- Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062647069
感想・レビュー・書評
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今回は今までのシリーズ3作品より犀川先生の名言が多いような気がした。「夢と希望の違い」に対する犀川先生の答えがお気に入り。
事件や密室の仕組みもよかったですが、犀川先生と萌絵の掛け合いなども面白く読めた。
「S&Mシリーズ」はミステリー要素もありつつ、それぞれの人間模様にも魅力が詰まっていて、他にはない面白さがあると思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
S&Mシリーズ4作目。
今作は今までと少し違うテイスト多めかも。
でも面白い!
今作は特段、天才は出てこない。
なので、S&Mの知的な会話が存分に楽しめる…
かと思いきや、
犀川助教授が出張で不在となる期間が発生。
今までのシリーズではここまで
別行動する期間が長いのは無かったかも。
また萌絵が大人になりつつある、
というのが物語のあちこちでアピールされてる。
犀川が何度もそれを感じる場面もある。
萌絵が犀川のことを
別の見方から知りたいと思うようにもなる。
萌絵の友人がいろいろ出てきたのも新しい。
今まではちょっと出るくらいだったのに、
今作では物語全般を通して出てくる。
今まではただ2人の会話と
2人の共通の人間とのやりとりでしか、
2人のことを把握できなかった。
それが今作では
それぞれの友人との会話、
2人が揃っていないところでの振る舞いから、
2人の普段を知ることになる。
また天才が少なかったからか
いつもより会話や表現が易しい感じも。
言葉の大切さや男女の違いなどが、
凡人にも分かるレベルで語られてる。
今作で一番印象的なのは
夢と希望のくだりも良いけど
「酸化するというよりは、錆びるといった方が
ずいぶんロマンチックだろう?」
のシーン。
錆びるって全くロマンチックに思えないのに
こう言われるとマシかも…
と納得させられてしまう不思議。 -
'23年3月6日、Amazon audibleで、聴き終えました。シリーズ、4作目。
本作も、何度か読んでいましたが…内容は、覚えてなかった(・o・;)かなり以前だし、内容的に、好きではなかったのかな…。
今聴いてみて、ミステリーとしては、段々クオリティが落ちていってるような気がします。でも、犀川と萌絵(←この字?)の関係は、少しずつ深まっていって…二人の関係を楽しむ小説、でした。あくまでも、個人的な感想ですが。
犀川先生の幸せを、歯ぎしりして妬む小説、ですね~ハハハƪ(‾.‾“)┐
楽しかったです。感謝! -
犀川先生の名台詞が今作も光ってます。
そしてシリーズを通して注目してるコーヒーメーカのヒビの入ったポット、無事今作も耐え抜きました。
今回の密室のトリックは専門的なものが多数出てきて全然わからなかったし、最後の殺人のトリックと犯人には驚きました。
ストックしてたものもこれで最後だったから寝る前に楽天ブックス覗いてみるか。 -
S&Mシリーズを読み始めて4作目。個人的にはすべてがFになるのインパクトと笑わない数学者の読後感には勝てなかった本作。しかし犀川先生が出張から帰ってきた時の安心感とあっさり解決してしまう爽快感がとてもとても良かった。あと普段は電子タバコだが、このシリーズを読んでいるとついつい紙タバコを吸いたくなる笑
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S&Mシリーズ第5弾。
大学で女子大生が連続して殺害された。現場は密室状態、裸の死体の腹部には刃物による文字状の傷が残されていた。容疑者として浮上したのは、N大学建築学科8回生でロック歌手の結城稔。被害者が彼の追っかけだったこと、事件が彼の歌の歌詞に似ていたことからだった。彼の担任だった犀川は、否応なくこの事件に巻き込まれていく・・・
建築学科ならではの密室のトリック、車じゅう綺麗に拭き取られた指紋の謎、腹部の傷の意味、小さな違和感から事件を解いていく犀川。ミステリィの面白さはさることながら、このシリーズの面白さは、やっぱり冴えわたる犀川語録にある。
犀川への思いが募るばかりに、自分の気持ちを持て余し、不機嫌になり、黙りこむ萌絵に犀川が投げかけた言葉、
「相手の思考を楽観的に期待している状況・・・・・・、これを、甘えている、というんだ。いいかい、気持ちなんて伝わらない。伝えたいものは、言葉でいいなさい。それが、どんなに難しくても、それ以外に方法はない」
くぅ~。厳しい~。犀川の言葉に鍛えられ、洗練されてきた萌絵はこの作品でまた一つ大人になりました。そして、それを受けた萌絵の言動・・・。
2人のこれからがますます楽しみです←事件そっちのけ(笑) -
だんだん嵌ってきたなぁ・・・。
が、しかし犀川先生が不在・・・。
萌絵ちゃんではないが、少々物足りない感が。
このシリーズは1作目から犯人が何故かわかるように作られているが、
今回はちょっと悩んでしまった。
自分が間違いなく犯人だと思っていた人が死体となって現れたからである。
そんな点からも自分なりにアイツだコイツだと推理しながら読み進められ、
十分楽しむことができた。
全作読んでみたい!