南京の真実 (講談社文庫)

制作 : エルヴィン・ヴイッケルト 
  • 講談社
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本棚登録 : 52
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062649940

作品紹介・あらすじ

1937年冬、南京。激しい攻防戦の後、街は日本軍によって占領された。荒廃した南京での中国人を救おうと奔走し「南京のシンドラー」と呼ばれたドイツ人の日記が、歴史の封印を解かれた。「大虐殺」と「まぼろし」の間を揺れ動いてきた論争に絶大な影響を与えた、中立の第三者が記録した「南京事件」の真相。

感想・レビュー・書評

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  • 1

  • 毎年夏になるとふと手にする戦争に関する著作。
    今年はいわゆる「南京大虐殺」について、以前から気になっていたこの本を手にとって読むことに。
    私の中にあるいわゆる「南京大虐殺」史観が、この1冊を読むことを通してしっかりと意味付けされたように感じている。

  • 日本軍が南京に到達した段階で、国民党軍の司令官は遁走。そのため兵は混乱・潰走し、軍として既に組織していなかった。南京市にはその時に5~6万人程度の遺体があったとのラーベの推測だが、そのうち3万人は下関の国民党軍の遺体(長江を渡れず混乱・溺死)、残り2~3万人のうち国民党軍の残党や中国人自身による略奪(ラーベは中国人と日本人を混同もしくは区別できていない感がある)が半数と考えると、結局日本軍による殺害は1万人前後と考えられる。あとがきには『「南京大虐殺はまぼろし」派にとっては不利な資料』とあるが、逆に大虐殺はなかった証拠といえる。

  • 4062649942  381p 2000・9・15 1刷

  • 1937~38年の南京。ドイツ人でナチ党員だったラ-ベが見たもの。中国のシンドラーと呼ばれたラ-ベはナチの紋章とドイツ国旗を日本兵に見せて、中国人たちを救う。そして平和を愛する指導者と信じるヒトラーへの純情なる陳情。しかし、当然ながらヒトラーは黙殺。防共協定の友好国ドイツ人の見たドイツ人を含む外国人に対しても例外なく暴力を揮う日本軍の統制のなさ。南京虐殺の事実を書き残した日記だけに迫力があります。ドイツ人で三種類の人物がいる。①ナチ党員②インテリ③立派なドイツ人この内2つだけは兼ねることが出来たという説明が篩っています。(ラ-ベは①と③であったが、②ではなかった!)

  •  当時南京に住んでいたドイツ人シーメンス社社員の手記がもとになっています。
     日記の語調が、明るいというか他人事というか、緊迫感が感じられませんでした。書いてあることはグロいのに。翻訳が、そうなのかも知れませんが。また、中国人難民の食糧がひっ迫してると言ってるのに、残留外国人たちでクリスマスパーティを開いたりしてて、やっぱり他人事なんですかね。
     南京事件があったかどうかは、この本からは私にはわかりません。
     当時日本の同盟国でしかもナチス党員だった作者があえて日本に不利な証言をしているのだから間違いないのでしょうか?
     または、ナチスを特にヒトラー個人を熱狂的に支持していた作者のような人が語る事だから信用できないのでしょうか?
     難しいです。

  •  日本軍が南京を占領した時に南京城内にいたドイツ人の日記です。
    いわゆる南京大虐殺があったかどうかという論争に対して、争いの当事者でないドイツ人による客観的な視点で、当時の様子が書かれています。
     ただ当人は城内の比較的統制のとれていた場所にいて、そこに保護を求めてくる中国人や暴虐を働こうとした日本人を追い返したということをしていただけです。日本軍もドイツ人には当然ながら手を出しません。なので、例えば南京攻略までの途中の村々でしたであろう暴虐などについては、やはり見聞の域を出ていません。これでもって南京で日本軍による組織的なジェノサイドがあったかどうかをを判断できるものではありません。ただ日本人が中国人を蔑んでいて、人を人とも思わず乱暴を働いていたことはわかります。
     史料的には一定の価値はあると思います。
     

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