ピアノの誕生: 楽器の向こうに近代が見える (講談社選書メチエ 53)

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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062580533

作品紹介・あらすじ

ベートーヴェン、クレメンティ、リスト…。絢爛豪華な演奏の裏に、理想の音色をめざして、しのぎを削ったピアノメーカーの技術競争があった。ピアニストにあこがれる娘たち、安いレッスン料に泣く教師、自動楽器に驚くブルジョア。産業革命が生み出した夢の楽器に、それぞれの希望が託されていく…。本書は音楽を通してみる「近代」の縮図である。

感想・レビュー・書評

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  • ピアノの変遷と歴史をユニークな視点と語り口で紹介、興味深く読める

  • 一冊で盛りだくさんの内容。ピアノの機構の発達から、ピアノ教則の整備、ピアノ教師たちの境遇、ピアノを求めた人々とその享受ぶり、女性とピアノの関係などなど。
    資本主義的な精神構造と、毎日こつこつと練習しなければならないピアノとの親和性の高さは、この本を読む前から思い当たるところがあったが・・・。
    最終章で駆け足で叙述された日本のピアノ製造史も興味深い。日本のメーカーが世界のトップブランドに成長したなら、たしかに今後、他の国がその座を奪うこともありうるわけだ。
    ピアノの歴史は、もちろんまだまだ終わらない。

  • 444夜

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著者プロフィール

1952年山形生まれ。東京藝術大学大学院博士課程満期退学。現在、桐朋学園大学音楽学部名誉教授。18、19世紀を主な対象とする音楽社会史、音楽思想史を専攻。
著書に『新版 クラシックでわかる世界史──時代を生きた作曲家、歴史を変えた名曲』『ピアノ大陸ヨーロッパ──19世紀・市民音楽とクラシックの誕生』(以上アルテスパブリッシング)、『神と向かい合った作曲家たち──ミサ曲とレクイエムの近代史 1745–1945』『《ドイツ・レクイエム》への道──ブラームスと神の声・人の声』『シューマン 全ピアノ作品の研究 上・下』(以上音楽之友社)、『ピアノの誕生』『クラシック 名曲を生んだ恋物語』(以上講談社)、『「楽聖」ベートーヴェンの誕生』(平凡社)、『世界史でたどる名作オペラ』(東京堂出版)、共著・共編書に『ベートーヴェン事典』(東京書籍)、訳書に『魔笛とウィーン』(平凡社)、監訳・共訳書に『ルル』『金色のソナタ』『西洋の音楽と社会(7)ロマン主義と革命の時代』(以上音楽之友社)、『オックスフォード オペラ大事典』(平凡社)などがある。

「2023年 『バロック音楽と国際政治』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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