山の霊力 (講談社選書メチエ)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062582612

作品紹介・あらすじ

日本人の「いのち」の源は山にある。縄文以来、この列島の住人は山の霊力を崇め、山に育まれて生きてきた。大和の神奈備山から山岳信仰の霊場まで、全国の名山・霊山をめぐり、世界でも類を見ない日本人のユニークな宗教観の本質を探る。

感想・レビュー・書評

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  • 日本に生まれて本当に良かったと実感出来ました。町田教授ありがとうございます。感謝です。

  • 「山の霊力」というタイトルからはやや分かりにくいが、山をめぐる著者独自の観点から原始から古代までの日本の精神史を論じた本だ。多方面からよく調べられ
    、山が日本人の精神形成にいかに大きな役割を果たしていたかが、具体的に考察されており、読んで興味尽きなかった。個人的には、三内丸山遺跡や花巻など東北をめぐる旅の途上で読んだ本だったのでなおさら印象深かった。

    縄文人にとって山は生き物であり、神であったということが、印象深く語られる。さらに山に重ねあわされた動物のイメージは、大蛇(おろち)ではなかったかという。大蛇信仰は、やがて巨木信仰へと移行する。三内丸山遺跡のやぐら(六本柱)も巨木信仰のルーツか。大蛇の化身である山の巨木を切り、ふもとにつき立て、おろちの生命力を住む場所に注入しようとしたのか。諏訪の御柱祭は、そのような巨木信仰を残すものかもしれない。蛇体、巨木への信仰は、縄ひも(蛇の変形)への信仰につながる。神社のしめ縄は、二匹の蛇がからむ姿そのものだ。さらに縄文土器の縄目模様も、山、大蛇、巨木‥‥と連なる信仰に関係するのか。

    日本の縄文時代やその後の古代史について、きわめて情報量も多く、視点も新鮮で、目が開けるような想いで読んだ。

  • 「山に行き体験したいその霊力、再読しては再び惹かれ」

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著者プロフィール

1950年京都市生まれ。14歳で出家し、大徳寺にて修行。34歳の時に大徳寺を離れ渡米、ハーバード大学神学部で神学修士号、ペンシルバニア大学東洋学部で博士号を取得。シンガポール国立大学大学助教授、プリンストン大学准教授、東京外国語大学教授、広島大学大学院総合科学研究科教授を経て、現在、広島大学名誉教授。日本・アメリカ・ヨーロッパ・台湾などで「ありがとう禅」を開催している。著書に『法然・愚に還る喜び─死を超えて生きる』『山の霊力─日本人はそこに何を見たか』ほか。

「2016年 『講座スピリチュアル学 第7巻 スピリチュアリティと宗教』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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