十一月のマーブル

著者 :
  • 講談社
3.93
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本棚登録 : 271
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062203043

作品紹介・あらすじ

小学6年生の波楽(はら)は、私立の小学校に通う左利きの男の子。お母さんと血がつながっていない。
でも、今のお母さんは大好きだし、妹も好きだ。しかし、ある疑惑をかかえていて・・・。
波楽は、たまたま本当のお母さんの恋人に出会い、その謎をときあかそうとしたら・・・。待っていた衝撃的な事実。小学生高学年以上向き。

あさのあつこ氏推薦!
これは、少年たちの静かで美しい戦いの物語です。わたしたち大人が忘れて久しいひたむきな戦いの物語です。波楽とレンの眼差しの先にあるものに心が震えて、止まりません。

感想・レビュー・書評

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  • 私に出来ることは気にしないことだと思ってたけど、向き合うこともできたのかな。何年経ってもわからないけど、この本を読んだ今、もし会える機会が降ってきたら、配慮ばかりして当たり障りないことばかり話すのではなく、辛そうな瞬間には声をかけられる自分でありますように。できるかわからないけどそう思う。
    これからがある人たちに、こういう友達がいる人で付き合い方に悩んでる人が居たら、お薦めしたいな。

  • 気に入る話っていうのはたいてい1行目から引き込まれる。

    「駅の自動改札機は、どうして右側でしか『ピッ』とできないんだろう。」

    他のレビューで「テーマが重い」とも書かれているけれど、登場人物の軽快な会話と主人公の1人ツッコミのおかげか気分は重くならず読めました。

    高学年からおすすめ。

  • 何処かで見かけて「あっコレ娘が好きそうだな」と思って借りてきて、娘が見事にハマって「コレ絶対お母さんも読んで」と言うので・・・
    いやぁ~正直子供が読む物語だと思ってみくびってました
    読む者の想像力がベースになる『本』だからこその、どんでん返し(゚∀゚)
    思わず最初から読み直しました
    でもストーリー的には映像化したくなる・・・キャスティングするなら誰かなぁ~ワクワク
    「神様はかならず、その人に必要なピースを与える」
    きっとこの本も娘と私にとって必要なピースの一つだったんだろうな

  • 12歳でこんなにも自分自身と真正面から向き合えている2人の強さが眩しくて羨ましくて。
    波楽に対してレンが言ったある台詞が光を放っていて、思わず涙が溢れてしまった。
    この先きっと辛いことがたくさんあると思うけれど、この思い出が2人の支えとなり続けるのだろう。
    読み終えた後、あらためて表紙を眺め、そしてもう一度初めから読み返したくなる。


    血の繋がった両親が揃っていることや性自認の一致などをほとんどの子どもがごく当たり前に享受しているものとして捉えるならば、2人が都会の、それもかなり裕福な家の子というアドバンテージも物語のもつメッセージ性において不可欠な要素であるように思える。
    人それぞれに与えられたものと与えられなかったものがあって。
    そこから生まれる悲しみや苦しみ、その悲しみや苦しみがあるからこそ得るものもあるのかもしれない。
    受け止め方ひとつで人生が姿を変えること。
    そんなことに思いを巡らせた。

  • 自分ではどうしようもないことに必死に立ち向かう子どもたちの物語。
    自分の望みを口にすることは決してわがままではなく、あなたを愛する人はきっと受け止めてくれるから一歩踏み出そうと読者に伝えつつ、それでも秘めなければいけない想いもあると示す。
    これは読者である子どもたちへの信頼から生まれるメッセージだろう。児童書だからこそ逃げずに問題に真正面から向かい合うのだろう。これこそが児童書の矜持であり、魅力なのだと叩きのめされた。
    子どもの時にこの物語に出会える人たちを羨ましく思う。
    情報を少しずつ開示するミステリ的構造も素敵。

  • もやもやした自分の気持ち。
    父親を思う気持ち。親友への気持ち。
    傷付き悩みながら成長していく姿に感動。

  • ヒステリー球を凪さんから治してもらっている描写、育ての母に電話で伝えた思い、が印象深い。
    みんなが幸せになる権利はあるけど、一冊の児童書に詰め込むにはやや物足りなかったように思う。

  • 「小学6年生の波楽(はら)は、私立の小学校に通う左利きの男の子。お母さんと血がつながっていない。
    でも、今のお母さんは大好きだし、妹も好きだ。しかし、ある疑惑をかかえていて・・・。
    波楽は、たまたま本当のお母さんの恋人に出会い、その謎をときあかそうとしたら・・・。待っていた衝撃的な事実。小学生高学年以上向き。」

  • 2016

    もくじ
    一. とうさんの書斎で
    二. 凪という人
    三. マジック ~伝説のマーブルチョコ~
    四. 左ききの孤独
    五.ぼくの未来のために
    エピローグ

    主人公は、小学6年生の波楽(はら)
    私立の小学校に通う左利きの男の子。
    作家の父と再婚したお母さん(TVの旅行番組のレポーター)と義妹と暮らしている

    今の母は好きだし、妹もかわいい。

    ある日、資料を忘れた父の資料をとりに父の書斎に。
    資料をとるときに落ちた一枚のはがきには
    波楽を生んだ母の名前、華子があった。

    母がなぜ、自分を置いて家を出て行ったのか。
    親戚の話から、母が不倫の末、家を出て行ったことを知る。
    波楽は、そのはがきにあったギャラリーに書いてあった母の恋人に会いに行く。

    波楽は、小学校での親友がいる連城、レンくん。
    二人とも左利き。
    彼との関係は、つかず離れず~
    大切なときには同じ時間を過ごしている。
    レンは両親の離婚を自分のせいだと思っている。
    そのわけは・・・

  • 素敵な装画だけど、内容はなかなかにヘビー。左利きで生きづらさを抱える上に、血のつながらない家族、そして生き別れの産みの母……。大人でも感じるものがあると思う。

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著者プロフィール

1984年、埼玉県生まれ。武蔵大学経済学部経営学科卒業。東京都在住。『ぼくたちのリアル』で第56回講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。同作は児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞。2017年度青少年読書感想文全国コンクール小学校高学年の部の課題図書に選定された。『ゆかいな床井くん』で第57回野間児童文芸賞を受賞。その他の作品に『十一月のマーブル』『理科準備室のヴィーナス』『ぼくの、ミギ』『レインボールームのエマ』『すし屋のすてきな春原さん』 (以上、講談社)、『トリコロールをさがして』(ポプラ社)、『しかくいまち』(理論社)、『れんこちゃんのさがしもの』(福音館書店)、『ジャノメ』(静山社)などがある。

「2023年 『ぼくらは星を見つけた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

戸森しるこの作品

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