唇を閉ざせ 上 (講談社文庫 こ 60-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062735643

感想・レビュー・書評

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  •  コーベンのノン・シリーズ翻訳作品第一作は、軽ハードボイルド・タッチのマイロン・ボライター・シリーズとは趣きを変えた、重厚なノンストップ・バイオレンス・スリラー。

     山と湖の自然とギャングの横行するストリートのどちらもが舞台となる、ニューヨークの隣町ニュージャージーは、作者の生まれ育った土地らしく、生き生きと活写されている。人も街も生命感たっぷりで、お洒落だったり猥雑だったりの変化に富んでいる辺りは物語を豊かにしているように思われる。

     本書は8年前の殺人事件で犠牲なっていたはずの愛妻が、主人公である小児科医師の周辺に現れるという奇妙な出来事に端を発し、過去からの有象無象やら、関わった者たちの罪と罰が表面化してゆくストーリー。

     二十代の若き主人公は元より、彼を取り巻く個性的なキャラクター造形が素晴らしく、人間的で魅力的な悪党たちや、サイボーグのような冷徹な悪人、また善悪の彼岸を往来する迷い人のような存在も多彩に描かれ、彼らのもたらす化学反応が、ストーリーを激しく燃焼させてゆく様は、読み応えに満ちている。いわゆるジェットコースター・スリラーなのである。

     過去のシリーズ物と、最近の熟成した作品との狭間に位置するホットな書きっぷりが、作風をいい感じに料理してくれており、この作者が一気にエンタメ小説の世界的なスターダムに持ち上がったエネルギーに納得させられる何かを、しっかり感じさせてれる。

     なお、『ランナウェイ』『森の中の少年』にも登場する女弁護士ヘスターが本作でもしっかり存在感を示してくれている。ぼくがこの作品を読んだのもヘスターの初登場作と聞き及んでいたことが大きい。熱い弁護士ヘスターのファンには是非とも本作での活躍もご覧頂きたい。

  • NYの若い小児科医ベックは、亡き妻エリザベスのことを思い続けていた。今から8年前、二人は連続殺人鬼キルロイに襲われ、彼だけが九死に一生を得たのだ。そんな彼のもとに一通の謎のメールが届く。そのメールには、ベックとエリザベスしか知らないはずの秘密が隠されていた。悪質ないたずらか、それとも。

    最近、翻訳がよく出ているコーベン。読むのは、偽りの銃弾以来。約20年前の作品ながら、なかなか読ませます。あっという間に下巻へ。

  • 【内容覚書】
    最愛の妻を失って8年。

    小児科医として日常生活を送るものの、
    心は死んだままの主人公。

    そんな主人公の元に一通のメールが届く。

    二人だけの秘密を匂わせるそのメールのリンク先で彼が見たのは、
    亡き妻の姿だった。

    主人公の心が再び動き出す。

    【感想】
    軽いジェットコースターに乗った感じ。
    わーーーーっっと一気に読み進められる。
    その分、軽い感じがしてしまうのが良くも有り悪くも有り。
    どんな結末になるか下巻に期待。

    それにしても、最近読む海外小説の、
    同性愛者の出現率は多くて考えてしまう。
    たまたまなんだろうか。

    小説のキャラ設定として特徴を持たせやすいから人気なのか、
    差別だと言われないよう白人・黒人の人数を、
    バランスよく登場させるのと、同じような配慮なのか、
    同じような配慮だとすると、そこまで気を遣わないといけないほど、
    同性愛者の数が多いのか。

    ストーリーより、そちらの方を考え込んでしまった。

    そういうことを気にして書いてるんだとしたら、
    そのこと自体がすでに差別だと思う。
    差別って難しい。

  • 大好きなマイロン・ボライターシリーズを書いた
    ハーラン・コーベンの1冊。

    映画化もされています。

    テンポよく話が進むので引き込まれるように
    一気に読んでしまってもったいないくらい。

  • 作者を見て読んでみる気になった一冊。
    読んでいて止まらなくなり、美容院で一冊一気に読んでしまいました。
    脇役のキャラクターの個性が際だっていて、その面白さで読ませる感じ。
    映画がされていないのかなぁと、思って調べてみたらフランスで映画化されていました。
    北朝鮮人の殺し屋はジェット・リーに演じてもらいたいたかったけど、・・・・単に私がジェット・リーを好きなだけだけど。

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