イスラームの英雄サラディン: 十字軍と戦った男 (講談社選書メチエ 75)
- 講談社 (1996年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062580755
作品紹介・あらすじ
聖地エルサレムの奪還。全イスラームの悲願を背に、エジプトの君主、サラディンは起った。国際都市カイロの開発、十字軍との死闘…。中東の人びとの心に、今なお生きつづける「英雄」の本格的伝記。
感想・レビュー・書評
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中村小夜「昼も夜も彷徨え マイモニデス物語」を読んで、参考文献に挙げられていて手に取る。サラディンが権力を握ってからをざっと拾い読み。カーディー・アルファーディルについては随所に記述が見られたが、マイモニデスについての記述は皆無だった。また、一貫して、ザンギー朝、アッバース朝を形式的には敬い、上において、刺激しないようにした姿勢は印象に残った。
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題名通りの一冊。エピソードを読むと、賛否両論ではなく、安定した評価を得そうな名君、といったところか。十字軍は何の益もない大遠征、と思っていたのだが、色々と敵を手こずらせていたようなのは、意外だった。
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12世紀、十字軍より聖地エルサレムを奪還したイスラームの英雄 サラーフ・アッディーンの伝記。
伝記でありながら、当時の時代背景など詳細な説明がされていて、中世イスラームについて詳しく知りたいなら一読の価値はある。 -
日本を代表するアラブ史家によるサラディンの伝記。世間的に流布している偶像を打ち壊し、等身大のサラディン像を描き出そうとした結果、それはそれでまた魅力的な一人の偉人の姿が浮かび上がる。政治史・人物伝に留まらず、制度史・社会史的な視点や、舞台となる都市の描写などにも力が入っていて、イメージを立体化させながら読むことが出来る。下手に通史ものの概説書などを読むより、中東史の入門書としてはいいかもしれない。
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<a href="http://www.bk1.co.jp/product/01338216/?partnerid="><b>イスラームの「英雄」サラディン</b> 十字軍と戦った男</a><br>(講談社選書メチエ 75) 1996.5<br><br><br>サラディン(サラーフ・アッディーン)は「十字軍と戦った英雄」として<br>現在でもアラブ人やクルド人の心の中で輝き続けている存在である。<br>そのため、英雄譯の主人公としてのサラディン像が一般に流布していた。<br><br>本来のサラディンの「実像」に迫るべく、彼が生きていた時代の史料に当たり<br>その生涯を政治の動きと関連させながら叙述している。<br><br>当時のダイナミックな歴史のうねりが伝わってきて、ドキドキしながら読みました。