有限と微小のパン (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (870ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062732949

感想・レビュー・書評

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  • (2020/7/12読了)

    脳化小説。

    同著者のいわゆるM&Sシリーズだけど、デビュー作でもある第一話「すべてがFになる」を読み、途中全部すっ飛ばして最終話(?)を読んだわけだ。

    「すべてが・・・」の副題が「The Perfect Insider」というのに対し、本作は「The Perfect Outsider」という。なるほどうまくできている。

    お話はVR(バーチャルリアリティー)を軸にした殺人事件で、VRを巡る哲学は読み応えあり。Perfect Outsiderの含みは、つまりVRによって人間はその場にいなくてもよくなるということだけど、結果「それはいいことである」とする立場には頷けない。(それが間違いなく来たるべき未来であるとしても)

    「天才」が次々ごろごろ出て来るのを始め、できすぎたお膳立て、気持ち悪いキャラクターとかがあまり好きになれない。ミステリーだから一応最後まで読んだけど。

  • 再読。S&Mシリーズ最終巻。内容は殆ど覚えていたので事件の結末はわかっていたものの細部までは覚えていなかったのでそれらを確認しながら読み進められた。改めて読んでみて萌絵は第二の真賀田四季になりえたかもしれないという思いは強くなった。でもそれはあくまで可能性で終わってしまったんだろうな、なんせ萌絵ちゃんには犀川先生という人もいたからね。全体を通しての概念としてはWシリーズにも通じるものがあってまたそちらも読み返したくなった。

  • 面白かった。真賀田四季はいいよね。

  • 再読。全てが装飾、全てが虚構。最後の舞台に相応しい、大掛かりな舞台設定にドキドキさせられます。萌絵ちゃんの精神状態が不安定なので、可哀想でむかむかはしましたが。現実と向き合って生きていない人間の遊びって悪趣味だなぁ。長崎のハウステンボスを想像しながら読んだので、娯楽としても良かったです。ヨーロッパの街並みを走るミニが可愛い。
    四季の人間的な部分も最後だからか少し理解出来たような気がします。S&Mシリーズの締めくくりとして非常によく構成された、ドラマでした。
    2020.08.04

  • まさか1作目の人物が出てくるとは予想外。まさかの展開とストーリー。よく考えつくものだと思う。このコンビの登場が最後だと思うと少し残念。

  • S&Mシリーズの最終巻。
    シリーズ第1作以来の真賀田四季博士の登場です。

    今から約20年前に、VRを駆使した話を書く森さんは、やはり凄い。

    犀川と四季。
    天才の心がわかるのは、やはり天才のみ?


    四季が子守をする姿も見てみたかった…

  • 犀川先生と萌絵ちゃんにくっついて欲しい人生でした。
    すべてがFになる。をドラマで見てから読みまして、このエピソードにドラマでキュンキュンだったものですから、同じラストを期待して読み始めたけど、ちがいました。
    ドラマと小説の違いはとても、勉強になった。
    この長さのこの複雑なやつを、あのドラマの枠に収めたな…すごい。
    犀川先生が脳内で綾野剛再生されるので、幸せな読書時間です。

  • 既読
    再読②

  • まず…長い!半分読んでもまだ1日経過してなかったり。合わせるブックカバーないし重いし!本の感想じゃないよねf^_^; そして最後のトリックは…なんだそれでした(笑)もう笑うしかない。途中のトリックはもしかしてこうじゃない⁇ってのは当たってたんですが最後のトリックはまさかまさかでした。相変わらず犀川先生と萌絵ちゃんは進展しませんね〜いや少しは進展したのかな⁇

  • 『全てがFになる』から続くS&Mシリーズの最終巻。第一作目と同じ「虚構と現実」の差異が骨子にありながら、上質のミステリに仕上がっている。ミステリとしてのトリックは一作目の衝撃はないが、仕掛けの大掛かりさはシリーズ随一であろう。パズルのような細かなネタも楽しみを加速させる。犀川と萌絵の二人の関係が進展しそうで進展しないあたりはファンとしては残念ではあるが、人間関係は緩やかであり、またそれが人間であることの証明みたいなものなので、些細な部分ではあると思う。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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