白いメリ-さん (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062635776

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  • 中島 らもの【白いメリーさん】を読んだ。

    表題作の「白いメリーさん」を含む9編の短編集だ。

    永遠の不良オヤジのらもさん、またまた恐ろしい作品を世に残してくれてしまった。

    もう完全にイッちゃってます。

    色々と私生活においてやらかしてくれたらもさんだが、この作品も「なんかヤッてる時に書いたんじゃね

    ぇの?」と疑いたくなるほどのキマりっぷり。

    しかし、それがらもさんの魅力であり(当然、創作中はキマってなどいないと思うが)良さなのだと思

    う。

    「日の出通り商店街 いきいきデー」という作品はその名の通り、日の出通り商店街で繰り広げられるデ

    スマッチ。年に一度の「いきいきデー」というお祭りの日は商店街の中であれば殺し合いをして構わない

    という世にも恐ろしい物語だ。

    そうかと思えば、「白髪特急」という作品のようにシリアスな作品もあったり、「脳の王国」なんかは哲

    学的要素たっぷりの作品である。「夜走る人」や「掌」なんかはホラーでサスペンス、「微笑と唇のよう

    に結ばれて」や「ラブ・イン・エレベーター」は摩訶不思議なラブストーリーだ。「クロウリング・キン

    グ・スネイク」は何故か蛇女がパンクバンドを組む話だし、「白いメリーさん」はどことなく切ない親子

    愛の物語なのである。

    なんだかてんでバラバラのように思えるが、これがそうではなく読み終えると「あ〜、らもワールドだ

    な」と妙に納得してしまう。

    つまりは色んな角度かららもワールドを楽しめる作品集なのだ。

    当たり前の平凡な日常にあきあきしてしまった人には、ぜひ読んでもらいたい。常識という設定を無視し

    た小説世界の醍醐味をたっぷりと堪能できること間違いないだろう。

    小説とは虚構の世界の物語である。そういう事をとてもわかりやすく教えてくれるのが中島らもなのだ。

    子供にはあまり読ませたくない残虐なシーンや危ない世界もらもさんが書くとなぜか不快にならない。

    これはある意味、大人の嗜好品である。

  • 短編小説集。
    ちょっと怖くて可愛くておもしろい。
    でも悲しいという。

    これ随分昔の本だけども古くない感じがいい。
    らもさん、こんなのも書いてたんだぁという印象。
    中でも『夜走る人』に出てくる分裂のおっさんの世界観がおもしろい。
    「ほんざす」と呼ばれる宇宙の「スポンジ地球」には穴が沢山空いてて
    穴の裏側から来る悪い奴らを阻むには「えくおとざす」せねばならないとか
    可笑しくて大好き。
    最後の『ラブ・イン・エレベーター』も好きだ。
    どこまで続くかわからないエレベーターに閉じ込められた男女のなすこと、心象。
    めっちゃ好きというわけではないけど、
    なんか好きなんだよなぁて感じかな、らもさんの本はいつも。

  • 短編集。すっごい!

  • 中島らもの本はおもしろいなぁ。

  • 中島らもの短編小説集。

    不思議な世界の不思議な話、ありそうでない、なさそうである話たち。

    普通の生活じゃ、でてこないものの組み合わせからくる不思議な話の連続は
    あきない!

  • 不思議、ちょっと、切ない。

  • らもとの出会いの作品。
    らもの奇想天外な発想が短編でまとめられていて読みやすい。
    サクサクと読み進めるので、電車などの移動中の一冊としてもお勧め。
    らもを読んだ事のない人は、ぜひこの一冊から読んで頂きたい。

  • 売却

  • ラブ・イン・エレベーター
    素敵です
    ショートフィルムとかで見たい。

  • ジャンル悩むけど、たぶん不条理現代モノ。タイトルになっている白いメリーさんは同名の都市伝説を元にした話。『クロウリング・キング・スネイク』が前向きで好き。

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著者プロフィール

1952年兵庫県生まれ。大阪芸術大学放送学科を卒業。ミュージシャン。作家。92年『今夜、すべてのバーで』で第13回吉川英治文学新人賞を、94年『ガダラの豚』で第47回日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞した。2004年、転落事故による脳挫傷などのため逝去。享年52。

「2021年 『中島らも曼荼羅コレクション#1 白いメリーさん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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