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- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062580441
作品紹介・あらすじ
キリスト教と原始宗教、文明と野蛮、聖なるものとエロス的なもの…。自己の根源を探求し、両極を激しく揺れるゴーギャン。楽園を目指して行動する画家が、ケルトの故地ブルターニュと熱帯の島タヒチに見たものはなにか。北欧の妻メットと南海の"イヴ"テハマナに求めたものはなにか。「芸術の殉教者」の破天荒な生涯と心の叫びを、画家自身に語らせながら鮮やかに描き切る。
感想・レビュー・書評
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ポール・ゴーギャンの生涯と芸術をわかりやすく解説している評伝です。
どことなくバルザックとイメージが重なってしまう、陽性の生活破綻者ともいうべきゴーギャンの生涯を、比較的客観的にたどっているのですが、それでもどことなくおかしさを感じてしまうのは、この偉大な画家の破天荒な人物像のなせるわざなのでしょう。とくに妻メットとの長年にわたる摩擦は、おたがいがたいへんに神経を消耗させるような関係だったことは理解できるものの、どうしてもユーモラスな雰囲気がつきまとってしまうような気がします。
ゴーギャンとゴッホの共同生活に関しては、それほど立ち入った説明はなされておらず、その点が個人的にはすこし不満でしたが、ゴーギャンのタヒチへの傾倒がどのような動機にもとづいていたのか、あるいはそこにどのような問題が含まれているのかといったことについても、多少著者自身の見解をまじえつつ説明されており、興味深く読むことができました。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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