オレンジの壺(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.40
  • (31)
  • (58)
  • (152)
  • (15)
  • (1)
本棚登録 : 605
感想 : 45
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062633673

作品紹介・あらすじ

パリからアスワンへ飛び、祖父の日記帳に隠された真実を知った佐和子。25歳の普通の女性は、まったく無縁のはずだった過去の戦争にかかわりあったことで、多くの豊かさを身についていった。ひたむきに自分にできることをやりとげた彼女がラストシーンで掴んだものは!?幸福そして人生を問う宮本文学の傑作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この小説を読んでいると、作中で主人公が宿泊したホテルの風情があまりに素敵だったのでなんだかフランスに行ってみたくなりました。

  • やはり宮本さんらしく、余韻を残した終わり方。
    どんどん明らかになる事実、特に上巻とはまったく様子の異なる事実に驚き、
    ぐいぐい引き込まれていった。

  • 1920年代から現代までの歴史を縦糸に、日本からパリまで世界を横糸に、縦横無尽に編み込まれた物語で読み応えアリ!

  • なんだこれ???凄すぎて暫くぼーっとしちゃった。こんな文章が書きたいし、文章でなくとも、私は美術を通してこういうことがしたいわ…

  • 祖父の過去。
    2つ目の日記にもたらされる真実と謎。
    謎は謎として、「わかった」と言い切った佐和子は、物語の冒頭よりより高い成長をとげた。
    過去という時間、パリ・アスワンという空間、それぞれを旅する物語。
    モニカ・シュミットが最後にいう「たいしたことではないのよ」言う言葉がこの物語を締めくくる。

  • あらすじ
    パリからアスワンへ飛び、祖父の日記帳に隠された真実を知った佐和子。25歳の普通の女性は、まったく無縁のはずだった過去の戦争にかかわりあったことで、多くの豊かさを身についていった。ひたむきに自分にできることをやりとげた彼女がラストシーンで掴んだものは!?幸福そして人生を問う宮本文学の傑作。

  • これはミステリーではない。そうわかっていて読んだはずだけど、風呂敷を広げながら何一つ畳まずに「世の中知らないほうが良いこともある」で片付けるのはちょっと…
    最終章までは夢中で読み進めていた分、このオチの付け方は消化不良。

    虚無に苛まれる女性の再生の物語として見ても、イマイチ歩幅が狭く感じる。もちろん、旅を経て少しだけ自分を信じる勇気も持てるようになり、滝井さんという良縁にも恵まれて、祝福できるエンディングではある。
    が、マリーさんの生存を知っただけで、それ以降の真実の探求をああもあっさりと放棄できてしまうのは些か淡白過ぎではなかろうか。熱が冷めた、というわけでもないだろうに。作中に「女性は一途でなければ魅力的じゃない」といった下りが出てくるが、ここまでやっておいて最後にマリーさんに会わずに締めくくってしまうのは果たして「一途」といえるのか少々疑問。

    どうせならマリーさんにも会ってくればいいのに。日記一つで一念発起してパリやアスワンまで飛んでしまうくらいのバイタリティがあるなら、メリット・デメリットに関わらず、会うことの意味を見いだせると思うのだけれど。

    たぶん筆者は「世の中常に真実を掴めるものでもない。真実と現実と、どう折り合いをつけて生きていくかが大事」みたいなことを伝えたかったのだと思うけど。
    う〜ん…

  • 主人公、佐和子が祖父の日記を読み
    大戦前に生きた人々の過去に纏わる
    謎をひも解く為の旅に出る話。

    少し複雑で、でもすごく興味深い。

    宮本輝の作品の中でも、かなり好き。

    近いうちにまた読みたい。

  • 読了

  • 12/9/14Sold

全45件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宮本輝の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×