悪徳の輪舞曲

著者 :
  • 講談社
3.91
  • (90)
  • (216)
  • (108)
  • (9)
  • (1)
本棚登録 : 1002
感想 : 164
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062209731

作品紹介・あらすじ

御子柴の母が夫を殺めた?

悪辣弁護士も驚愕するシリーズ最凶の「どんでん返し」!

谷原章介さんが「王様のブランチ」MC10年間の
「思い出の一冊」に選んだ『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』シリーズ最新刊!

悪徳は輪舞曲のように同じ旋律を繰り返すのか――

14歳で殺人を犯した悪辣弁護士・御子柴礼司を妹・梓が30年ぶりに訪れ、
母・郁美の弁護を依頼する。
郁美は、再婚した夫を自殺に見せかけて殺害した容疑で逮捕されたという。
接見した御子柴に対し、郁美は容疑を否認。
名を変え、過去を捨てた御子柴は、肉親とどう向き合うのか、
そして母も殺人者なのか?

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 悪名高き御子柴礼司弁護士がとうとう自分の実母を弁護することになった。冷静沈着な御子柴もさすがに普段とは違う姿を晒す。弁護士事務所の助手の洋子さんに見抜かれるところなどは面白い。いきなり最初の場面が、御子柴の母親が夫を自殺に見せかけて殺すところから始まるので、いったいどうやってこれを弁護するのか見どころである。最後はこうきたのか、やられたという感じである。御子柴礼司シリーズは期待に違わず面白い。

    • KOROPPYさん
      こんにちは。
      コメントありがとうございました。

      御子柴シリーズは、一筋縄ではいかないキャラクターとたたみかける展開が、毎回面白いです...
      こんにちは。
      コメントありがとうございました。

      御子柴シリーズは、一筋縄ではいかないキャラクターとたたみかける展開が、毎回面白いですよね。
      続きが待たれます^^
      2020/08/15
  • この四作目には、まいったぁ~!
    まず、冒頭の凄惨なシーンそのものに、まいった。
    そして、このシーンの本当の意味が判明すると、心底 仰天!
    絶叫ジェットコースターに乗せられた気分です。
    ちょっと頭がクラクラしそう。

    今回は、実母・郁美の殺人容疑の弁護をすることになった御子柴。
    前回、育ての親の弁護をしたばかりなのに、受難続きですよね。
    30年ぶりにアクリル板越しに再会した母は
    「信一郎」と、御子柴の本名で呼びかけますが、
    御子柴はそういう名の人物はもういないと言い続けます。
    「私とあなたは、弁護人と依頼人。それだけの関係です」

    郁美は、再婚相手・成沢拓馬 を殺したという容疑で起訴されます。
    自殺に見せかけた殺人であるというのが検察側の主張です。

    調査を進めていく中で、二つの事件が語られます。
    ひとつは、5年前の事件。
    成沢拓馬の元妻が統合失調症の男に殺されていたというもの。
    もう一つは、29年前。
    御子柴の父親の自殺に絡む事件。
    当然のことながら、この二つの事件は
    最後に、ひとつの結論としてみごとに集約されていきます。

    母親など他人だと思っている御子柴ですが
    随所に心の揺れが見られ、血の通った人間なのだと安心。
    ただ、読んでいる間中 心がとても苦しくて
    翌日に持ち越したくないため、がんばって一日で読み終えました。
    (御子柴礼司のせいで、睡眠時間が削られています!)

    今回の曲のテーマは、作曲者の明かされないロンド。
    同じことを繰り返す犯罪者は、
    同じ旋律を反復する輪舞曲のようだと語られます。
    でも、もうひとつ示唆している重要なことがあると思います。
    それは、御子柴が一番気になっていること。
    資質の遺伝について。
    犯罪者気質は遺伝するのか、どうなのか。

    またまた最後に、倫子ちゃんが登場して和ませてくれます。
    でも、ロンドと言えば、輪廻転生? 
    ちょっと怖い! こじつけが過ぎました。

  • 御子柴先生のお母様が殺人罪で起訴されます。
    先生の妹さんも登場。

    冒頭からお母様が旦那さん殺害するシーン(-。-;
    「死体配達人」の母親と知られて誰も弁護を引き受けてくれないと、妹さんが御子柴先生に依頼するも、相変わらずの塩対応(笑)
    展開で結末が予想出来るものの、調査過程を含め裁判は引き込まれます。
    分かっていながらもドキドキの展開です‼︎



  • シリーズ4作目。
    御子柴弁護士の母が再婚した相手を自殺に見せかけて逮捕される。
    過去の御子柴の事件と、今回の事件、実父の自殺などが絶妙に絡み合って物語が展開していく。
    法廷でのどんでん返しが、気持ちいい!

  • 御子柴礼司シリーズ4作目。
    今回は御子柴の実の母の無罪を勝ち取るための弁護。
    そこに隠された「死体配達人」以降の残された家族の真実。
    改めて考えさせられる事の多い作品でした。
    このシリーズは特に心を抉られてしまう。

  • 御子柴礼司シリーズの第四作目。前三作が素晴らしかったので、これを超える作品は難しいのではと思っていたが、全く引けを取らない良作だった。実の母親を弁護することになった御子柴が、否応なく過去の自分の犯罪とその結果として引きずり込んでしまった家族の系譜に直面することになる。作者はこの四作を最初から構想した上で、書き進めていたのだろう。全作を通して素晴らしいプロットが紡がれていた。本作が御子柴シリーズの最終作となるのかそれとも新たな道を歩み進めるのか気になるところだ。

  • ダークヒーローが主人公のリーガルサスペンス第4弾。
    弁護士というより詐欺師に近い悪徳弁護士御子柴礼司。今回は、何と、母いやの弁護を引き受けることになる。さすがの彼も勝手が違うよう。
    罪状は、再婚した夫の殺害容疑。絶対的ともいえる物的証拠があるが、母は容疑を否認。裁判の行方は・・・
    題名の輪舞曲(ロンド)は何を意味するか・・・
    「どんでん返しの帝王」との異名をとる著者は、ミスリードした読者に、今回もアッと言わせる仕掛けをしている!

    それにしても、御子柴事務所の有能な事務員の洋子さん、こんな弁護士のもとでよくも辞めずに勤めておると思うが。
    御子柴と丁々発止、手玉に取るかのような度量もあり、彼女にも何かいわくがありそうな不思議な存在。
    少年院の世話になった教官の弁護、母親の弁護と、彼の身近な人物の弁護が続き、次回作あたりではその辺も、あるいは・・・

  • 久しぶりに御子柴シリーズ。そうそう、これ。人をまるで下等動物のように観察する。御子柴先生ってこんな感じだった。キャラとしては嫌いじゃないけど、あんまりお会いしたくないタイプ。

    今回、弁護するのは実の母親。そしてこれまで避けてきた肉親と向き合うことに・・・
    相当きつそうだったけど、また少し人間らしい感情を覚えたようで、なんかよかった。

  • 私の沼、御子柴シリーズ!
    4作目は、御子柴礼司が医療少年院に入った30年も前に絶縁した母親の、弁護人となる
    御子柴は、ただの依頼人と弁護人であり、他の関わりは何もないと関係性をハッキリさせたがる
    最後の最後で御子柴に実母らしい言葉を投げかけるシーンは涙モノ。。。
    言葉にしなくては通じない事は、どの世界でもあるんだな

    御子柴礼司は、弁護士としては誰もが恐る凄腕
    でも哀しい過去を背負っていて、読みながら胸が痛くなり、応援しながら夢中になってしまう
    頑張れ、頑張れ、御子柴礼司!
    今回も楽しく読めた
    ありがとう、中山七里さん

  • 御子柴シリーズ4作目。今回は再婚相手を殺害した容疑の実の母を弁護。不可能と思われる弁護をあっと驚く点でひっくり返す展開は安定。弁護する相手が誰であっても同じ、という姿勢は崩さないが今回は随所に動揺が見られる。彼にも人の心が残っていた、或いは生まれてきた?という話ね、と思っていたので冒頭で描かれたエピソードの真実が効いた。1作目の御子柴では感じられなかっただろうし順に読んでいくの大事。前作までの復習大事。また今回の弁護した事件の真実に至る過程はやり切れない。法は誰の味方なのか改めて突きつけられる。

全164件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中山七里の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×