ナチ占領下のフランス: 沈黙・抵抗・協力 (講談社選書メチエ 34)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062580342

作品紹介・あらすじ

ヴィシー時代。老元師ペタンにひきいられた日々は、「抹殺すべき四年間」と呼ばれる。対独協力者によるユダヤ人狩り、ファシズムを礼讃する知識人、ヒトラーに忠誠を誓った男たち…。多くの驚くべき事実がそこにはあった。三色旗が鉤十字に蹂躙されるなか、人びとはいかに生きたのか。われわれの知らない「もう一つのフランス」に、いま光があてられる。

感想・レビュー・書評

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  • 老元帥ペタンに率いられた「抹殺すべき四年間」と呼ばれるヴィシー時代。対独協力者や抵抗する人々の姿。びっくりしたのは国民間の密告や政党間の権力争いなど、国の内の混乱で、一丸となって困難に立ち向かっていかなかったのね、ということ。また、連合国や米英が戦後に分割占領しようと貨幣発行の相談などしていたとか。対独より国内の争いがすごかった印象。まだまだ知りたいことがたくさん!

  • こちらの知識が足りず、把握しきれていない。

  • 第2次世界大戦時フランスにおける、アンリ・フィリップ・ベノニ・オメル・ジョセフ・ペタン元帥ひきいるヴィシー政府の研究書(1994/12/10発行)。

    本書では、第2次世界大戦時のフランスの隠された「もう一つのフランス」について明記されていますが、その対独協力の高さに驚かされました。 例えば、ドイツ第三帝国より過酷なユダヤ人弾圧や、ドイツへの労働力提供、ルノー,シトロエン,プジョー,ミシュランなどによるドイツへの経済協力など。 この他、後のフランス大統領ミッテランのヴィシーへの関与など、興味深い事実がいろいろ記載されています。

    レジスタンス神話に隠された「もう一つのフランス」を知るには、本書は打ってつけの本であると思いました。

  • これを読まなければ、フランスの美化された、もしくはステレオタイプのフランス像を拭い去らずに居続けたことであろう。ナチの占領を安易に受け入れ、沈黙し、抵抗し、協力したそれぞれの立場。戦後は断罪の空気で満ちあふれていたが、対独協力やユダヤ人狩り、枢軸軍として戦う者、そうした目を背けたい自国史に向き合い検証するフランスの姿勢に安直なフランス観から私は抜け出せた。

  • レポートの参考にした本。
    少し古い本なので、数値など曖昧さはある。
    パリ解放五十年の年に書かれたもの。
    歴史の中でも中々扱い辛いテーマを扱っている数少ない本。
    本当に参考になった。
    文章も読みやすく明快。
    フランス現代史を学ぶには外せない本。

  • 【目次】
    第1章 忘却のベール
    第2章 第二次大戦前夜
    第3章 ヴィシー体制
    第4章 対独協力
    第5章 レジスタンス
    第6章 解放

  • ドイツ軍はフランスでは行儀が良かったそうだ。
    フランスにいるユダヤ人たちは連行された。
    ナチスに寝返ったフランス人が一番残忍だった。
    「海の沈黙」という小説が1942年に出る、これで作家たちはタイプライターが武器になるということを知った。
    この小説は高校三年生のときの国語の教材。

  • 当時のパリの様子が知りたくて探した本。
    読みやすく、分かりやすい一冊でした。

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著者プロフィール

1952年生まれ。奈良女子大学文学部教授。著書に『ホロコーストのフランス――歴史と記憶』(人文書院, 1998)、『フランス人とスペイン内戦――不干渉と宥和』(ミネルヴァ書房, 2003)、『エトランジェのフランス史――国民・移民・外国人』(山川出版社, 2007)、『近代フランスの歴史学と歴史家――クリオとナショナリズム』(ミネルヴァ書房, 2009)など。

「2013年 『フランス人民戦線』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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