単純な脳、複雑な「私」 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062578301

感想・レビュー・書評

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  • 自分の脳との向き合い方が変わった

  • 高校生に対する講義の形式で脳が認識する「わたし」の世界とそれを生成する脳とはいかなる装置であるのかについて語る。

    講義録でありながらも議論の流れは洗練されており、スムーズな理解を助ける。
    良書。

  • 興味をつなぐ話し方がうまく、最後まですらすら読めたし、また非常に面白かった。ただし、私の頭に残っていることは少なく、自分の能力の限界を知った。

  • 講義式
    この世は11次元かも。物の見え方について。好きになることは脳の回路が進化すること。30秒前にはミスするかどうか決まってる脳の揺らぎのせい。
    もっといっぱいあるけどキリがない。情報量が多くて良い本だった。

  • 単純なルールが複雑性や創発を生むというストーリーをわかりやすく解説。
    創発をイメージするシミュレーションがとてもわかりやすい

  • 以下気になったことのまとめ

    1章

    自分の行動や思考の多くは無意識的な振る舞い

    なので自分が想像してるほど自分のことはわからない

    理系は人差しが短い。

    これは、単に男の人のほうが人差し指が短く、男の人のほうが理解に進みやすいということ。

    人差し指が短い理由は、お腹の中にいるときな、男性ホルモンにさらされると男性になるが、男性ホルモンにさ細胞を殺す作用があり、人差し指が短くなる

    と言われている

    天然パーマはIQが低いのも同じような理屈。

    アフリカには天然パーマの方が多く、アフリカの一部地域では教育が届いておらず、そういう統計になっているだけ

    こうしたデータは因果関係ではなく相関関係があるといえる。

    因果関係があることは証明できない。統計的に相関の強さを見て、因果関係があるとしているだけ。

    解熱剤を飲まなくても熱は下がるかもしれない、など。

    脳の活動こそが事実、つまり感覚世界の全てであって、実際の世界である「真実」については脳は知り得ない

    人の顔は、左側だけでほとんど判断している

    言語は左脳で判断して、イメージは右脳が司る。左側の視野で見たのもは、右脳が判断するので、左側

    この歌はなんで好き?という理由でメロディーや歌声ではなく、実は楽しい時に聞いた曲を聴くといい曲と錯覚してしまう

    視線を動かして見た場合と、視線をそのままにして新しいものを見た場合だと、視線を動かしたときの方が魅力的に錯覚しやすい

    脳が視線を動かしてみる必要があるもの、と錯覚するから

    恋愛は麻薬のように快楽作用がある。

    快楽は盲目にさせる。ネズミが快楽のボタンを押すと、そればかり押して食事もしなくなり気付いたら餓死してしまうなど。

    子孫を残す際は、よりよいパートナーを選ぶ脳がある。しかし全世界の人からベストは探せない。そのとき、恋愛で盲目になって、目の前の人がベストパートナーと錯覚できるよように、恋愛がある

    ひらめきは思いついた後に理由を説明できるが、直感は理由を説明できない

    大脳基底核が直感を扱う。大脳基底核は、自転車の乗り方や箸の持ち方など体を動かすことに関連したプログラムを保存している。

    そしてこれは、非常に正確。箸の持ち方を間違えたなどがらないように、正確。

    大脳基底核は、1回やっただけでは記憶しない。繰り返しによって記憶される

    女性はノンヴァーバルコミュニケーションに長けていて、ちょっとした仕草や態度や表情に敏感。男性はこれが苦手なので、言葉を重視する

    例えば女性はプレゼントの際にも、どんなシール貼ろうかやリボンなど細部に気を配る。それが女性には伝わるから

    人の痛みを見ると、自分も痛いと脳が感じてしまう。それは仲間外れにされた、など社会的な心の痛みも、脳は「痛み」と感じてしまう。

    進化の過程で動物は他者の存在を意識できるようになった。次に他者を観察することで、その行動の理由を推測できるようにらなった。

    他者を観察して得たことを自分にも適用すれば、自分の観察にもなる。

    そういった手順で自分に心があると理解する

    3章

    脳は常に頭蓋骨の中にあるので、外界の情報を知るには手や足や目など身体を使わないと情報を得れない

    味覚は塩味、甘味、旨味、酸味、苦味の5種類

    皮膚の感覚も温覚、冷覚、圧覚、痛覚など数種類

    嗅覚は、400種類くらい嗅ぎ分ける。ネズミなら1000種類。嗅覚だけ異常に多い。

    それは、食べ物を探すため。睡眠中でも嗅覚は活動している。嗅覚以外も感じ取れていたら、睡眠が妨げられる

    身体を動かそうと思ったとき、その直前には脳はすでに身体を動かす準備を始めて完了している。その後、身体を動かそうと思い、動かすという流れ。

    子供は体は動く準備できたらすぐに行動しちゃう。大人になるとそれを拒否できるようになる

    よって、ぼくらは自由意志ではなく、体が思ったことを「やらない」という選択肢、つまり自由否定ができるだけの存在

    4章

    アリの行列。アリはフェロモンを出しながら歩き、フェロモンを辿って帰る。

    そのフェロモンは揮発性で時間が経てば消える

    時間が経てば消えることで、今残ってるフェロモンに時間という概念が加わる。昔のフェロモンが消えることで、帰り道がわかるようになる

    でもたまにフェロモンを辿っていかないアリがある。それはノイズだが、そういうアリが最短ルートを見つかるかもしれないし、もっと大きな餌を取るかもしれない。だから必要

    アリのフェロモンは揮発性なので、濃いフェロモンを辿っていけばノイズには騙されない仕組みにもなっている

  • 意識に上がる前に、体は動いている。
    自由とはなにか
    衝撃をうけた一冊

  • 認知に関する最新の研究が網羅されわかりやすく解説されている。ただ、個人的には対話風の文章ではなく説明文の方がよかった。好みの問題。

  • 初めて読んだ池谷さんの本。とても面白かったです。意志がどのようにして生まれたかを考えるラングドンのありや報酬系のお話は特に面白く、興味をそそられました。

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著者プロフィール

監修:池谷裕二
脳研究者。東京大学大学院薬学系研究科薬学専攻医療薬学講座教授。薬学博士。一般向け書籍の累計発売部数100万部超え。

「2023年 『3ステップ ジグソー知育パズル どうぶつ だいずかん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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