三軒茶屋星座館 秋のアンドロメダ

著者 :
  • 講談社
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062202886

作品紹介・あらすじ

笑って涙して、心温まるプラネタリウム。星とあなたの物語、ここに完結!

秋の訪れとともに、星座館の面々も変わっていく。何が家族を繋ぐのか、なぜ家族は一緒にいるのか。和真と創馬、そして月子。”親子3人”は本当の家族になれるのか!?

カシオペア座、ペルセウス座、黄道十二星座の天秤座、蠍座、射手座。
秋の星座は、「未来」へつなぐ「希望」の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 四作続けて読むのがオススメ
    登場人物それぞれのキャラがしっかり描かれている。
    中でもお気に入りを語りたいが、ネタバレになるので自粛。
    著者も映像化されることを前提に書いてる気がするし、いずれされるかな。既にされてたりして。
    その時はどんなキャスティングになるのか楽しみ。
    [図書館·初読·10月3日読了]

  • 1作目はとっても良くて・・・その後なんか、肌に合わなくて、
    でもシリーズものだから何となく読んでました。
    で、ラストとなる今巻、シリーズで一番面白かった(*^-^*)

    • ロニコさん
      中学生がハマりそうな、いわゆるラノベではない本を探してます。
      こちらの本、初めて知る作家さんです。読んでみます^_^
      中学生がハマりそうな、いわゆるラノベではない本を探してます。
      こちらの本、初めて知る作家さんです。読んでみます^_^
      2018/04/06
  • 星座館閉館の日が迫っていた。

    衝撃的な前巻の内容を受け、物語は進んでいく。
    リリーの死、月子の父親、祖父......そしてピカ爺。
    入り組んだ人間関係が見えてくるにつれ、読者はその内容に驚き、絶望を隠せない。
    なんでこんな方向になっちまったんだ!
    1、2巻の賑やかで楽しい雰囲気は鳴りを潜め、ただただ悲しい真実が明かされていく。
    それでもそこに救いを見出すとするならば、それらはすべて過去のことだということ。
    過去の悲しみをすべて忘れることなどできない。
    過去の傷は消えたように思えても、ふとした瞬間に突然突き刺すような痛みで存在を主張する。
    それでも、和馬、創馬、月子には未来がある。
    助け合いながら生きていく家族がいる。

    超新星爆発が起き、空からオリオン座が消えてしまったとしても、日常がすでに日常ではなくなってしまっていたとしても、生きている限り私たちは未来にしか進めない。
    時間だけは、等しく、すべての人に流れていく。
    それをどう進んでいくかは、自分にしか変えられない。

    補足:
    前説(単行本のみ)はしつこいし長い。
    面白くないわけではないが、シリアスな物語に進んでいくのに、このノリは雰囲気をぶち壊す。
    あとがきにして欲しかった。

  • やっと読み終わった……!
    でも、とうとう読み終わってしまったとも言うべきか。
    最寄の図書館に4巻目がなくて、隣の市から相互貸借してもらって読んだ。
    (途中届いたと連絡があって取りに行ったらまさかの1巻が届くというミスが起こったのも面白かった)
    家族系、ふれあい系の本でほのぼの、
    というものをイメージしてる人が読んだら多分色々びっくりすると思う。
    現に友人が読んで、「まだその話するの?とイライラする」と言っていた。
    私としてはほのぼのハッピーエンドも良いが、ちゃんと主人公のバックグラウンドが活かされているし、一人一人のキャラ設定が無駄になることなく話が展開していて、とても良かったと思う。
    映画やドラマだったらどんな配役になるたろうなんて考えながら読むのも面白かった。
    神話を勉強したくなる。

  • 23.03.10読了
    やっとシリーズ読破。
    最初は語っちゃいなよのフレーズが痛くて、辛かった。星座の話は面白かったが。
    後半和真や颯真の物語や月子、ピカ爺の話が上手く絡み合ってきて、そこに、星座が加わって、この話らしさが出てきてよかった。
    家族は血の繋がりというよりも、誰とどう過ごすかなんだろうな。

  • ついにシリーズ完結した〜
    この小説きっかけでギリシャ神話にも興味が出て本も買ったけどそっちはまだ読めてないな〜

  • ★苦しみのない愛情を、誰が愛情って呼ぶの?(p.261)

    【感想】
    ・サンが月子の父親と恋愛関係になるってのはちょっと考えられないのでレイプされたんやと思ってたけど、和真への抑止力が必要とも思えなかったしそれにしてもピントがズレてるしで、その理由がわからなかった。
    ・最後にバタバタと真相が明らかになるのはちょっと物足りなくあるがともあれシアワセな結末で安心。

    【内容】
    ・前巻ラストの衝撃からは立ち直っているように見える和真。
    ・たずねてきたナターシャになぜかいつになくビビる創馬とビルに出る幽霊。
    ・月子がなにか和真に対して怒っているようだが理由がわからない。
    ・ビル取り壊しが決まる。周囲の世界が変わっていく。

    ▼三軒茶屋星座館についての簡単なメモ

    【藍/あい】山本藍。山本有紀乃の娘。奏太のは小学校での同級生。十八歳。フルートをやっていて演奏家を目指す。
    【愛情】和真の夢の中のサンいわく《苦しみのない愛情を、誰が愛情って呼ぶの? すくなくとも私は、苦しみだけを完璧に取り除くことができた感情を愛だなんて思わない。そんなの欲しくないよ。》アンドロメダp.261
    【相澤/あいざわ】葵のマネージャー。古いタイプの業界人でノリだけで生きているタイプに見える。
    【葵/あおい】宇川葵。新規の常連客。ミネラルウォーターだけ注文して何時間も眠っている。男子高校生のような格好をしている素っぴんの女。じつはロック系のシンガーソングライター志望の、今は心ならずもアイドル。「私には、私しかいないの」キグナスp.56。《だいたい、愛情表現は出し惜しみしちゃいけないのよ。いつも一滴も残さず出し搾るべきなわけ、わかる?》アンドロメダp.36
    【アクアワン】智子が奏太を、ある意味売り飛ばした金貸し。
    【浅丘三姉妹】慢ちゃんが長女、蘭ちゃんが三女という設定で「猫とラッパ」で人気だったオカマ。次女はかなしい事情でいなくなっている(という設定)。
    【浅丘麗子/あさおか・れいこ】浅丘三姉妹の次女(という設定)。実在したが本当の女性。
    【彩美/あやみ】宇川奈都子の部下と思われる。二十八歳。
    【アルカス】カリストの息子。人の姿をしている。のちのこぐま座。
    【アルテミス】月の女神、狩猟の女神、貞操の女神。鉄の掟に縛られたレディースの総長。
    【αルーム】星座館の入っている雑居ビルのなかでいちばん人気のある店。カフェバー。
    【居心地】ピカ爺いわく《居心地のいい場所は人それぞれだ。》アンドロメダp.140
    【宇川奈都子/うがわ・なつこ】人気女性誌「フルール」の副編集長。三十五歳。葵の従姉妹。
    【疑い】和真いわく「疑いの芽は、いちど芽吹くと絶やすのは難しい」第一巻p.102。過去になにかあったような感じだ。凪子いわく「目に見えるモノのほうが、きっと信じにくいよ」オリオンp.126
    【うる星やつら2 ビューティフルドリーマー】保科の心を打ったアニメ映画。うん、これは傑作やもんね。ぼくのコレクションにもある。
    【FM世田谷】三軒茶屋星座館を紹介してくれた。そのおかげでいっとき盛況に。
    【大坪和真/おおつぼ・かずま】→和真
    【大人】和真いわく「大人の男っていうのはさ、自分の人生でいちばん誰が好きだったのかを、決められた奴のことだから」「いちばん好きだった? なんで過去形なんだよ」「そういうものは、過去形でしか語れないんだ」オリオンp.61
    【おんぼろ雑居ビル】星座館があるビル。リリーいわく《このビル、オカマバーとかマッサージとか怪しいお店しかはいってないのよ?》オリオンp.260
    【過去】ピカ爺いわく《たぶん、過去のことがそんなに重要じゃなくなっていったんだよ、相対的にな。とくに創馬くんや月子ちゃんが来てからは。》アンドロメダp.308
    【和真】大坪和真。主人公。「三軒茶屋星座館」の主。物語開始時に三十三歳。金髪。マイナスイオンの声。楽しくざっくばらんに星の説明をしてくれる。かなり荒事に強い。
    【可南子/かなこ】和真と創馬の母。二人を懸命に育て昭和天皇と同じ日に亡くなった。
    【奏太/かなた】高校生。月子の友人。らしい。小さくて分厚い手。ドクターペッパーが好き。母親と同じ年の智子とつきあっている。
    【カリスト】アルテミス率いるレディースの切り込み隊長。ヤンキー系の超絶美女。ゼウスのせいで熊になった。後のおおぐま座。
    【居住スペース】星座館と同じフロアにある部屋。元々居住用ではないので一般的な暮らしをするには向いていないが和真のライフスタイルには向いている。
    【ギリシャ神話】星についての和真の解説は基本的にはギリシャ神話をもとにしていることが多いようだ。ざっくばらんな話し方でおもしろおかしく語ってくれるのでこんなプラネタリウムがあったらぼくも行きつけにしたい。「これってギリシャ神話だよね」と客がよく疑問を呈する。
    【黒木徹/くろき・とおる】サンの大阪での恋人、と霜山は言う。大手広告代理店勤務らしい。
    【ケンちゃん】「αルーム」の店員。歯が発光しているさわやかイケメンで人気No.1。リリーのお気に入り。ヤスの親友。
    【ゴッドダスト】新手のドラッグ。別名「カミクズ」。紙に成分を染み込ませて口に含むことで持ち運びもラクだし手軽に摂取もできる。
    【三枝崇/さえぐさ・たかし】サンの父親。民自党所属国会議員。和真がサンと交際していた当時は警察官僚だった。
    【三枝千香子/さえぐさ・ちかこ】サンの母。
    【相模/さがみ】たぶん闇金、の社員。
    【櫻井】宇川奈都子の上司。編集長。上昇指向が強くまわりから疎ましがられているが首尾一貫した考え方など奈都子はけっこう認めている。
    【サン】三枝日向子(さえぐさ・ひなこ)。数字の「3」をモチーフにしたピアス。「なんで助けてくれたのよ」「だってお前、誰も味方いなかったじゃん」キグナスp.280。和真の恋人だった。約六年間つきあい同棲もした。創馬も含め三人で暮らしたこともある。
    【三角州】地元の人間にそう呼ばれている開発から取り残されている、あるいは抗っている半径五十メートルほどの地域。三軒茶屋星座館はその迷路のような街の中にある。《どんなに晴れた日でも、雨の匂いがする。》第二巻p.10
    【三軒茶屋】銭湯の多い街。
    【三軒茶屋星座館】和真が開くプラネタリウム。三軒茶屋駅裏手の街の築五十年以上十階建て雑居ビルの七階にある。プラネタリウムの客席数は十二。他にバーカウンターもある。常連客はだいたい眠りに来ているか酒を飲んでいる。レンズ式プラネタリウムは常時点灯していて客から求められると、サービスとして操作し説明する。エロいと知られている。エロいのはゼウスのせいであって僕のせいじゃないと和真は思っているだろう。ともあれ、基本呑み屋ってことかな。
    【サンバ】サンバクイーンの格好をしたリリーから始まり奏太、創馬へと伝染し月子と葵を喜ばしている。
    【幸せ】《長くは続かなかった幸福だったが、その時代の記憶は一点に凝縮された陽光のように眩く思い出された。そのような幸福は、その後の人生の温度を決める熱源になる。》カリストp.122
    【幸せの賭け金】リリー「そう。この歳になるとよけいよ。その賭け金はどんどん高くなっていく。そのかけってなんだかわかる? ひとりで生きていく、ていうかひとりで死んでいく覚悟よ。家族を作ることをあきらめる覚悟よ」カリストp.54
    【事実】《いつだって客観的事実は主観的現実の前に歯が立たない。》第一巻p.41。《過剰に事実を信用するな。事実を全部集めたってすべてにはならない》アンドロメダp.269
    【霜山】サンの大阪での恋人を知っているという、美術館の元案内係。
    【潤くん】凪子の恋人。二十六歳。カメラマンアシスタント。誰が見てもイケメン。コミュ力が高く誰の心のなかにもあっさり入っていける人タラシ。凪子が「モナリザ」で働いていることは知らない(かもしれない)。《潤は相手を微笑ませる天才だ。》オリオンp.84
    【知る】和真いわく《僕らはいつも知るべきことしか知らないんだよ。》オリオンp.255
    【新宿】和真が働いていた街。荒事に強く頭の回転も速いのでトラブルシューター的な役割を担っていた。
    【信用】ミナミいわく信用できないじんぶつは、カメラマン、美容師、バーテンダー。
    【好き】和真いわく「そうさ。誰かを好きになるたびに、みんな発見するんだよ、こういう『好き』のかたちがあるんだって。ひとつとして、おなじ『好き』はないんだよ」オリオンp.249。「僕はあきらめずに説得する。でも、そのために他のなにかを駆け引きには使わない。たとえ甘いと言われても、僕は彼女を甘やかす」カリストp.77
    【星座】全天には八十八の星座がありそのうちの四十八はプトレマイオスが制定したギリシャ神話ゆかりのもの。天文時を作ったひとでもあり「ガンダム00」の母艦名(通称トレミーはプトレマイオスの愛称でもある)にも使われている。
    【ゼウス】ギリシャ神話界のエロ大王。トラブルメーカー。悲劇を作り出す喜劇的存在。
    【責任】《相手に責任を持たない。それは決して悪いことじゃない。》《むしろ本来、人はお互いに責任なんて持てない。》《持てないからこそ、きちんと相手のことを尊重できるのだ。》アンドロメダp.59
    【絶望】《絶望と無煙であるということがいかに他人を絶望させるかを和真は身に沁みて知った気がした。》カリストp.70
    【創馬/そうま】和真の弟、月子の父。頭の後ろで束ねた長髪。アメリカ留学して物理学の博士号と格闘家のようなマッチョな体格を取得している。その後大学で教鞭を執っていたようだが、日本の大学のポストが空いたのでそれをアテに帰国した。星そのものについては和真よりも詳しい。重要な論文も発表しており物理学会では著名。
    【竹中】村上の部下。百九十センチはある。
    【谷田/たにだ】プラネタリウムの常連客。眠りに来る。不動産屋。麻雀好き。《恋愛が必要ない瞬間なんて人生のどこにもないんだよ。》アンドロメダp.18
    【月子/つきこ】創馬の娘。八歳。黒髪ロングの可憐で素直な少女。アメリカからの帰国子女。向こうでは飛び級していた秀才。白がトレードカラー。口数は少ないが和真のことは慕っているようだ。「もうひとりの父親」として。ビル内には「月子ファンクラブ」がある。ピカ爺やリリーも会員。歌はあまり上手くない。《彼女は、甘えることを覚えなかった。》オリオンp.246。関係ないけどぼくの脳内小説の主人公たちの一人と同名やなあ。
    【月子の母】物語全体のキーになっていると思われる。創馬とは名義上の夫婦で、すでに亡くなっている。
    【釣り堀】つぶれた(伝説の?)釣り堀が街のどこかで再開しているというウワサがあり、和真はそれを探すのをライフワークにしていた。が、第一巻で見つけてしまった。会員制でバカ高い会費を払いカモフラージュされたテンキーに、毎回変わる暗証番号を事前に電話連絡して聞き出し入力しないと扉を開くことができない。政治家たちが悪巧みの相談をしているとかいろいろなウワサが飛び交っている。和真は会費をタダにしてもらっている(和真というより月子かもね?)
    【同情】「同情は、気持ちがいいから」p.165
    【智子/ともこ】奏太の恋人。元モデルの三十六歳。バッティングフォームが素晴らしく、ハイヒールなのに完璧な神主打法。高知の野球名門校出身。ホステスクラブ「バビロン」で働いているやうだが奏太には内緒のようだ。
    【ドラマ化するなら】この話は実写ドラマに向いていると思う。配役は、読んでていつの間にか「まほろ駅前」のコンビをイメージしてしまってたので、それで。
    【仲本/なかもと】月子の担任。五十前後の女性。
    【凪子/なぎこ】プラネタリウムの常連客。大学生。伊達メガネ。メガネを外すと地味な顔だち。水着ガールズバー「モナリザ」で働いている。恋人の潤くんには内緒。
    【ナターシャ】金髪の豪華な白人女性。ロシア人でスイス在住。創馬とボストンで知り合った。なぜか創馬は逃げ回っている。
    【憎しみ】《憎しみは怒りの感情が到達するゴール地点じゃなくて、そこから不幸がはじまっていくスタート地点なんだ。》アンドロメダp.184
    【猫とラッパ】慢ちゃんが経営していた女装パブ。慢ちゃんが長女で蘭ちゃんが末っ子の「浅丘三姉妹」が売りだった。ただし次女はかなしい事情で消息不明の設定。
    【典生/のりお】保科のアニメ友だち。保科がヤクザまがいの男だとわかってからも離れていかなかった。気が弱くて保科を頼りにしているフシがある。
    【万里/ばんり】整形外科医。万里の長城のように話が長いが腕はよい。
    【ピカ爺】プラネタリウムの常連客。いつもホットウーロン茶を注文する。ギョロリとした大きな目ねいつもニット帽。和真は「ピカ次郎」とも呼ぶ。ビルのオーナーのようだ。まともに話したことはない。じつはとある店のオーナー。
    【ピコラノータ】高級イタリア料理屋。山本有紀乃がやっている。奏太の父親の建設会社が施工した。
    【英雄/ひでお】宇川奈都子の部下だったようだが今度男性誌「カエサル」の副編集長になる。仕事はできるが和真まわりの人たちの評判はあまりよくない。
    【不幸】《あるいは、不幸になるのは人より簡単だったかもしれない。でも、それだけだ。そして僕は不幸になることを選ばなかった。》カリストp.165
    【プレゼン】星座館維持のため営業用のプレゼン資料をつくる和真。といっても実際につくったのは創馬と葵だったが。それにしてもパワーポイントでつくられたプレゼン資料って例外なく面白味ないよなあ・・・
    【ヘラ】ゼウスの妻。ギリシャ神話界最恐の存在。多くのヒーロー、ヒロインたちがひどい目にあわされている。それにも負けず浮気にせいを出すゼウスもまたハンパではない。
    【暴力】村上いわくもっとも重要な資質は相手に対する無関心だという。
    【保科/ほしな】たぶん闇金、の部長。相模なんかに較べればやっぱり大物ではある。《自分が扱う金には粘着力がある。》キグナスp.179。じつはアニメ好き、というよりすでにオタク。
    【正樹】リリーの新しい恋人。ゲイバーでバーテンをしていた。
    【マッシブ】葵の所属するマネジメント事務所。元々は読者モデル事務所だったが相澤の手腕でアイドル事務所になっていった。社長は頼りなさそうだがじつはかなりの遣り手。
    【慢ちゃん/まんちゃん】新宿で女装パブ「猫とラッパ」を経営していたオカマ。あたりの地主でもあり顔役でもあった面倒見のいい人物。和真がかつて世話になった恩人。
    【ミナミ】水着ガールズバー「モナリザ」で凪子の同僚。大学も同じらしい。
    【御代の湯】近くの銭湯。
    【村上雅也】新宿で金融機関を営んでいた。一般的な闇金とは異なり債権者を護るような形を取っていた。味方も敵も多かった。慢ちゃんの紹介で和真が部下となった。
    【モナリザ】水着ガールズバー。凪子が働いている。谷田推薦。青い海と白い砂浜の写真パネルが壁一面に貼られており観葉植物など南国ムード満載。女たちは皆、豊満なバスト。
    【役立つ】慢ちゃんいわく「役立つ場所があるなら、疑問なんか持つ必要ないのよ」オリオンp.209
    【ヤス】キャバクラ黒服の店員? 二十代のお調子者で、濃密に、黒蜜みたいに日焼けしている。サングラスを外すとつぶらな二重。鼻の下にちょびひげ。ケンの親友。
    【山本有紀乃/やまもと・ゆきの】近所の高級イタリアン経営者。圧が強い。デリバリーで出前してくれるらしい。藍という十八歳の娘がいるようには見えない。その娘の話になると延々と自慢が続く。
    【ヤミ金】《そんな人間をきちんと破滅させる仕事がヤミ金だ。》キグナスp.180
    【幽子】キャバクラ「エデンの外」で働いている霊感女。何回引っ越しても事故物件にしか当たらない。
    【幸雄/ゆきお】和真と創馬の叔父。可南子の弟。
    【妖怪鳥人間】星座館に出ると噂され客足が遠のいた。じつはサンバクイーンの格好をしたリリーさんだった。実際のところそんなウワサあったら客は増えるんではなかろうか?
    【義昌/よしまさ】和真と創馬の祖父。可南子の父。和真は一目見てこの人は信用できないと思ったが引き取られることになった。しつけのためにはすぐ殴るタイプの人。
    【蘭】「猫とラッパ」で働いていた。トロいけどみんなに愛されていた。
    【リリー】オカマバー「リリーの世界」の主。創馬のことを気に入っている。星座館の開店祝いに自分専用の特大ショットグラスを持ってきた。肝臓の強さは酒場の多いビル内でも一番。「めでたけりゃなんでもいいのよ」キグナスp.156。「いいわよ、どうせ私はいつも間違ってるんだから」カリストp.56。《いつも自分が楽しむことを考えていて、そのためにまず周囲の人間から楽しませようとする》カリストp.260
    【リリーとゆかいな獣たち】サンバチーム。ビルの連中がみんな参加している。月子もピカ爺も。後に「チーム・サンバ星座館」となる?

  • ハードな人生送ってる人たちが多いシリーズもついに完結。
    星座の話はすごく楽しい、けど現実はとても重く。
    これからはみんなそれぞれ幸せな方向に前向きに進んでほしいです。和馬はこれからどうするのかが気になります。

  • とにかく読みたくて、
    会社でも早く帰って読みたい、と残業を切り上げ、
    帰宅中に読破。
    持ち歩くと、汚れたり傷ついたりするから嫌だな~と思いつつ、早く読みたくて。

    完結しました。
    ほんとに好きで、終わったあと、しばらく放心しました。苦笑

    綺麗に伏線も回収して、最後にぎゅっと物語が集まったところは、本当にどきどきしました。
    もう、和馬の神話が聞けないのは本当にさみしい。
    文庫になったら、文庫も買おうと思います。

  • 1巻を読み始めた時は、ここまでシリアスな展開に発展するとは思ってもみませんでした(良い意味で)。

    展開こそシリアスですが、和真訳のギリシア神話は相変わらず楽しくて笑えます。

    登場人物たちの心の機微が繊細に描かれていて、様々な生い立ち、生き方、立場を抱えた、それこそ雑多な仲間たちが感情を共有しながら一つの目標に向かっている様に心が温まります。

    これでこの物語が終わってしまうのが寂しいと思うくらい、登場人物たちに感情移入して読むことができました。
    こういう読書経験ができたことに幸せを感じます。

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著者プロフィール

作家。1976年東京都生まれ。慶応義塾大学経済学部卒。東京三菱銀行退行後、バーテンダー、香水プランナーなどを経て、小説「シャンペイン・キャデラック」で三田文學新人賞を受賞しデビュー。主な著書に「オワ婚」(2012年/幻冬舎)、「三軒茶屋星座館」シリーズ(講談社)など。映画やドラマの脚本も多数手掛ける。

「2021年 『恋侍 ー中目黒世直し編ー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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