「大人のADHD」のための段取り力 (健康ライブラリー)

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  • Amazon.co.jp ・本 (102ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062596961

作品紹介・あらすじ

ひと目でわかるイラスト図解
《講談社 健康ライブラリースペシャル》

【ADHDの人に必要な段取り力とは、視野を広く長くもち、道筋をつける力です】

ADHDの人が仕事や家事でうまくいかないのはなぜでしょう。それは目の前のことしか見ていないからです。前後を考えずに目の前にあることをこなすだけ。――このように場当たり的にする作業には連続性がありません。まるでひとつ一つが点のように散らばっています。
仕事や家事などをスムーズに進めるには、一つひとつの作業を点でとらえるのではなく、つながりをつけることから始めます。そのつながりが道筋です。道筋は視野を広くとりながら、先も見て考えます。
この道筋をつけるとき、足りないものを課題として補うことが大切です。とくにADHDの人が苦手とする「時間の管理」「ものの管理」「プランニング」「記憶の補強」「持続力」を課題として意識して進めます。そうすることで段取り力が身についていきます。

【本書の内容構成】
1 段取り力をつけるための5つの課題
2 職場での段取り力→信用と実績につながる
3 家庭での段取り力→暮らしやすさにつながる
4 自分を励ましながら確かな段取り力を身につける

感想・レビュー・書評

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  • 過度のストレスで疲労や不安が蓄積されると、誰でもADHDのような症状がでてくるという。不注意によるミス、先送りなどを防ぐ方法の具体的なヒントが、図とともに分かりやすく書かれている。

  • イラスト付きでわかりやすい。ただ軽度なADHD自覚ある人向け。そもそも重度のADHDの人はこれを読破するのが難しいと思う。

    (以下、自分メモ)
    ①時間を多めに見積もって管理する
    ADHDは時間の感覚が緩い、だからしょっちゅうあわてる。

    ②物の定位置を決め、使ったらもとに戻す
    次に使うことを考える。物が少なければ管理も楽
    ・好き嫌いの感情で決めず、使うかどうか、いるかいらないかで決める。年に一度でも使うならとっておく。
    収納スペースがなければデータ化する。
    パソコン内も不要な情報は削除する。
    ・情報を整理するファイルは色で分けたり、時系列で保管する。好きな色と重要度の高い色を合わせると間違えにくい

    ③何をどの順番でするのかを決める
    やることを好き嫌いで決めない。目先のことに飛びつかない

    ④メモを取る
    書くことで「忘れた」を減らす。ADHDは記憶のお盆が小さいと心得る。覚えておこうと思ってはいけない

    ⑤心のエネルギーを補強して持続力を保つ
    ADHDはひとつの物事を長期に続けるのが苦手だが、瞬発力はある。いわば短距離ランナー。
    気持ちを持続させるために、やりやすい順番を考えたり、こまめに休憩をはさんだり、集中しやすい環境を作る。ごほうびを用意するのもいい

    ・到着にはプラス15分の余裕をもたせる。そのためには時間を逆から見積もる。前日の睡眠時間から!
    ・ADHDははじめはやる気もありアイデアもいっぱい。でもスタートを切るのが遅れ気味。心の中のやる気スイッチを入れる
    ・時間が足りなくなって最後にやっつけ仕事にならないように時間配分。
    今抱えている仕事をすべてリストアップして、現状把握。
    個々の所要時間を見積もる。
    次にやる順番を決め、紙に書く。
    それぞれに優先順位をつける。
    順位をつけた順にスケジュール表に書く。不測の事態を見込んで予備日を取っておくと安心

    ・バッグやスーツ内での定位置を決めておく
    毎日持ち歩くものはバッグから取り出さない。
    衣類に合わせてバッグを替えたいなら、バッグインバッグを使い丸ごと入れ替える。

    ・自分は不注意なタイプと認め、見直す時間を取る。

    ・「その場ですぐ」のOHIO方式で片付ける。
    Only Handle It Once=OHIO方式。大事なことを記憶するチャンスは一度しかない。
    指示、連絡を受けたら
    ❶すぐに実行する
    短時間で済むことなら余裕を見てやる
    ❷メモする
    手帳はいつも持ち歩きたい。上司に呼ばれたらメモを持って。
    「あとで」は厳禁。すぐにメモを

    ・単調なことは短期集中で終わらせる。
    作業を細分化し、一つづつ完了させていく。
    お茶を飲むなど休憩をはさんで変化をつくりだす
    心が折れそうになったら深呼吸!

    ・自分自身の服装や身だしなみも管理しよう。
    着ていく服に迷って遅刻するよりは、無難なものを用意しておく。

    ・家事は完璧を目指さず、75点で良い
    ・「やらなくちゃ」と思わず、「やりたい」と声に出してみる
    ・やり終えたあとのいい結果をイメージする

    ・ものがなくても案外平気。とにかく捨てる
    ・思い出の品は収納ボックスに入るだけを厳選し、あとはデータ化するなどして処分
    ・いつか使うの「いつか」はこない

    ・まとめてやらず、ちょこちょこ掃除を。
    少しでもよいので日課に組み込んで習慣化する
    ・一日5分の掃除タイムを

    ・過去の失敗より成功したことを思い出そう。
    ミスをしたら、なぜミスをしたかを考える方が有益。同じミスをする回数を減らしていけば、全体としてミスは減る
    ・ADHDでは睡眠時間を多めに必要とする人もいる。自分に合った睡眠時間をしっかり確保しよう
    ・ADHDは、必要以上に自責の念にとらわれる傾向がある。しかし、自分を責めても何も解決しない。自分の努力を認めよう
    あなたはがんばっています。
    ゆっくり歩いていきましょう。
    何度でもスタートすればいいのです。

    ・ADHDは、感情のコントロールができず、人にぶつけてしまうことも。爆発する前に自分で制御する方法を覚えること。
    感情が高ぶったら、「ちょっと待て」と自分に言い聞かせ、ひと呼吸。
    ❶イライラ
    思い通りにいかないなど、イライラしてもいいことはない。体に悪い、寿命も縮まると考える
    ❷不安
    焦るほど冷静な判断はできなくなる。スケジュール調整をしたり、誰かに相談したりして、次に同じ心配事が起こらないように対策を立て、不安を予防
    ❸怒り
    予期せぬ状況に陥って混乱したり、仕事の負荷が大きいため、感情的に反応してしまう。
    仕事の分担ややり方について、誰かに相談したりしてサポートをお願いする

    ・ADHDは他人の言葉に左右されやすい。
    聞き役に徹する、周囲に合わせる、自分に悪意を持った人間などいないと考える
    外見は周囲から浮く原因のひとつ。周囲の人を観察して、同じような服装やメイクをした方が無難
    ・忠告は素直に聞き「ありがとう」を。
    また発言の前には相手の気持ちを考える。
    返事に困ったときは一晩おく。
    ゆっくりとていねいに、相手の表情を見ながら話すことを心がける。

    ・ストレスは失敗を増幅させる。体と心のストレスを減らそう。
    休養を取る、睡眠を充分とる。食事をきちんと摂る、リラックスする。
    自分をいたわる、がんばっていることを認める、ダメだった自分を許す。
    一人でくつろぐ時間を取る。一人だけの空間を作る。
    自分へ応援メールを送る。励ましの言葉を書く。
    五感を楽しませる。好きなものを食べたり、美しい景色や映画を見たり、アロマも効果的

  • 著者は司馬クリニック院長の司馬理恵子先生
    司馬クリニックでは高校生までの子供と大人の女性を専門にされている。

    ADHDが困っていることの多くは、
    段取り力を身に着けることで5~7割は解決ができる。
    ADHDは目の前のことしか見えていないため
    道筋をたてて仕事をしることでうまくいくようになってくる。

    ADHDの特性がでて
    困り感が出た場合、本書を再読したいと思う
    ★5

    ---
    ■理解
    ADHDは段取り力を身に着けることで困り感を減らせる。
    段取力に必要な課題は5つ
     時間管理、もの管理、計画、記憶補強、心的持続力
    上記課題を実施し、見直す★して次の段取りへつなげる

    ■この本を読んで
     my日記に、見直し
     (反省はありましたか? 次回どうしますか?)
     という項目を作成する。
    ---

    以下はメモ(ネタバレ)
    ・段取り力とは
      本書での段取り
       P14:視野を広く長く持ち、道筋をつける力
     
    ・5つの課題とは
      表紙より  
       1:時間の管理、
       2:ものの管理
       3:プランニング
       4:記憶の補強
       5:持続力

    ・P6:なぜうまくいかないか
       事例紹介。理由記載なし。

    ・P16:毎日が変わる5つの課題
       1:時間の管理
          時間に振り回されるのではなく、時間を管理★
          コツ:余裕をもつ
          コツ:できないことは外す
       2:ものの管理
          コツ:量を減らす
          コツ:定位置を決める
          コツ:とりあえずここにおく は無し
       
       3:プランニング
          傾向:目先のものに飛びつく
          傾向:好き嫌いで判断しがち
          コツ:順序を考える
          コツ:やりやすいことから始める
          コツ:アポイントを取っておく
       4:記憶の補強
          傾向:短期記憶は小さい
          コツ:声に出す
          コツ:イメージする
          コツ:覚えておこうは無理
       5:持続力
          傾向:好奇心にまかせてアンテナ張りすぎ
          傾向:持続は苦手、瞬発力が強み
          コツ:きがそれない環境を作る
          コツ:休憩をはさむ
          コツ:決めた時間に収まる仕事量にする
          コツ:できたら褒める
    ・P26:心のエネルギー補給
       ※持続力参照
    ・P28:1日の見なおし
        毎晩15分ほどの見直しを
    ・P32:遅刻
         傾向:遅刻に対するイメージがあまい
         コツ:遅刻は評価を下げる!と認識
    ・P46:片付け(OHIO方式)
         Only Handle It Once:チャンスは1度
         記憶のチャンスは1度だけ、しっかり対応しましょう。
         
    ・P60:めんどうではなくやりたいことへ
        コツ:「やりたい」と言ってみる。★
           ※表情も大事らしい
        コツ:時間区切る 短期集中
        コツ:いい結果をイメージ
        コツ:ご褒美をようい
        コツ:目標はゆるめに
    ・P70:片付けとは
        コツ:定位置にものを置くこと
    ・P80:大事なのは毎日の繰り返し
        コツ:態度に一貫性を
    ・P90:原因をみつけ感情をコントロール
        コツ:爆発前に自制しよう

    ・P96:心のケアタイム 
         傾向:ストレスはADHD特性を強める
         コツ:日頃から自分をいたわる
      
    ■ADHDの特徴
     P12.やるべきことの順序決め、
       着々とこなし、時間通りに終わらせることが苦手
     P29.ADHDは社会人として常識がないとみられがち
     P32.遅刻を大した問題ではないと考えている
     P34.やる気スイッチがONになりにくい
     P36.ADHDは時間をぎりぎりに見積もりがち
     P40.片付けが苦手
     P44.ケアレスミスが多い
     P45.義務や指示だとやる気をなくす
     P52.ルーティンワークが苦手
     P88.必要以上に自責の念にとらわれる

  • 司馬先生の本を何冊か読んだ中では、今のところいちばん好きです。

    発達障害当事者は
    日常的に苦労しているのにお医者に(専門医に!)ひたすら周りに迷惑な、犯罪者かその予備軍みたいに思われてるのかと思うと…関連書籍を読むたびにどんよりするばかりです。

    実用的な内容を求めている人が多いのではないでしょうか。

    大事なことは
    ・とにかく手で書く。
    ・手帳にもカレンダーにもメモにも書く。
    ・声に出しながら書く。
    ・PCやスマホのカレンダーやメモにも書く。
    ・ホワイトボードなども利用、壁面に張りだす。

    など、しつこいくらい目に入るようにする。
    手と口、耳も使うことで記憶に残る。
    ただし飽きっぽさも不注意も特性なので、転記ミスに注意!
    さらに混乱を招くので無理のない範囲で!

    それと捨てること。
    ものを少なくする。
    なるべく損しない、などは考えない。
    ある程度は諦める。
    手間を少なく、考えすぎず、ラクになろう。

    という感じでしょうか。

    とりあえず手書きも入力も、メモは声を出してやってみます。


  • ガチのADHDの人が読んでもあまり響かないんじゃないかな…
    図やイラスト多め。でも矢印多くてどの順で読めば良いのか逆に混乱した。

    社会人なら新人の頃に教えてもらえるであろう基本、もしくはちょっとしたライフハックが紹介されているのみに留まっている印象。
    まあADHDの人は同じ内容を先輩から教えてもらっても理解できないとか、同期の中で一人だけ話について行けないというのはありえそう。

    メモを取りましょう
    待ち合わせには時間の余裕を持って行きましょう
    モノは使ったら元の場所に戻しましょう
    etc…

    できてたら既にやってるわ!
    しようとしてもやりきる前に他の考えが頭を横切ってやり遂げられないからADHDなんでしょうが

  • 自分の特性を客観的に捉えられるのがいい。
    もやっとしてるのを言語化してくれてる。

  • うーん…口調が少しきつく感じられて読むのがつらい。基本的すぎること、そしてそれができないから困ってるんだと思う内容が羅列されている印象。中には参考になることもあったけど、もう少し具体的にやれることが知りたかった。

  • ADHDの方はもちろん、手順や段取り力を身につけたい全ての人に実践的な方法や考え方を紹介していて具体的でわかりやすい。仕事や家事、基本の生活など多岐に亘り、新社会人など若い方にも参考になる基礎的な情報が載っている。読むだけでなく身につけると日々が楽になりそう。

  • 2021/12/04読了

    具体的な工夫でどうにかするやり方が紹介されている。参考になる部分が多かった。
    特に片付けとスケジュールのやり方が参考になりました。

  • 2021.10 読了
    ADHDじゃなくてもいい本だと思うよ
    と言われて読んだが
    ADHDじゃなくても、自分のモチベーションや感情をコントロールしつつ
    日常や仕事を回すためにキーとなる事が
    簡潔に解りやすく書かれていて良かった

    1年に1回くらい見返して、自分が構築した日常ルーティンや進行方法・優先度等を見直すといいかもしれない、と思った。

    スケジュールは「ゆるめ」にたてる、余白をつくる、トラブルがある事を前提に回復時間も予め盛り込んでおく、って大事だし
    モチベーション維持のためにシステムつくっておく、他人を巻き込んだりご褒美をチョイチョイ挟む、も自分を動かす為に大事
    そもそも脳って好きな事以外は集中できない短距離ランナー型だと思うんですがどうでしょう。

    ・時間の管理
    ・物の管理
    ・プランニング
    ・記憶の補強(メモ/見返し)
    ・感情の管理(モチベ維持/失敗からの回復)

    はいつでも誰にとっても大事だと思います

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著者プロフィール

監修・執筆 深田晶恵
個人のお金の相談を受けるファイナンシャルプランナー。(株)生活設計塾クルー取締役。
金融商品や保険商品の販売をせずに、中立的な立場で退職後の生活設計などの相談を受けている。高齢の夫の両親と同居の経験もあり、高齢者へのアドバイスに定評がある。著書は『知識ゼロの私でも! 日本一わかりやすいお金の教科書』(講談社)など多数。

巻頭料理特集 『かんたん! おいしい! 手間いらず 冷凍うどんのすすめ』(上田淳子)
兵庫県神戸市生まれ。辻学園調理技術専門学校の西洋料理研究所職員を経て、渡欧。帰国後は東京のサロン・ド・テでシェフパティシエとして勤務したのち、料理研究家として活動。作りやすい家庭料理レシピが好評。『冷凍お届けごはん』『ひとりでできる 子どもキッチン』(以上、講談社)など著書多数。

週末コラム 『健康になる食生活』東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部 濱裕宣・赤石定典
健康と栄養のバランスを大事に、日常生活の中で活かせる食事のノウハウの普及を目指している。栄養のプロの知識と科学に基づいたわかりやすい解説に定評がある。

「2022年 『かんたん年金家計ノート 2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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