金を払うから素手で殴らせてくれないか?

著者 :
  • 講談社
3.40
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本棚登録 : 488
感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062188197

感想・レビュー・書評

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  • テンポ良く読める分、最後に来てグロさが光る1冊でした。
    テンポの良さという点では、「Tシャツ」。
    まち子が~する。というループ。文章として平坦になりかねないが、読ませてしまう技量を感じた。
    末恐ろしいわ、この子(苦笑)

  • 人づての人づてで薦められて読んだ作品。しかしわたしはこの作品を誰かに薦めることはないだろう。
    内容は3つの短編集で、表題の作品は3番目に位置する。
    感想としては、ここまで読んでいる側の気持ちを考えていない作品に初めて出会った、になる。よく言えば個性的だが、悪く言えば著者の自己満。
    最初の2編だけならば、何が言いたいのかわからないということで★2だったが、表題の短編は独特の雰囲気が素直に楽しめたので、★2.5。

  • とても面白かったが、この気持ちはどういえばいいのか。
    面白い小説を書くための百術千慮のうえ、これまでの小説の設定というものからは別の場所から書かれたような話だった。
    これから先の本当に面白い小説は、こういう風に書かれないといけないのではないか、、、分からないけど。

  • 失踪した男を、その本人が追う? 不思議に満ちた4編の短編。

    きっとこの手の本が好きな人にはたまらないのかと思うけど、
    私はよくわからなかった(^^;
    強いて言えば、最初の短編が好きだったな。続きが気になった。

  • 明らかに狙ってると思うけど、一文が異常に長い。
    よって非常に読みにくい。
    場面転換も急でついていけない部分があった。

  • 文体も登場人物も行動もなんだか奇妙でウヘェって漏れちゃう感じなんだけどその感じがたまんなくはまる。

  • 小説っていう概念をぶっとばす感覚!
    面白い!!!

  • いちいちうっとうしい文体、語り口、読みづらいリズム、ふざけるなと思いつつ読み進めて、終わるころには癖になったかもしれない。脱税といえば茂森さん、ハワードさんのTシャツ、米原正和を探しに行くぞ。

  • しげ

  • Amazonでの本書の内容説明にこう書かれている。

    読むものを混乱と肩すかしに陥れるカルト作家の真骨頂。古栗ワールド全開の小説集。


    このように『○○ワールド全開!』とか『○○ワールドの真骨頂!!』『○○が魅せる独壇場!!!』とかいう売り文句が並べられている本は要注意である。

    この手の売り文句がつく作家の物語は非常に読者を選ぶ。
    読者の感性と作家の感性がシンクロできれば、これほどオモシロい物語は無い。しかし、少しでもベクトルの角度がズレていると、先々物語に没入しようにも取っ掛かりの数度の角度は、読み進めるほどに読者は作家の感性に引き離され置いてけぼりを喰らわされる。

    本書には、
    IT業界 心の闇

    Tシャツ

    金を払うから素手で殴らせてくれないか?


    の3編の中編が収められている。
    『IT業界 心の闇』はIT業界に勤める主人公が、何の因果か上司の不倫相手の身代わりになって奥様へ謝罪するがしかしっ!?というお話。
    『Tシャツ』は、若かりし頃日本のとあるご家庭でお世話になったアメリカ人ハワードが数十年ぶりに日本を訪れ、地域住民と交流をするというお話。かと思いきやいつの間にか主人公は入れ替わり立ち替わり、グチャグチャに入れ子になった行き着く先のラストを責任持つのは誰っ!?というお話。
    『金を払うから素手で殴らせてくれないか?』は、この3編のなかでは一番わかりやすい。ある日失踪した主人公米原正和を米原正和自身が同僚を引き連れて探しに行く?というお話。そして、衝撃のラスト。

    それぞれのお話はさほど解りにくいというモノでは無い。ストーリー自体は単純である。
    が、その単純なストーリーのページの右上から左下まで埋め尽くす言葉の数々にどれだけ乗れるか?
    この物語はどれもこれもリズムである。作者が奏でる『言葉』のメロディにどれだけ身を委ねて感じられるか次第で、この物語の評価は分かれる。

    なんか、大昔に読んだ高橋源一郎の『さよならギャングたち』を初めて読んだ時のような印象を持った本である。

    ちなみに、万全の状態で『無』の状態であったらボクとしては楽しめる本である。が、変に頭が冴えながら読んでしまったので、正直リズムに乗りきれずに読了してしまった...(^^;)ハハハ。
    後々再読した時にはまた違った印象を抱くようなタイプの本である。

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著者プロフィール

1981年生まれ。著書に『ポジティヴシンキングの末裔』、『グローバライズ』、『生成不純文学』、『人間界の諸相』など。

「2020年 『サピエンス前戯 長編小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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