チポロ

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062197458

作品紹介・あらすじ

「天山の巫女ソニン」シリーズでニュー・ファンタジーの旗手としての地位を確立した菅野雪虫が、満を持して書き下ろした最新作!
アイヌ神話をモチーフに描かれる長編ビルドゥングスロマン、ここに誕生!!

力も弱く、狩りも上手ではない少年・チポロ。そんなチポロに、姉のような優しさで世話を焼く少女・イレシュ。彼らの住むススハム・コタン(シシャモの村)に、神であるシカマ・カムイが滞在し、〈魔物〉たちが現れることを告げる。そして、シカマ・カムイの言葉どおり、大挙して現れた魔物たちは、イレシュをさらっていったのだった。

イレシュのいなくなった村で、チポロは、北のさいはての港町・ノカピラに、触れたものを瞬時に凍らせ、貧しき人々に食糧を届けてくれる「魔女」と呼ばれる少女が現れたことを商人から伝え聞いた。その少女にイレシュの痕跡を見つけたチポロは、弓の修業を積んだ末、「魔女」がイレシュではないか確かめるため、そして魔物からイレシュを奪還するため、ミソサザイの神とともに、ノカピラを目指すのだった――。

感想・レビュー・書評

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  • アイヌに興味を持ったので、アイヌを題材にした本書が気になりました。
    たくさんのカムイが登場して、人間の強欲さ…を考えさせられました。
    チポロがとてもいい子で応援しながら読みました。
    表紙の絵も素敵です。

  • 三部作の3作目「ランペシカ」から読むという失態をおかしたので、1作目を読みました。
    アイヌがモチーフの古代ファンタジー。
    古代ものは大好物。「月神の統べる森で」シリーズに雰囲気が似ている。あちらもこちらも好き。


    2作目はまだ読んでないけど、この作品が1番、物語として幸せなところで終わっているのではないかな。
    チポロとイレシュがまっすぐでいい子でとてもよかった。ヤイレスーホの切ない気持ちを考えて、今後の展開を知っているからこそ、また胸にくるものがありますね。
    児童書でこんな盛大で密かな悲恋があるとはね…。

  • 面白かった。子供のための物語という感じ。
    負け続けると卑屈になってしまいそうなものだけど、チポロはバカにされながらも力を蓄えてきた。
    信じる力の強い子供だった。
    反対に自分も人も信じずにだいぶ歪んでしまったヤイレスーホ…たった一度、無条件で助けられたことが彼をほんの少し変えたのだとしても、結局イレシュに届かなかったのが切ない。
    あの後どうなっちゃったんだろう。
    イレシュの気持ちも複雑なまま残りそう。
    続編が読みたい。

  • いいねぇ 少年がきちんと若者になっていく話
    物語はこうでなくっちゃ という王道モノだけれど
    それでも いいねぇ
    主人公たちもさることながら
    その取り巻く、カムイ(神)たちにも、頼りなく描かれる人間たちにも
    作者の愛情にあふれているのがいいですね
    読後感がさわやかです

  • 主人公がしっかり大地を踏みしめてる冒険譚、旅先に社会が見えるし空気の匂いがします。続編書けそうな雰囲気。
    チポロは猪突猛進型ですが何か言ってから自省したり自分を律する客観性も持ってる子だなと。自分のことじゃなくてもシャチのカムイにぱっと謝るシーンに微笑みました。
    たぶんこのお話の中で誰よりも思考しているのはイレシュですね、ヤイレスーホは危なっかしく見えます。
    プクサいいやつだな~。

    ミソサザイのカムイのおしゃべりずっと聞いてたい。
    シカマ・カムイの人生相談室があったら訪ねたい。
    弓のレプニかっっっこよすぎか!!!

  • 祖母と二人暮らしの貧しい家の子チポロは、ある日見事な鶴を射止めます。その事から自信をつけた彼は、諦めることなく努力や工夫をするようになります。

    ある日チポロは、村を訪ねてきた、人間に近い神シカマ・カムイから、魔物の襲来に気をつけるように言われます。だが、魔物が現れた時、チポロから教えられた呪文を唱えた友だちのイレシュはさらわれていきました。

    チポロはイレシュを連れ戻すために、力を蓄え、魔物がいると言われる北の港を目指すのでした。


    国造りの神兄弟の弟とアカダモの女神チキサニとの間の男児オキクルミ。そのオキクルミと妹と、人間たちとの関わりの中から生まれた冒険話。

    ストーリーはとても面白く、ぐいぐい読ませるものがある。人物や場面の設定にも無理がない。
    また、物語の随所に、諦めないことや思いやりの大切さが、くどくない形で盛り込まれており、好感が持てる。

    ただ、登場人物(特に主人公のチポロと友人のイレシュ)の語る言葉が今風過ぎて、アイヌ民話を基調にしたこの物語の中では浮いてしまう点が残念。

  • 初雪虫さん
    読みやすい
    チポロがだんだんと逞しくなっていく姿を素直に応援したくなる
    シリーズも続けて読んでみたい

  • 「「天山の巫女ソニン」シリーズでニュー・ファンタジーの旗手としての地位を確立した菅野雪虫が、満を持して書き下ろした最新作!
    アイヌ神話をモチーフに描かれる長編ビルドゥングスロマン、ここに誕生!!

    力も弱く、狩りも上手ではない少年・チポロ。そんなチポロに、姉のような優しさで世話を焼く少女・イレシュ。彼らの住むススハム・コタン(シシャモの村)に、神であるシカマ・カムイが滞在し、〈魔物〉たちが現れることを告げる。そして、シカマ・カムイの言葉どおり、大挙して現れた魔物たちは、イレシュをさらっていったのだった。

    イレシュのいなくなった村で、チポロは、北のさいはての港町・ノカピラに、触れたものを瞬時に凍らせ、貧しき人々に食糧を届けてくれる「魔女」と呼ばれる少女が現れたことを商人から伝え聞いた。その少女にイレシュの痕跡を見つけたチポロは、弓の修業を積んだ末、「魔女」がイレシュではないか確かめるため、そして魔物からイレシュを奪還するため、ミソサザイの神とともに、ノカピラを目指すのだった――。」

  • 子供に読んで聞かせたい

  • アイヌ神話を元にしているとのことで、読んでみた。
    確かにアイヌ文化が垣間見えていたけれど、物語としては別段、普通だったな。
    雰囲気は『月神統べる森で』シリーズに似てる。
    そして、あちらの方が読み応えがあった。

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著者プロフィール

1969年、福島県南相馬市生まれ。2002年、「橋の上の少年」で第36回北日本文学賞受賞。2005年、「ソニンと燕になった王子」で第46回講談社児童文学新人賞を受賞し、改題・加筆した『天山の巫女ソニン1 黄金の燕』でデビュー。同作品で第40回日本児童文学者協会新人賞を受賞した。「天山の巫女ソニン」シリーズ以外の著書に、『チポロ』3部作(講談社)、『羽州ものがたり』(角川書店)、『女王さまがおまちかね』(ポプラ社)、『アトリと五人の王』(中央公論新社)、『星天の兄弟』(東京創元社)がある。ペンネームは、子どものころ好きだった、雪を呼ぶといわれる初冬に飛ぶ虫の名からつけた。


「2023年 『YA!ジェンダーフリーアンソロジー TRUE Colors』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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