能性が秘めていることを教えてくれる本

  • 面白かったー‼︎‼︎

    下巻の中盤あたりは、もうハラハラドキドキすぎて息を止めて読んじゃってて、何回も「プハァ〜

  • 政治駆け引き部分は読み飛ばして十分面白かった。

  • 映像化できそう。続編ができそう。美しい大人の男女に成長した二人の、恋愛要素も含みつつもそれだけではすまない物語を期待。

  • 面白かった〜。満足。しかしながら、流動的な視点の変化(慣れるけどね)や文化度合の掴めなさや少々御都合な偶然が多いといった端々を厳しめに見て4.6。ハヨ続き読みたい。

  • まさかこんな展開になるとは!!!
    とにかく続きが気になって、夢中でページをめくった。
    今度はじっくり咀嚼しながら読みたい。

  • 長すぎ。本が分厚く長いのは嬉しい限りなのだけど、これはまどろっこしくて飽きる。もっと部分部分を簡潔にテンポが良かったら★は4つだった。
    話自体はとても面白いのに残念。

  • 2014/12 長い、厚い、まわりくどい。でも面白い!ミツクビはダースベイダーだな。こりゃ続編が楽しみだ。

  • テンポを犠牲にしているけれども、この緻密さは賞賛せざるを得ない。図書館がCIAみたいなことをするお話し。

  • 長かった。上下合わせて読み終わるのに2ヶ月以上かかったかもしれない。 上巻と比べると話の流れも出てきているので読みやすかったけれど、やっぱり時間はかかった。 読んでいくうちにこことここが繋がっていたのか思うところが何箇所もあっても少しちゃんと読んでおけばよかったと思うこともありつつ。最後には感動で涙が出てしまった。 知識の大切さはもちろんだけど、得た知識を繋げていく力が大切なんだなぁと感じる本だった。

  • もう最高!
    最後の最後まで胸熱でした。

    圧倒的な語彙と言葉使いの波に飲み込まれ、久しぶりに夢中で読みふけったファンタジー。

    登場人物もどれも魅力的で、マツリカとキリヒトの関係がとても素敵です。

    戦闘シーンもカッコ良く、次々と広がっていく展開にドキドキしました。

    装丁も綺麗ですね。
    分厚い本好きにはたまらない一冊です。

    続編楽しみです。

  • 【読了メモ】(140915 17:46) 高田大介『図書館の魔女』(下)/講談社/2013 Aug 9th/場面の緩急の書き分けは勿論、あったかくなる反面泣きたくなるような、読み手の私が自身の舵がとれなくなるほど素晴らしい作品でした。ちなみに下巻は805ページ。

  • マツリカが言葉だけで、国を動かす。
    それぞれの政治体制とかは少しつまらなかったけど、マツリカを襲う刺客や、新たなマツリカを守る衛兵達のところは面白かった。
    マツリカとキリヒトの間に深い関係が出来て、キリヒトも変わっていく。
    暗示でマツリカの左腕を奪った双子座の正体が、衛兵のヴァーシャールヘイとは。
    ヴァーシャールヘイとその双子の絆が良かった。
    一度は死のうとしたヴァーシャールヘイだが、マツリカの言葉で、マツリカのために生きることにしたのは、流石マツリカ。
    キリヒトとマツリカの別れも近付き、マツリカの餞別の手紙が、キリヒトにはなによりだろう。
    上下巻合わせてかなりの分量だった。
    キリヒトのその後のことが気になる。

  • 下巻だけでおよそ800ページ。
    やはり、長かったです。
    そして、読み始めてからスイッチが入るまでに少し時間がかかりました。
    図書館の魔女が戦略を立て始めてからはスッと世界に入り込み、魔女、とまでに呼ばれる彼女が時々垣間見せる、普通の女の子の自然な姿を微笑ましく思ったり、
    ボディガードである刺客との、恋のような、友情のような、何とも言えない関係にジンワリと温かい気持ちになったり…
    お姫様がボディガードに惹かれる、というストーリーは鉄板ですよね、でも、いいんです、楽しめました。
    続編を執筆中だそうなので、楽しみです。

  • よく練りこまれた上質のファンタジー。幻想文学というより「架空の世界のお話」で、しかも「言葉」に非常に拘った作品で、あぁ、日本のファンタジーだなぁと感じました。とんでもなく突拍子もない筋立てがあるわけではなくても(妖精やらお姫様やら大魔法やら世界の終末やら禁じられた恋愛やら)充分に魅力的なのは、架空の世界の様々をしっかりと書き込んであるからでしょう。書き込みすぎて冗長かつ緩慢な進行になって所々中弛みしてしまったのは残念ですが、伝えたいことが筆から溢れ出たようでデビュー作というのですから致し方なしか、次回作からは改善されることでしょう。

    特にキリヒト少年の凛とした佇まいがお気に入りです。冒頭部分での村の別れの場面からいきなりグッときて、また上巻の後半で彼がマツリカ達から責められる場面では不憫でならず、庇い立てしてくれた侍女のイラムに禿同しました。知性も教養もあるはずの貴人たちが当たり前の情実を解さないところがまたいかにもありそうなことで、苦笑いでした。

    最後に出版社に一言。タイトルのことは上巻の欄で書いたので、装丁について。この分厚さで簡易版とは、講談社ともあろうものが何事でしょうか!最初と最後部分の頁が捲っているとパラパラ外れてきそうで痛ましいです。本に纏わる物語でもあるのに、本に対する愛情が感じられません。作者がお気の毒です。本作は続刊が書かれる展開だと思いますが、別の出版社にお願いしたいですね、是非。憤慨しております!

  • 感想は上下まとめてのものです。

    ちょっとこう・・ファンタジーな世界観で、少年が王宮の命により史上最古の図書館に暮らす「高い塔の魔女」の元に・・・で、行ってみたら魔女が年端もいかない少女で・・・
    正直「もうそういうのいいから」という気分に。ラノベラノベした出だしに辟易しましたがどうにか読み進める。
    でも内容としてはそこまで軽くもない・・・部分も。大学の先生というかれっきとした研究者が書いてるせいなのか、言語に関するあれこれだとか(架空の)国家間のあれこれや政治的な思惑だとかがちゃんと練りこまれて描かれています。
    でもそのせいでストーリーがちょっと・・・というかかなりテンポが悪い。上下巻で結構なボリュームのある一作なんですが読み終わってみると間延びしていた印象も結構ありました。

    なんとなく続編を意識しているような終わり方をしてましたが、続きがでるんでしょうか?それなりに気にはなりますが、読むかどうかはちょっと微妙。

  • 読みきった\(^o^)/♪外交のため、マツリカの左手にかけられた呪いを解くため、図書館の魔女が遂に図書館を出て、海を渡る!上巻で出てきたあれやこれやのエピソードは下巻のここに繋がるのかぁ(゜゜;)と感心しながら読み進む(^^;)ドキドキハラハラの連続の中やっと最終章(^^)とホッとしていたら、最終章が一番気が抜けなかった!Σ( ̄□ ̄;)最後、マツリカがキリヒトに宛てた手紙に感激!(ToT)次は二人の再会の物語でお会いしたいな(*´-`)

  • 高田大介さんの「図書館の魔女」下巻、読了。一ノ谷とアルデシュ間の緊張が高まる最中、キリヒト含む図書館の面々は、西大陸「ニザマ」を目指す。図書館の魔女「マツリカ」は、ニザマ帝との謁見により、三国間の和平交渉を実現できるのか。。下巻も面白かった!途中、言語学の観点で挿入される禁書の説明が難しすぎるところもあったけど、物語に深みを与えるものと解釈し流し読み。それ以外は、ニザマへの旅の描写や図書館メンバの立ち振る舞い、そしてキリヒトの活躍など、期待通りでワクワクしながら読んだ。上橋菜穂子さんの「守り人シリーズ」が登場人物の成長物語とすると、この作品は自身の「運命と選択」に焦点を当てているように思う。決して難しい話ばかりではなく、戦いの描写も迫力あって楽しめますのでご心配なく。まだまだ「ミツクビ」との戦いの行方、ニザマ帝国でのキリヒトの活躍、キリヒトとマツリカの関係など、興味のあることが盛りだくさん。是非、続編を作ってほしい。ちょっと変わったファンタジーですがオススメです♪

  • 下巻は息詰まるハラハラドキドキの展開が多かった。マツリカとキリヒトのやり取りが微笑ましく、合間合間ににほっと一息つけた。
    「声」を一言も発さず、言葉や文字から解決策を見出し、事を収めていくマツリカには脱帽。衛兵たちの頑張りにも拍手。読み切った自分にも拍手。
    続編が待ち遠しい。

  • 長編だけど、途中から読み終わるのが勿体なく感じました。小説はこれくらいの長さがある方が、読みでがあって好きだなぁ。

  • 想像していたお話ではなかったけれど、後半盛り上がりました。

  • 前半から張り巡らせていた伏線を緊迫したストーリーとして言葉を軸に上手く回収しながら、一気にラストまで持っていく手腕は凄いです。久しぶりにワクワクしながら読みました。

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著者プロフィール

2013年『図書館の魔女』(第一巻~第四巻)でデビュー。デビュー作が和製ファンタジーの傑作として話題となり、「図書館の魔女シリーズ」は累計32万部を記録。著書に『図書館の魔女 鳥の伝言』(上下)がある。『まほり』は著者初の民俗学ミステリ。

「2022年 『まほり 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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