ジョーカー清 (講談社文庫 せ 12-2)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 724
感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (463ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062648462

作品紹介・あらすじ

屍体装飾、遠隔殺人、アリバイ工作。作中作で示される「推理小説の構成要素三十項」を網羅するかのように、陸の孤島・幻影城で繰り返される殺人事件。「芸術家」を名乗る殺人者に、犯罪捜査のプロフェッショナルJDC(日本探偵倶楽部)の精鋭が挑む。

感想・レビュー・書評

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  • うぉおい。


    コズミック上巻から下巻に行かずに、
    このジョーカーの上下を読みなさいとの作者のお言葉。

    密室卿は?どこ?
    1年間に12,000人を密室で殺害するというハチャメチャストーリーから一転、
    ジョーカーはまるで綾辻行人ばりの連続殺人へと大転換。

    なんか小難しい名前とギャグみたいな推理方法を持つ(らしい)
    エリート探偵をあざわらうかのように、館で殺されてゆく推理作家たち。

    いや、その場所離れた方がいいってマジで。
    って常識人は思うけど、そこはそれ、連続殺人のお約束で、
    どんだけ仲間が殺されてもみなさん、頑として舞台から降りようとしません。
    そこが一番の謎かもよ。なんて嫌みをちくり言いつつ読み進む。

    ものすごい勢いで風呂敷が広がってゆくこの作品、
    いったいどう集結するのさねぇねぇ。

  • まあまあ

  • 「コズミック 流」後に読んだので、普通の印象を持ってしまいましたがそんなこともないのかな。1ページ目は読者への挑戦でしょうか。示された「推理小説の構成要素三十項」。それを網羅するように起きていく連続殺人。仕込みをワクワクと楽しむべきなんでしょうが私は意外と一歩引いた目線で、匣の構成を思い出し、そのうち匣や虚無を読んどいてよかったかも、などと思いつつなんとなく読了です。ようやくJDCのメンバーが少しずつ特徴を持って現れてきました。さて続けて下巻である「ジョーカー涼」へ。正直いろいろ不安しかないんですが(笑)

  • コズミック-流-のあと
    言われた通りに読む。

    幻影城で起こる殺人事件。
    登場人物のキャラも魅力的だが、
    それを上回るミステリ好きを魅了する内容。
    もちろんそうでない人も楽しめるけど。

    どのような展開になるのかが楽しみ。
    コズミックと挟んで読むことによる効果も
    気になるところ。

  • 【171】

  • 京都府内の旅館・幻影城で合宿を行っていた推理作家たち。その中の一人、濁暑院溜水がミステリマニアなら誰でも知っている『ノックスの十戒』と『ヴァン・ダインの二十則』=『推理小説の構成要素三十項』を網羅した実名小説作品の構想を発表。他の作家らの期待を集めるが、翌日、まるでその構想に則ったかのように殺人事件が起こる。


    続々と死体が出てきます。
    わかりにくい登場人物ですが、キャラ濃いのか描写がうまいのか、けっこう読めます。しかし、この駄洒落に駄洒落を煮染めたような謎解きと、どう見ても作者反映方の語り部キャラが気になって気になって、読みやすいのに読みにくい。

  • 幻影城に集まり合宿をしていたミステリ作家たちが無惨に殺されていく。
    意味不明な見立て。
    理解不能な暗号。
    脱出不可能な密室。
    芸術家と名乗る狂人の犯行は止まらない。
    JDCの名探偵たちは犯人に辿り着くことができるか。

  •      /⌒  ⌒\
       /( >)  (<)\
      /::::::⌒(__人__)⌒::::: \  デビュー直後最も叩かれた作家の小説とはどんなものか読みに来ました!
      |    /| | | | |     |
      \  (、`ー―'´,    /

  • 請求記号:セイリ
    資料番号:010691467

  • 「そんなに一気に読めないし」という理由で、コズミック(流水)――――→ジョーカー(清涼)で読んでしまいましたが。
    …やっぱり作者オススメの清涼in流水(コズミック流→ジョーカー清涼→コズミック水)で読めばよかったかもしれぬ…と少々後悔しています。少なくとも間をあけるべきではなかった…涼まで読んで、コズミックのラストが思い出せない…!
    というわけで、4冊で1作品だと諦めて、これからチャレンンジの方は是非「清涼in流水」でどうぞ! 

    推理作家団体「関西本格の会」の面々は、秋の合宿としてミステリの装飾を施された大旅館・幻影城に集っていた。娘や妹を連れてきている者もおり、城内を散策したり夜には茶話会としてミステリ談義に華を咲かせて楽しく有意義に過ごすつもりであった。
    だが、茶話会で提案された「推理小説の構成要素30項」に挑戦するかのように、「芸術家」を名乗る殺人者が幻影城内を闊歩し、悲劇の幕が切って落とされた…。
    警察、そしてJDC(日本探偵倶楽部)の名探偵たちとの対決が始まる…


    挑戦状、密室、見立て、暗号、双子、作中作、叙述トリック…etc。構成要素30項は「ああ、お約束v」といえる内容ばかりなんですが、これを全部となるとさすがにちょっと詰め込みすぎな感じも。しかし、それをやり抜くのが清涼院流水の流水小説で、この30項をさらに飛び越えるのが狙い…なんだろうなぁ。越えるということは、破壊でもあるのだろう、きっと。うむ、納得の破壊力!
    というわけで通常の推理小説とはかなり異なる本作品。異色とも違うなぁ。やはり流水小説が一番しっくりきますね。
    幻影城事件に投入されたJDC探偵は《消去推理》霧華舞衣嬢と《ファジィ推理》音夢嬢、《黒衣のとんち探偵》龍宮城之介と《理路乱歩》鴉城蒼也。ほかにもご登場しますが、メインはこの4人。コズミックで耐性が付いたのか、彼らの超推理にびっくりしなくなった己にびっくりです(笑) まぁ…九十九十九の神通理気の後じゃねぇ…悟っちゃうんだもんな…。
    龍宮のとんち推理は是非とも別作品でじっくり読みたいです。カーニバルも読むべき…なのかしら…。

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著者プロフィール

一九九六年、『コズミック』で第二回メフィスト賞を受賞し作家デビュー。以後、小説だけでなく、ビジネス書、ノンフィクション、英語学習指南書など著作多数。小説執筆の息抜きとして始めた英語学習にハマり、独自のメソッドでTOEIC(現TOEIC L&R)テスト満点を五回達成。二〇〇九年から二〇一七年まで主宰していた「社会人英語部」では、のべ六五人の部員をTOEICスコア平均九〇〇点台にまで導く。日本人作家の小説を英訳して世界中の電子書店で販売しており、著者、英訳者、編集者として手がけた英語作品は一〇〇を超える。作家としての近著に『感涙ストーリーで一気に覚える英単語3000』(明日香出版社)、『きみと行く 満天の星の彼方へ』(リチェンジ)などがある。

「2020年 『三日坊主でも英語は伸びる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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