- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062584906
作品紹介・あらすじ
たんに「愛国」ということなら、日本人の多くも異存はない。日本にもナショナリズムはある。いわばおたがいさまのものである。自尊の意識なのだから、それがある程度の排外をともなうのも、常識の範囲内であろう。しかし中国の場合、現代日本人がわからないのは、まず日本がその排外の対象となり、それがいっこうに改まらないことにある。「愛国」が「反日」とイコールでむすびつき続ける中国人の心情と思考が、不可解かつ不気味なのである。倭寇の時代から現代まで歴史が明かす「反日」の本質。
感想・レビュー・書評
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近代中国史に関心があり、図書館で借りる。2週間で読みきれず、一回延長。中国における反日について、なぜを掘り返し、逆から説明したような本。似て非なる状況でありながら、経済的のみの関係から、政治的のみの関係になり、ゆくゆく経済的に密接、かつ、政治的に反発する現在に至る歴史経緯をたどる。共産党に関する記載はほぼ無いので、反日の拠り所は分かりながら、いま、なぜ、ここまでは分からないと感じた。教訓としては、他人に敬意を払わないと、いずれ争いになるということ。
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中国の反日の状況を現在を見るのではなく、過去から俯瞰してどうしてそういう思想が生まれてしまったのかを記載しています。世界史を学校で学びますが、ある意味「勝者の歴史」であって、普遍的にまんべんなく学んでいて無味乾燥としたものになりがちです。
この本のように、「特定の意図」をもって歴史を俯瞰してみると、今までとはまた違ったところが見えてきてとても面白いものです。「反日」というのはこうして作られてしまったのか。と、納得できる内容でもありました。 -
タイトルだけ見ると時流に乗った中身のない本のようだけれど、著者名を見て手に取った。内容はタイトルから受けるイメージとはかなり違い、前半は近世日中社会経済史、後半は近代日中関係史。高校レベルの世界史の知識がベースなので読みやすい。「反日」の原点を日中戦争やら江沢民の愛国教育やらに安易に帰着させず、19世紀末、更には明代まで遡っている。
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あまり反日の心理的な理由づけはなかったが、清・明時代からの中国の成り立ちは非常に興味深い。貨幣制度と収支相殺がないのはそりゃ非効率だ
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36 3/2-4/21