冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062645607

感想・レビュー・書評

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  • S&Mシリーズ2作目。
    前作の「すべてがFになる」と比べるとインパクトに欠けるものの、王道のミステリィを楽しめた。
    犀川と萌絵のユーモアのある会話劇は今回も健在。ずっと会話シーン読んでいたい

  • 1作目の事件から1年後…
    犀川助教時とお嬢様大学生・西之園萌絵が巻き込まれた、ある実験室での密室殺人事件のお話。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    犀川助教授の友人・喜多助教授の所属する研究所の実験室で、密室殺人事件が起こった。
    その現場に居合わせることになってしまった犀川と西之園。

    西之園と喜多は、事件の真相を推理しはじめるのだが、犀川はそんな2人を横に、おなじようで違うことを考えていた…

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    「すべてがFになる」の続編にあたる本作品ですが、前作を読んでいなくても読み進められる内容です。
    第1作目と比べると、犯人のインパクトは小さく、落ちついた速度で進む謎解きミステリーと言えるでしょう。
    もしかしたら前半の進みの遅さ、犀川の考えがなかなか見えないことで、途中で読むのをあきらめてしまう方もいるかもしれませんが…(汗)

    登場人物の多さは前作とおなじで、登場人物一覧と研究所の図面なくしては、読みきれなかったかもしれません。
    ただ主人公の犀川と西之園の2人は、人となりが頭に入ってたために、前作よりはほんの少し、登場人物把握がラクでした。
    でもほんの少しですよ、ほんの少し。

    登場人物が多い、ということは犯人を絞りこむのも難しい、ということでもあります。
    読み進めれば進めるほど誰もが疑わしくなり、途中から推理するのはあきらめて、物語を味わうことにしました。

    「すべてがFになる」ほどのハデさはありませんが、理系長編ミステリーを読んでみたい方、スローペースな展開にも耐えられる方は、手にとってみられてもよいかと思います。

  • 『すべてがFになる』の完成度が高すぎて、続編もその勢いのままにと期待していた部分もあった。ミステリーとしては完璧だった。密室トリックは複雑で頭の中で整理するのが少々大変だった。登場人物もちょっと多めで混乱した。
    変わらず1990年代後半に書かれた作品とは思えないほどに色褪せてなくて、近未来的な設定だった。そこが面白いと思う。

  • より本格推理ミステリの度合いが深まったS&Mシリーズ第2段。
    密室推理物で島田荘司のようなあっと驚く舞台装置もなく、京極夏彦のような神秘を纏うカラクリもない、ストンと落ち着く内容。犀川と萌絵の進展を見守りたい。

  • 高卒の私にはチンプンカンプンな部分が多いが、設定的には大好きだ。
    ある限られた範囲に、ある限られた人だけが居て、その中に犯人がいる。

    その気になって読んでいくと、動機までは解明できないにしても、
    ある程度犯人は特定できる。
    トリックもある程度までは解明できる為、読者も捜査に参加している気分になれる。

    殺人が起きた時間の場面で、直観で犯人はこの人だなぁと思ったが、萌絵の人物レポートで確信した。
    いくつか見落としもあったが、しっかり読み込んでいればある程度犯人を予想しながら読んでいける作品だと思う。

  • 前作から期間を空けて読了。

    いくつか推理小説を読んできたが、森氏のこのシリーズは群を抜いて脳を使わされるという印象。一字一句に何か重要そうな事柄が隠してありそうという期待感と、シンプルに文字で表現するには難解な情景描写は読み手の能力が試されると感じる。ちなみに私は半分くらい振り落とされた。

    内容は割とシンプル。
    密室で起きた2件(あるいは3件)の殺人事件の謎を解くというもの。ただ、前作に比べるとトリックも動機も比較的おとなしめで突飛な感じはせず。

    作中の「責任と責任感」の違いという問いかけが地味に好き。

  • リンク友のページから刺激を受けて手を出したのに、第一巻​『すべてがFになる』​だけ​読み​、その後の「S&Mシリーズ本」が2冊ほど積読になっていたもの。今頃?と言われそうだが、謎解き本に賞味期限はあるようでないから。
    大げさに言えば、ドイル、クリスティーでもわたしの好きな松本清張にしても古くてもいものはいい。ミステリー小道具の変遷も妙味にになる。
    例えばこの『冷たい密室と博士たち』初版は、1996年だからWindows発売故に爆発的にコンピューターが一般化し始めた時期で、ネットワークへ入り込むのやハッカー存在なども新しかったはず。それを思い出すのも楽しく、それに悪いけど密室の謎も手垢にまみれていが、ストーリー展開が面白いミステリーには賞味の期限はないということ。

  • すべてがFになるを読んでから、積んでいるオメガ城の惨劇にたどり着くために始めた森博嗣作品の旅。
    前作のレベルを期待しちゃだめだと思って読んだけど普通に面白かった。割と王道。科学の話は多かったけどトリックにはそんなに反映されていなかったかな。

    2作めを読んで思うのは、S&Mシリーズは理系の集いなので特に動機がわからない。全員が無機質過ぎて、読み勧めても「この人はやりそう!」みたいな人はいない。
    なんというか考え方クソなんだけどこのシリーズは一番頭いい人が大体犯人じゃないかと思ってしまう自分。。次作もたのしみー

  • 一つ一つ状況を整理し、論理立てて推理していく……私は文系出身で、こういうところは大の苦手で(数学の証明問題は丸暗記か、すっ飛ばす派)犀川先生たちの証明文を辿って解答までをなんとか飲み込むことが出来ました。ただし消化まではできてないですが^^;

    今作は、問題+数学的証明+解説、そして、動機説明という付録がついた問題&解答本といった感じでしょうか

    犀川先生と萌絵さんの今後の関係にも期待^^

  • 結局第2巻を読んでしまった。犯人はすぐ分かった。もはや主人公2人がどう進展するのかというラブコメとして読んでる。

著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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