ゴーギャン: 芸術・楽園・イヴ (講談社選書メチエ 44)

著者 :
  • 講談社
3.00
  • (0)
  • (0)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 11
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062580441

作品紹介・あらすじ

キリスト教と原始宗教、文明と野蛮、聖なるものとエロス的なもの…。自己の根源を探求し、両極を激しく揺れるゴーギャン。楽園を目指して行動する画家が、ケルトの故地ブルターニュと熱帯の島タヒチに見たものはなにか。北欧の妻メットと南海の"イヴ"テハマナに求めたものはなにか。「芸術の殉教者」の破天荒な生涯と心の叫びを、画家自身に語らせながら鮮やかに描き切る。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ポール・ゴーギャンの生涯と芸術をわかりやすく解説している評伝です。

    どことなくバルザックとイメージが重なってしまう、陽性の生活破綻者ともいうべきゴーギャンの生涯を、比較的客観的にたどっているのですが、それでもどことなくおかしさを感じてしまうのは、この偉大な画家の破天荒な人物像のなせるわざなのでしょう。とくに妻メットとの長年にわたる摩擦は、おたがいがたいへんに神経を消耗させるような関係だったことは理解できるものの、どうしてもユーモラスな雰囲気がつきまとってしまうような気がします。

    ゴーギャンとゴッホの共同生活に関しては、それほど立ち入った説明はなされておらず、その点が個人的にはすこし不満でしたが、ゴーギャンのタヒチへの傾倒がどのような動機にもとづいていたのか、あるいはそこにどのような問題が含まれているのかといったことについても、多少著者自身の見解をまじえつつ説明されており、興味深く読むことができました。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

上智大学仏文科卒、九州大学大学院、上智大学大学院を経て、パリ第4大学博士号取得。評伝作家・翻訳家。著書に『カミーユ・クローデル 極限の愛を生きて』(朝日新聞社)、『ゴーギャン 芸術・楽園・イヴ』(講談社)、『藤田嗣治 パリからの恋文』(新潮社)、訳書にテレーズ・ムールヴァ『その女の名はロジィ ポール・クローデルの情熱と受苦』(原書房)、デルフィーヌ・ド・ヴィガン『デルフィーヌの友情』(水声社)など。

「2020年 『子供時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

湯原かの子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×