- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062648868
作品紹介・あらすじ
「あたし殺されたの。もっと生きていたかったのに」。通り魔に襲われた17歳の女子高生安藤麻衣子。美しく、聡明で、幸せそうに見えた彼女の内面に隠されていた心の闇から紡ぎ出される6つの物語。少女たちの危ういまでに繊細な心のふるえを温かな視線で描く、感動の連作ミステリ。日本推理作家協会賞受賞作。(講談社文庫)
「あたし殺されたの。もっと生きていたかったのに」。通り魔に襲われた17歳の女子高生安藤麻衣子。美しく、聡明で、幸せそうに見えた彼女の内面に隠されていた心の闇から紡ぎ出される6つの物語。少女たちの危ういまでに繊細な心のふるえを温かな視線で描く、感動の連作ミステリ。日本推理作家協会賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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通り魔に殺害された女子高生の事件を軸にした、連作ミステリー。
ガラスのように繊細で壊れやすくて不安定な女子高生たち、また過去の出来事から逃れられない先生を描いた。
節ごとに語り手が変わって誰の話?と戸惑う。なおかつ登場人物が複雑に絡むので、特に後半は何がなんだか…。
殺害された女子高生、保健室の先生の人物像が見えなかった。また、犯人の犯行動機も分からなかった。
もやもやが残った読後感。ごめんなさい(*>ㅅ<)՞՞
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Manideさんお面仲間ですね(^^)お面仲間ですね(^^)2024/02/03
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なおなおさんManideさんのように、顔の上にお面を乗せれば良かったかな…ま、本日限りだからいいか^^;Manideさんのように、顔の上にお面を乗せれば良かったかな…ま、本日限りだからいいか^^;2024/02/03
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連作短編6作品収録
表題作は48回日本推理作家協会賞受賞作品
女子高生が殺され、各章それに関連するお話が続き
最終章で・・・でもなんかモヤモヤ感あって
いまいちだったかも
各章で語り手は変わっていました -
懐かしい小説。
この小説、10年以上前に一度読んだのだけど、病院に通ってた時期で、待合室のソファに座って読んだ記憶がある。
他の小説もたぶん読んでるはずなのに、強烈に覚えてるのはこれだけ、という不思議。
通り魔に殺された17歳の美少女を軸に、彼女を取り囲む人々の人間模様を描いた短編連作。
ミステリだけど、謎解きが主題とは思えない。
危うい少女性、抱えた傷や痛み、自分を傷つけた誰かへの復讐心。
殺された少女の心模様は、少女が書いた「ガラスの麒麟」という童話に表される。
少女性を扱った小説や映画はいくつか見ているけれど、ほぼ全てが危うく、すぐに壊れそうで、そして美しい。
自分が少女だった頃のことを振り返ってみると、自分の悩みや苦しみは特別なものだと思っていたような気がするし、救って欲しいのに何かを拒絶するような部分もあって、とてもちぐはぐだった。
上手く生きる方法なんて今でも分からないけれど、今よりももっと分からずにいた少女時代の苦しみを、読みながら思い出した。
ある意味主役とも言える、養護教諭の神野先生のミステリアスさや独特な哀しい感じが、物語に透明感を与えているように思う。
こんな保健室の先生がいたらきっとファンになって通っちゃうな。笑
病院の待合室のソファから見える景色まで思い出して、切ないような懐かしいような、そんな気分で読み終えた。 -
「ななつのこ」の作者が書いた日本推理作家協会賞受賞作となれば、否が応でも期待は高まります。
しかし結論から言えば、本当にこの作品が受賞したの?という疑問しかわきませんでした。内容からして少なくとも、日本推理作家協会賞ではない気がするし。六つの物語も連作という武器を効果的に活かしたとも言えず、昔の受賞作は良かった、と思わず年寄りの様に嘆息してしまいました。 -
ガラスとか危うさとか、あの年代ならではの感覚とか、とてもよく描かれている。神野先生を中心としたオムニバス形式、ミステリーとしてもうまい。
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通り魔に殺された女子高生。
そこから続いていく連鎖。
ミステリではあるけど、ミステリ感よりも緻密に描写された人間の精神や思考の方が目立つ。特に、側からみればなんでも面白い/楽しいことがいっぱいな女子高生や若い女性の心情。多感で繊細な面も(男の俺にはわからないかもしれないが)、自己肯定という面に関しても、美しい描写がされている。
人が殺され犯人がいて、という内容ではあるが、どこか温かい作品。
細いけど、しなやかで強かな絹の糸が様々な方向に枝分かれしているようなイメージ。 -
「あたし殺されたの。もっと生きていたかったのに。」通り魔に襲われた十七歳の女子高生安藤麻衣子。美しく、聡明で、幸せそうに見えた彼女の内面に隠されていた心の闇から紡ぎ出される六つの物語。少女たちの危ういまでに繊細な心のふるえを温かな視線で描く、感動の連作ミステリ。日本推理作家協会賞受賞作。
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通り魔殺人で突然命を失った女子高生安藤麻衣子。彼女の死によって広がる波紋をミステリ要素と合わせて描く連作短編。
一番のお気に入りは「三月の兎」優しい結末が胸を打つ短編です。通り魔殺人の被害者の担任が主人公となる短編ですが、それなのに切なさややるせなさでなく、優しくオチをつけてくれる加納さんの優しさがにじみ出ている短編だと思います。
「ダックスフントの憂鬱」も結末が可愛らしくて良作です。表題作「ガラスの麒麟」は登場人物それぞれの微妙な心の傷や作中作の被害者が生前残した童話”ガラスの麒麟”から浮かび上がってくるメッセージなど短編ながら人の心の機微をしっかりと描いていると思います。
しかし最終話に近づくにつれ、通り魔事件の核心に迫ってくるあたりからが個人的に消化不良に感じてしまいました。
犯人の登場があまりにも唐突で前後の脈絡が感じられず、被害者の麻衣子についても行動の理由が今一つ腑に落ちず人物像がぼやけたままに終わってしまった印象。最終話で話をつなげるための人間関係も途中から分かりにくくなってしまったように思います。
短編単独として見た場合は良作も多かったように思うのですが、連作としてみるとアラが少し出てしまっているという印象を受けてしまいました。
第48回日本推理作家協会賞