風の万里 黎明の空〈上〉十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)
- 講談社 (1994年8月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062551755
感想・レビュー・書評
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再び中嶋陽子さん(*^-^*)
最初が陽子さんでしたからね、これが一番楽しみだ。
陽子さんのその後、気になって仕方ない。
大木鈴、祥瓊という二人の女性と邂逅し、
物語はクライマックスへ。。。
この二人の女性が、どう物語に絡んでくるのか
ヒヤヒヤしながら読み進めて行った。
何となく二人とも、どことなく棘があり剣呑な雰囲気を醸している。。。
下巻へ続く。 -
再読。三人の立場の違う娘たち、陽子と鈴と祥瓊の話。誰もが三人のうちの誰かの中に自分を見るんじゃないかな。
初読の時は自分は鈴に似ているのかなと思っていたけど、今回は祥瓊の部分も結構あるかもと思ってみたり。
読んでいて結構つらい部分もある。
そしてこのシリーズの前後篇は、割と場面展開は後編なので、前編は辛いまま終わることが多い。
けど、後半に転機があると思えるから読み進められる。
でもやっぱり陽子は好きだ。
この本のあとがきで、前作の延の主従の話が番外編扱いってあってちょっと驚き。
本編と番外編の違いを考えると、やっぱり陽子が来てからの十二国の物語ってことなのかな。 -
大好きな十二国記だけれど。
陽子が国王を務める慶国が主な舞台だから本編なんだけれど。
それでも、この「風の万里黎明の空」編はずっと苦手だった。
分厚さで言えば「図南の翼」だって同じぐらいなのにも関わらず、再読の頻度は間違いなく後者のが高い。
それがどうしてなのか、今回の再読でハッキリした。
鈴や祥瓊の考え方にとにかく辟易するのだ。
何でも人の所為にし、「私だけが不幸だ」と、人のことを嫉む。
人の話には耳を傾けないのに、誰かに甘え縋ることしか考えておらず、自分でどうにかしようなどと思いつくこともない。
私、こういう自分の不遇を呪うばかりの人ってニガテなんだ。
逆に、采王黄姑や、供王珠晶の言葉には何度も頷く。
どちらも、100年前後の治世を敷いている善き王なだけに、人として正しい姿だと好感を覚える。
「幸せかどうかはその人の心が決める」
「辛いから物を盗んでいい道理はない。同じ労働をしている全うな人たちにこそ慈悲を持ちなさい」
特に供王の言葉や態度は一見傲慢にも見えるけれども、物事の分別はちゃんと弁えていて筋が通っている。だから見ていて腹が立たない。むしろ胸がすくのだ。
正しい心の持ちようをこのシリーズは教えてくれる。
ライトノベルのレーベルからの出版にしては重い物語だけれど、十代の多感な時期にこの物語と出会えたならば、本当に財産になるだろうなと思う。
私が出会ったのは残念ながら10代ではなかったけれど、それでもこのシリーズは間違いなく私の人生のバイブルだ。 -
陽子が前向きになってきていてよかった。
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あとがきによると本編の3作目らしい
延王の話は番外編だとか
陽子さんと泰麒の話が本筋ってことね
それにしても、陽子さんの国政はハードモードだなぁ
判断を間違えると即謀反が起こるような戦国シミュレーションか?
もしくは、どんな選択をしても女の子たちの好感度が下がる恋愛シミュレーションみたいな?
そして、陽子さん以外のメインキャラ、鈴と祥瓊
鈴は海客として苦労していて、同じ境遇の景王によりそってあげたい
祥瓊は自分目線で理不尽な不幸にあっているのに、ただ選ばれただけの景王を羨むと
うーん、どっちも陽子さんのためにはならない人物に思えるんだがね
下巻でどうからんでくるのやら -
十二国記シリーズは各国の栄枯盛衰を描きながら、様々な立場の登場人物を通して「今自分が抱えている価値観」に気づかされ、更にこれからの自分の在り方を考えさせられてしまうからクセになるのかもと3人の少女の感情に触れながら思った。