念力密室! (講談社文庫 に 24-12 神麻嗣子の超能力事件簿)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062739986

感想・レビュー・書評

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  • 変なことを考えるなあ。殺人事件に超能力が絡んでくるなんて。それを悪用する輩を取り締まる組織まであるとは、とんでもミステリーだ。推理作家の保科匡緒と美人警部の能解匡緒と超能力者問題秘密対策委員会出張相談員の神麻嗣子の3人のやり取りや関係が楽しい。嗣子は一見中学生に見え袴姿の美少女で料理が得意。その料理を目当てに人が集まり、保科匡緒のマンションは喫茶店状態。どの事件も密室状態でサイコキネシスが使われているらしいのだ。阿保らしいと思いながら面白いので最後まで読みました。

  • カワイイ!楽しめました!

  • 短編集ってことで、前の2作に比べると超能力のシステム(?)が複雑じゃない。
    保科さんと神麻さんの出会いのきっかけとなった話も入ってる。
    一番好きなのは、最後の「念力密室F」。
    聡子の見た夢がなんとも言えない不思議さを醸し出しているし、これからへの期待も膨らむとても良い話。

  • シリーズ最初の事件を含む短編集。
    売れない作家・保科匡緒のマンションで起きた密室殺人。それがきっかけでチョーモンインの神麻嗣子と美貌の警部・能解匡緒と出会うことに・・・
    表題を含む6作品。前の2長編と時系列が前後するけど、この話で3人が出会ったのかと感慨深く読んでました。
    最後の念力密室Fはどういうことなの!?ってなってしまいましたが・・・これは未来の話なのかそれとも違う未来になるのか?気になるわ~

  • 神麻嗣子シリーズ・第3弾。

    サイコキネシスを使って密室を作るという作品ばかりの短編集。
    チェーンもかかっているのに、部屋の中には死体だけ。
    トリックはなく、超能力を使っただけなわけだけど、何故密室にしたのか、超能力者は誰なのか、という点が描かれ、全作品楽しめました。

  • 白足袋で 地団駄踏んだ 嗣子ちゃん
     チョーモンイン(超能力者問題秘密対策委員会出張相談員)の見習・神麻嗣子は、サイコキネシスの不正使用が疑われる現場に赴く。〈メゾン・ベイシティ〉の903号室。そこには若白髪の目立つ、売れないミステリ作家が住んでいた。
     超能力を使用して密室を構築するという本来なら反則技のところを、なぜ(超能力を使用してまで)密室を構築したのか?という大胆な構図のすり替えを行うことで、奇妙ながらも本格的なパズラーを完成させています。また、観測装置の精度の甘さによって、誰が何に超能力を使用したかが不明瞭なことが、真実を見えにくくすることに一役買ってくれています。
     美少女と美女と半同棲?元妻とも復縁?どこのラノベですかというツッコミはままあるでしょう。マニアック向けですが、ミステリの質はなかなかだと思います。

  • 神麻ちゃんが可愛い。いや、それだけではない。

    通常、密室と言えば、どのようにして密室になったか。そこに焦点が当てられる。だが、本作は全く違う。密室は超能力で作られるから、悩む必要は無いのだ。

    だから、本作の目的は必然的に、何故密室は作られたのか。誰が犯人であるのか。そこに焦点が当てられるわけである。だからと言って制約がつまらなくしているわけではない。持ち寄ったデータをアームチェア・ディテクティブで作家である保科が解決していく手法は、本格推理らしさがあって面白い。

    ただ、若干のマンネリ化及び短編ごとの視点移動が集中力を乱す。読みきりの短編ならば問題ないが、一冊を通してだとどうしてもパターン化が免れない。二人の匡緒の関係が微妙で変化していない様にも若干の苛立ちを感じさせられるのもある。

     手放しで面白いと言うことは難しいかもしれないが、このような手法があるのか。ということと神麻ちゃんの可愛らしさは筆舌に尽くしがたい。上位の優先度とは言えないが、ライトノベル系が好きな人は読んでから文句を言うことはないだろう。と思う。

  • 売れない作家・保科匡緒は、酔って自宅のマンションに帰ると内側からチェーンがかかっていて玄関が開かなかった。
    警察を呼び中を調べると、見知らぬ男の死体が転がっていた。
    取調べに来た刑事は、スタイル抜群の美人の刑事で名前ご同じ匡緒だった。
    自宅に帰り、呼び鈴に出て扉を開けると、大正時代のような着物と袴を着た美少女が立っていた。
    そして保科は、十字架の謎の品に貼り付けにされた・・・・。

    神麻嗣子の超能力事件簿シリーズの三人の出会いを書いた初めの作品から”密室”をテーマにした6つの短編が入った連作短編集です。
    密室は、全て超能力で閉ざされた物で事件の真相を解く物語りになってます。
    パズルのように安楽椅子探偵のように保科がその謎を解き明かすのです。
    短編なので非常に読みやすくなってます。
    ちなみにシリーズ第三弾となってます。

  • <チョーモンイン>シリーズ初の短編集
    単行本としては3冊目。
    すこし前に書きましたが、表題作の念力密室はこのシリーズの第1話になります。犯罪に使われた超能力がサイコキネシス、念動力(物体に触れることなく、移動させたりできる)に絞った連作になってます。


    スタイルとしては、安楽椅子探偵である保科の家に神麻嗣子と能解警部がやってきて3人でディスカッションする形式。
    いつでも自由にこれるようにと保科のマンションの鍵を2人が持ってて、通ってくる。しかも2人とも保科に好意を寄せてて美少女と美女が足しげく通ってきて、しかも後半になると分かれた元嫁までやってくる(これまた美人)

    どうなってんだあ?ううん?

    まあ、面白いんですけどね。きっちり論理的思考で解決してますし、著者の西澤氏もあとがきで書いているのですが、このチョーモンインシリーズは短編で活きてくると思っていると(実際、これ以降の単行本も短編集がほとんど)歯ごたえのあるパズルをいくつも楽しんでるような感覚になります。

    一気に3作紹介しましたが、このチョーモンインシリーズ大変面白いです。文庫も出ていますので、まずはそちらを手にとってみるのもいいかもしれません。ただ、文庫版はシリーズ通してイメージイラストを描いている水玉蛍之丞氏のコミカルなイラストが前面にでているので、やや買いにくいです。
    さらに、増刷された、新書版も水玉氏のイラストに差し替えられています。


    しかし!その羞恥心を越えた先に傑作パズラーが待ってますよ。

  • 短編のほうがすっきりしてて読みやすい。
    神麻のキャラが嫌いなので、登場率が下がるからいいのかもしれない。

    というか、相変わらず謎に『てにをは』を省略する書き方なの、めちゃくちゃ気になる。
    『◯◯さんは、〜』ていうの、『◯◯さん、〜』て書くの、何なの?

    あと、最終話がわけ分かんなかった。

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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