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- Amazon.co.jp ・本 (482ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062604550
感想・レビュー・書評
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アメリカとの友好条約締結の求めと共に、武力による戦争は終結を向かえる。政治の話などと平行して常に先頭の話がこの物語を引っ張ってきていたから、なんだか不思議な感じがする。しかし、武器による先頭ではないにしても、情報等を活用した戦いの物語であることには代わりがなく、主人公である海江田がどんな手を打ってくるかはとても興味深い。
例によって、この作品が書かれた時代と今とではずいぶんな変化があることが感じられる。同じ情報の話をするにしても、現代のインターネットによる情報の流れは、ある意味でこの物語の設定を古いものにしてしまっているかもしれない。ただ、まったく逆に考えれば、この物語が提示する情報に対する考え方は、ぴたりと時代を先読みしていると思う。それがテレビという少々手垢のついた器に入れざるを得なかったのは、まあ仕方がないことなのだろう。
密室の中でのサミットは、むき出して理念が語られていて興味深い。やや露骨すぎる部分もあるが、特に理想と現実のとらえ方については、いろいろと考えさせられる。これだけの国の首脳が語り合うにしては、やや子供っぽいような気がするが、そうでなければひどくわかりにくいものになってしまうのは確かだろうし。それにしても、会議を引っ張るフランス大統領の振る舞いを見ると、フランス人はちょっと作者に対して抗議したくなるんじゃないかなと思うけど。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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