都会のトム&ソーヤ(10) ≪前夜祭(EVE) <創也side>≫ (YA! ENTERTAINMENT)
- 講談社 (2012年2月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062694520
感想・レビュー・書評
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前巻の謎解き編ですね!
探偵に向かないらしい私は、創也の推理を聞きながら、何度か読み返して確認したり……。
誰しもが持つ感情。人それぞれの価値観。
さりげなく入っている要素が心に留まりました。
しかしイベントの『WATER WARS』は上手いこと考えられているなぁと感心します。冒険というかサバイバル的な感じが読んでいて楽しかったです。
次巻はいよいよ「ダブル」ですね。
楽しみです。 -
「いつだって、助かるのは運がいい人。運をよくしようと思ったら、そ!なりの覚悟がいるんだよ」
「未来は不確定。ーーだから、おもしろいんじゃないかな?」
とっても高価な青色絵の具を、惜しげもなくぬりたくったような空に、マシュマロみたいな白い雲。
体の奥に力がたまっていくような気がする。
すてきな景色を見て、いい気分にならないときは、どっか心が疲れてるんだよ。ーーおばあちゃんが、いってた。
うん、いま、ぼくは気持ちがいい。
最高にすてきな気分。
何年かききーーぼくが大人になったとき、同じような気持ちで空を見上げられるようにしよう。なんとなく、ぼくはそう思った。
「世界は、さめない夢を見ておわる」
*・*・*・*・
やっぱとむそーやは面白いなぁ!体験学習編の後半。学校生活って面白かったんだなって思う。幼稚園の、小学校低学年の頃のわくわくを持ち続けているのがそーやとないとくんであり、はやみね先生でもある、と思う。いいなあ -
「都会のトム&ソーヤ」シリーズ第10巻。
9巻での内人の職場体験を伏線としたイベント・解決編。
前回のあらすじや人物紹介はないが、完全に続きの話となっている。
9巻の内容を覚えていないと、クライマックスで「これ誰だっけ?」となるので注意が必要。
できれば、9・10巻は同時に発売してほしかった…一年の開きは長すぎる。
状況設定に終始していた前巻とは対照的に、派手なアクションとテンポ良い展開で楽しく読めた。
内人のサバイバル能力が十分に発揮されているのも○。
イベントに現れた「魔物」の思い入れについて説明が薄く、動機が理解しがたいのは難点か。
おまけの真田女史の話が可愛い。
次巻はR・RPGの新展開。
全体のストーリーも進展していて安心した。 -
謎解き編。
ウオーター・ウオーズは内人が優勝。
栗井栄太の次のゲームが完成。
次回はその話かな? -
久々はやみねさん。
気がついたら児童書コーナー行きにくい年になっちゃったけど、都会トムだけは最後まで読み続けたいなぁ
読んでるとなんだか落ち着きます -
“気をひきしめていると、創也もペンを持ってエントリー用紙に名前を書く。
ちょほぉっと、待ったぁ!
ぼくは、創也の手をにぎる。
「なんで、おまえが名前を書いてるんだ?」
「ぼくも出場するからにきまってるじゃないか」
カチューシャを頭につけ、ついてる目玉を楽しそうにふる創也。
ぼくは、深呼吸して気持ちをおちつけてから、きいた。
「"出場する"ってのは、この『WATER WARS』にでるって意味か?」
「もちろん!同じグループに入って内人くんを助けてあげるよ」
「………」
ダメだ。これで、優勝できる確率はゼロになった。
ため息が、体の奥から湧いてくる。
「おまえ、ぼくを優勝させたくないのか?」
「なぜ、ぼくが出場したら、優勝できないんだ?」
……なぜ、わからないかを、ぎゃくにききたい。
ぼくは想像する。
創也をつれて戦場に立った自分。まちがいない、二分でたおされる自信がある。
どうしよう……。”[P.114]
今回も面白い。
次は栗井栄太のゲーム。
“余裕の笑みを見せる創也。
「安心したまえ。ぼくが、いままでうそをついたことがあるかい?」
「いまも、ついたぞ」
「………」
気まずい沈黙が流れた。
創也が、フッとほほえむ。
「言葉をかえよう。——ぼくが、いままで信頼を裏切ったことがあったかい?」
「ぎゃくにきくぞ。いままで、信頼にこたえたことがあったか?」
「………」
ふたたびの、気まずい沈黙。
さきに口をひらいたのは、創也だ。
「そこまで疑うのなら、あしたになって吠え面かくなよ!」
「おー!吠え面がどんな顔かわかんないけど、かかないよ!」
そして、ぼくらは同時にそっぽをむく。
「フンだ!」”[P.291]